尖足(せんそく)とは、足関節が底屈位に固定され、背屈ができなくなった足の変形です。代表的な原因は腓骨神経麻痺で、前脛骨筋などの背屈筋群が麻痺するため足先が垂れ下がる下垂足(drop foot)となります。歩行時はつま先が地面に引っかかるのを避けるため、膝を高く挙げて振り出す鶏歩(けいほ)が出現します。国試では「尖足=下垂足+鶏歩=腓骨神経麻痺」のセットで問われます。
| 読み方 | せんそく(drop foot / equinus foot) |
|---|---|
| 分類 | 下肢(足部)の変形・神経学的診察/歩行異常 |
| 主な原因 | 腓骨神経麻痺(総腓骨神経障害)。長期臥床や不良肢位による拘縮でも生じる |
| 麻痺する筋 | 前脛骨筋・長趾伸筋・長母趾伸筋などの足関節背屈筋群 |
| 足関節の肢位 | 底屈位に保たれ、背屈が不能(足先が垂れ下がる=下垂足) |
| 歩行の特徴 | 鶏歩(けいほ)=つま先が上がらないため足を高く挙げて歩く |
| 観察のポイント | 歩行観察・足関節背屈のMMT・腓骨頭付近の圧痛や感覚障害を確認 |
| 覚え方 | 尖足=下垂足+鶏歩(腓骨神経麻痺)/踵足=脛骨神経麻痺 |
尖足は、足関節が底屈位(つま先が下を向いた位置)に固定され、背屈ができなくなった状態を指します。足先が「尖った」ように見えることからこの名がつきます。
まとめると 尖足 = 下垂足 + 鶏歩。歩行の観察や神経学的診察でしっかりチェックしましょう。
尖足の中心にあるのは腓骨神経(総腓骨神経)の障害です。腓骨頭の後方を回るため、下腿外側の圧迫・ギプス・長時間の下肢組みなどで障害されやすい部位です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 障害神経 | 腓骨神経(総腓骨神経・深腓骨神経) |
| 障害部位の好発 | 腓骨頭のすぐ下(下腿外側の圧迫を受けやすい) |
| 麻痺する主な筋 | 前脛骨筋、長趾伸筋、長母趾伸筋(背屈筋群) |
| 結果として起こる肢位 | 足関節が底屈位に垂れる=下垂足 |
| 歩行への影響 | つま先が引っかかる → 膝を高く挙げる鶏歩 |
| その他の原因 | 長期臥床・不良肢位による足関節の拘縮(廃用性尖足) |
下垂足は肢位の異常、鶏歩はそれを代償するための歩行パターンです。両者はセットで覚えます。
神経学的診察では、足関節背屈のMMT低下と、下腿外側〜足背の感覚障害を併せて確認します。
国試で最も狙われるのが尖足と踵足の対比です。障害神経・足関節の肢位・歩き方がすべて反対になります。
| 尖足(せんそく) | 踵足(しょうそく) | |
|---|---|---|
| 障害神経 | 腓骨神経麻痺 | 脛骨神経麻痺 |
| 麻痺する筋 | 前脛骨筋など背屈筋群 | 後脛骨筋・長趾屈筋など底屈筋群 |
| 足関節の肢位 | 底屈位(背屈不能) | 強く背屈した状態 |
| 足先 | 垂れ下がる(下垂足) | 上を向いて上がる |
| 歩行 | 鶏歩(足を高く上げて歩く) | 踵を中心に歩く(踵足歩行) |
| キーワード | 下垂足+鶏歩 | 踵で歩く |
同じ「足の変形」でも、足の向きの異常(内反・外反)、アーチの異常(扁平足・凹足)、母趾の変形(外反母趾)は原因も所見も別物です。まとめて整理しておきます。
| 変形 | 特徴 | 歩行・所見のポイント |
|---|---|---|
| 内反足 | 足が内側へ向く | 足の外縁で歩行。外側にタコ・疲労が出やすい |
| 外反足 | 足が外側へ向く | 足の内縁で歩行。内側にタコ・疲労が出やすい |
| 扁平足 | 足の縦アーチが低下し土踏まずが消失 | 足底全体が接地。長時間の立位・歩行で疲れやすい |
| 凹足 | 縦アーチが過剰に高く土踏まずが深い | 踵と前足部のみ接地。衝撃を吸収しにくい |
| 外反母趾 | 母趾が外側へ偏位し第2趾方向へ曲がる | 女性に多い。先の細い靴・ハイヒールによる圧迫が誘因 |