カウンセリングとは面接による治療のことで、とくに心身症では面接そのものが同時に治療的な意味をもちます。治療者が温かく受容的な態度で訴えをよく聴くことで共感的理解が生まれ、抑圧された感情エネルギーが発散されやすくなります。国試では内容の3本柱(保証・説得・再教育)と適応となる患者像がそのまま問われます。
| 読み方 | かうんせりんぐのてきおう |
|---|---|
| 分野 | 臨床医学総論(治療の基礎・心身医学) |
| 定義 | 面接による治療。心身症では面接そのものが治療的意味をもつ |
| 治療者の態度 | 温かい態度・思いやり・患者の訴えをよく聞く・受け容れる・受容的に接する |
| 主な内容 | ①保証 ②説得 ③再教育 |
| 治療機序 | 共感的理解 → 告白・発散 → 抑圧された感情の放出 → 精神的緊張の解放 |
| 適応 | 人格のゆがみが少ない/自我が強い/精神的葛藤が深刻すぎない患者 |
| 併用 | 薬物療法・運動療法など他の治療法と併用するとより良い治療効果 |
カウンセリングは、面接による治療と定義されます。話を聴く行為が、そのまま治療として働くのが特徴です。
「聴くことが治療になる」という点が、他の治療法との決定的な違いです。
治療者側の態度が、そのまま治療効果を左右します。以下の5つが基本です。
これにより患者に共感的な理解が生まれ、抑圧された感情のエネルギーが発散されやすくなります。キーワードは「温かさ・思いやり・傾聴・受容」の4つです。
| 態度 | 内容 | 得られる効果 |
|---|---|---|
| 温かい態度 | 威圧せず穏やかに接する | 話しやすい雰囲気ができる |
| 思いやり | 患者の苦痛に配慮する | 信頼関係の形成 |
| 傾聴 | 訴えをよく聞く | 訴えの全体像がつかめる |
| 受け容れる | 否定せず受けとめる | 共感的理解が生まれる |
| 受容的態度 | 評価・批判をしない | 感情エネルギーの発散が起こる |
カウンセリングは主に、①保証 ②説得 ③再教育の3つとして行われます。国試ではこの3語がセットで問われます。
説得・再教育は、患者が病気について持っている誤った考え方と不健康な生活様式を修正していく作業です。考え方を修正 → 生活習慣を改善 → 正しい理解 → より良い行動へ、という流れになります。
| 内容 | 具体的な行い | ねらい |
|---|---|---|
| 保証 | 身体的苦痛を聴く/必要な検査/病気の仕組みの説明 | 神経症的な不安を和らげ安心感を与える |
| 説得 | 相手の気持ちに寄り添い丁寧に伝える | 誤った考え方の修正 |
| 再教育 | 正しい知識・情報を学び直し理解を深める | 不健康な生活様式の修正 |
保証は3つの内容と2つの目的で覚えます。
「ただ大丈夫と言うこと」ではなく、検査と説明を伴う点が重要です。
患者が治療者に自由に話すことで、抑圧された感情が放出されます。これにより精神的緊張が解放され、心に余裕が生まれます。
この「告白・発散」は、受容的態度によって共感的理解が成立して初めて起こります。態度 → 共感 → 発散 → 緊張の解放、という因果の順序で押さえましょう。
この治療法は、次のような患者に適しています。
また、他の治療法(薬物療法・運動療法など)と併用すると、よりよい治療効果が得られます。逆に、人格のゆがみが大きい・自我が弱い・葛藤が深刻すぎる患者は、カウンセリング単独では適応になりにくいという裏返しの知識も重要です。
| 項目 | 適応となる条件 | 注意(適応しにくい) |
|---|---|---|
| 人格 | 人格のゆがみが少ない | 人格のゆがみが大きい |
| 自我 | 自我が強い | 自我が弱い |
| 葛藤 | 精神的葛藤が深刻すぎない | 葛藤が深刻すぎる |
| 治療方針 | 他の治療法と併用で効果アップ | カウンセリング単独に固執しない |
カウンセリングは、『よく聴いて、受け止めて、安心させて、考え方と生活を整える面接治療』とまとめられます。