患者をみるときは身体症状だけでは不十分で、精神・心理状態や感情面も含めて全人的に理解することが求められます。心と身体は互いに影響し合う心身相関の関係にあり、心理的要因は自律神経系・内分泌系を介して身体機能に影響します。ICD-10では精神疾患が気分(感情)障害と神経症性障害・ストレス関連障害・身体表現性障害などに大きく分類されます。
| 読み方 | せいしんしっかんのぶんるい(あいしーでぃーてん) |
|---|---|
| 分野 | 臨床医学総論(精神・心理機能/患者の心理) |
| ICD-10とは | WHOによる国際疾病分類第10版。精神疾患を大分類ごとに整理した体系 |
| 主な大分類 | 気分(感情)障害/神経症性障害・ストレス関連障害・身体表現性障害 |
| 気分障害の代表 | 躁病エピソード、双極性感情障害、うつ病エピソード、反復性うつ病性障害、持続性気分障害 |
| 神経症性障害等の代表 | 恐怖症性不安障害、その他の不安障害、強迫性障害、重度ストレス反応、適応障害、解離性障害、身体表現性障害 |
| 主な症状(状態像) | 神経衰弱状態・心気状態・不安状態・抑うつ状態・強迫状態・離人状態・敏感状態・ヒステリー状態 |
| 背景要因 | 心理的な葛藤や不安。ストレスの蓄積→心身への影響→症状発現 |
| 心身相関の経路 | 心理的要因→自律神経系・内分泌系(ホルモン)→身体機能。逆に身体疾患→精神面へも影響 |
| 国試での要点 | 分類名と代表例をセットで覚える。心身相関は双方向であること |
病気の患者をみるとき、身体症状だけを見るのでは不十分です。患者を理解するには身体医学的な知識だけでなく、精神・心理状態や感情面も理解することが重要とされます。
ポイントは「身体だけでなく心もみる」「不安・感情・生活背景を理解する」「全人的に患者を理解する」の3点です。
心身相関とは、心と身体が互いに影響し合う関係のことです。心理的要因は自律神経系や内分泌系(ホルモン)を介して身体機能に影響します。逆に、身体の病気や不調が脳・こころを通じて精神面に影響することもあります。
典型的な悪循環の例が下表です。
| 段階 | 起こること |
|---|---|
| ① 心理的要因 | 恐怖・不安が生じる |
| ② 中枢 | 視床下部が刺激される |
| ③ 内分泌 | アドレナリン分泌が増える |
| ④ 身体反応 | 心拍数が上がる |
| ⑤ 悪循環 | 動悸を自覚し不安がさらに強くなる |
精神的原因によって起こる疾患には、さまざまな状態像がみられます。これらの症状の発現には心理的な葛藤や不安が関係していることが多いのが特徴です。
発現の流れは「心理的な葛藤 → 不安・ストレスの蓄積 → 心身への影響(ストレス反応) → さまざまな症状の発現」と整理できます。
ICD-10では、これらの疾患は主に気分(感情)障害と、神経症性障害・ストレス関連障害・身体表現性障害の大きく2群に整理されます。国試では分類名と代表例をセットで覚えることが大切です。
| 大分類 | 含まれる疾患(代表例) | 覚え方 |
|---|---|---|
| 気分(感情)障害 | 躁病エピソード/双極性感情障害/うつ病エピソード/反復性うつ病性障害/持続性気分障害/その他の気分障害/詳細不明の気分障害 | 気分の波 |
| 神経症性障害 | 恐怖症性不安障害/その他の不安障害/強迫性障害 | 不安・強迫(頭の中でくり返す) |
| ストレス関連障害 | 重度ストレス反応/適応障害/解離性障害 | 強いストレスや環境変化がきっかけ |
| 身体表現性障害 | 身体表現性障害 | 心の問題が身体症状に表れる |
一発暗記は「心が身体を動かし、身体も心を揺らす」関係です。