線維素溶解(線溶)とは、一度できた血栓のフィブリン(線維素)を分解して溶かすしくみで、主役は酵素プラスミンです。血液中では不活性なプラスミノゲンとして存在し、プラスミノゲンアクチベーターによって活性化されてプラスミンになります。国試では「固めるのはフィブリン、溶かすのはプラスミン、止めるのはATⅢ+ヘパリン」という対比が繰り返し狙われます。
| 読み方 | せんいそようかい(線溶) |
|---|---|
| 定義 | 一度できた血栓(フィブリンのかたまり)を分解して溶かす機構 |
| 主役となる酵素 | プラスミン(前駆体はプラスミノゲン) |
| 分解される物質 | フィブリン(線維素) |
| 活性化因子 | プラスミノゲンアクチベーター(血管内皮細胞・尿・唾液・涙液などに存在) |
| はたらく時期 | 血管が修復された後にはたらき、血管閉塞を防ぐ |
| 関連薬物 | ウロキナーゼ(プラスミノゲンアクチベーターの一種・血栓溶解薬)/ヘパリン(抗凝固) |
| 凝固阻止物質 | アンチトロンビンⅢ(ATⅢ)=体内の抗凝固因子。ヘパリンがその作用を強力に増強 |
| 国試での狙われ方 | 線溶の主役=プラスミン、ウロキナーゼの分類、ATⅢとヘパリンの関係、月経血が固まりにくい理由 |
線維素溶解(線溶)は、一度できた血栓を溶かすためのしくみです。止血のために形成されたフィブリン(線維素)の網は、役目を終えたあと残しておくと血管を詰まらせてしまいます。そこで血管が修復された後に線溶がはたらき、血栓を分解・消失させます。
「固めた血栓を後で片付ける掃除屋がプラスミン」とイメージすると覚えやすいです。
プラスミンははじめから活性型で血液中を流れているわけではありません。血液中ではプラスミノゲン(不活性な前駆体)として存在し、プラスミノゲンアクチベーターによって活性化されてプラスミンになります。
プラスミノゲンアクチベーターは体のいろいろな場所に存在し、スライドでは血管内皮細胞・尿・唾液・涙液などが挙げられています。月経血が固まりにくいのも線溶作用によるもので、線溶作用により血液が固まりにくくなっています。
| 段階 | 物質 | 状態・はたらき |
|---|---|---|
| ① 血液中 | プラスミノゲン | 不活性な前駆体として存在 |
| ② 活性化 | プラスミノゲンアクチベーター | プラスミノゲンを活性化する(血管内皮細胞・尿・唾液・涙液などに存在) |
| ③ 活性型 | プラスミン | フィブリンを分解し血栓を溶かす |
| 薬物 | ウロキナーゼ | プラスミノゲンアクチベーターの一種。血栓症治療薬として使用される |
線溶が「できた血栓を溶かす」機構であるのに対し、凝固阻止物質は血液が固まりすぎるのを防ぐブレーキ役です。国試では線溶とセットで問われます。
| 物質 | 分類 | 作用・臨床 |
|---|---|---|
| アンチトロンビンⅢ(ATⅢ) | 体内の抗凝固因子 | トロンビンなどの凝固因子を不活化 |
| ヘパリン | 抗凝固薬 | ATⅢと結合しその作用を強力に増強/静脈血栓症・肺塞栓症の治療 |
| ウロキナーゼ | 血栓溶解薬(線溶系) | プラスミノゲンアクチベーターの一種として血栓を溶かす |
スライド④のまとめは、そのまま国試の頻出ポイントになっています。
キメの一言は「固めるのはフィブリン、溶かすのはプラスミン、止めるのはATⅢ+ヘパリン」です。