精神保健とは、精神の健康を保ち、精神障害を予防・早期発見・治療・社会復帰を支援する活動です。国家試験ではDSM=アメリカ精神医学会(APA)/ICD=WHOの対比、精神保健福祉法(1995年)の目的と内容、そして3つの入院形態(任意入院・医療保護入院・措置入院)の同意者と決定者が繰り返し問われます。ここでは16枚のスライドの内容を、表と箇条書きで一気に整理します。
| 読み方 | せいしんほけん |
|---|---|
| 定義 | 精神の健康を保ち、精神障害を予防・早期発見・治療・社会復帰を支援する活動 |
| WHOの健康の定義 | 健康とは、単に病気や虚弱がないことではなく、身体的・精神的・社会的に良好な状態にあることをいう |
| 精神的健康の4要素 | 調和・一貫性がある/自分を正しく理解できる/社会性がある/倫理性がある |
| 根拠法 | 精神保健福祉法(1995年)=精神障害者の人権を守り、医療・福祉・社会復帰を支援する法律 |
| 診断基準 | DSM=アメリカ精神医学会(APA)/ICD=世界保健機関(WHO) |
| 入院形態 | 任意入院・医療保護入院・措置入院の3つ |
| 地域支援の中心 | 保健所・精神保健福祉センター |
| 国試での狙われ方 | DSMとICDの作成主体の入れ替え、入院形態の同意者・決定者の入れ替え、大量飲酒の基準値 |
精神保健は、精神の健康を保ち、精神障害を予防・早期発見・治療・社会復帰を支援する活動です。土台になるのがWHOの健康の定義です。
WHOの健康の定義:「健康とは、単に病気や虚弱がないことではなく、身体的・精神的・社会的に良好な状態にあることをいう。」
精神保健の目的は「予防」「早期発見」「治療」「社会復帰の支援」の4つです。
| 精神的健康の4要素(頻出) | 内容 |
|---|---|
| 調和・一貫性がある | 感情が安定している/冷静に判断できる。感情や行動にブレがなく、落ち着いて行動できる |
| 自分を正しく理解できる | 長所・短所を知っている/自分を客観視できる。自分に合った行動ができる |
| 社会性がある | 他人と協力できる/良好な人間関係を築ける。信頼関係を築きながら生活できる |
| 倫理性がある | 善悪の判断ができる/社会のルールを守る。ルールやマナーを守ることができる |
精神保健活動の目的は2つに整理されます。
支援者は医師・看護師・保健師・精神保健福祉士・心理職・家族・地域住民で、それぞれが連携・協力することが大切です。
精神障害は原因によって3つに分類されます。ここは分類の入れ替えが出題されやすい部分です。
| 分類 | 原因 | 代表疾患 |
|---|---|---|
| 内因性 | 生物学的・遺伝的な要因など、体の内部の要因 | 統合失調症、気分障害(躁うつ病) |
| 外因性 | 身体の病気や物質の影響など、外部の要因 | 認知症、アルコール依存、てんかん |
| 心因性 | 心理的なストレスや心の葛藤など、心の要因 | 神経症、適応障害 |
精神障害の診断や分類に使われる、代表的な2つの国際的基準です。作成主体の入れ替えが定番の引っかけなので、「DSM=アメリカ」「ICD=WHO」で丸暗記しましょう。
| 項目 | DSM | ICD |
|---|---|---|
| 正式名称 | Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders | International Classification of Diseases |
| 作成主体 | アメリカ精神医学会(APA) | 世界保健機関(WHO) |
| 内容 | 精神障害の診断基準や分類を詳しく定めている | 精神障害を含む、すべての病気や健康状態を分類している |
| 最新版(スライド表記) | DSM-5-TR | ICD-11 |
代表的な精神疾患は、キーワードで押さえると選択肢を切りやすくなります。
| 疾患 | 特徴・症状 | ひとこと説明 |
|---|---|---|
| 統合失調症 | 幻覚、妄想、思考障害、感情が乏しい | 現実との区別がつきにくくなる病気 |
| 気分障害(躁うつ病) | 躁状態=活動的・多弁・気分高揚/うつ状態=意欲低下・抑うつ・自殺念慮 | 躁状態とうつ状態を繰り返す病気 |
| てんかん | 意識消失、けいれん発作 | 脳の異常な電気の放電によって発作が起こる病気 |
| 知的障害 | 発達期から知的機能が低い、日常生活に支障 | 知的機能の発達に遅れがあり、日常生活や社会生活に支援が必要 |
| 適応障害 | ストレスが原因、不安、抑うつ、社会生活に支障 | 環境の変化や出来事にうまく適応できず、心や体に不調が現れる状態 |
| 認知症 | 代表=アルツハイマー型認知症・血管性認知症/症状=記憶障害・見当識障害・判断力低下 | 脳の病気などにより認知機能が低下し、日常生活に支障が出る状態 |
| アルコール依存 | 飲酒をやめられない、社会生活に支障 | アルコールをコントロールできなくなり、心や体、生活に問題が起こる状態 |
| 薬物依存 | 代表=覚醒剤・大麻・シンナー・LSD など | 薬物をやめたくてもやめられず、心や体、社会生活に深刻な影響を及ぼす状態 |
| 神経症 | 強い不安、恐怖、強迫など | 不安を中心とする心の反応 |
| 心身症 | ストレスが原因で身体症状が出る | 心のストレスが原因で心や体に症状が現れる状態 |
精神保健福祉法は、精神障害者の人権を守り、医療・福祉・社会復帰を支援することを目的とした法律です(スライド表記:1995年)。目的は「精神障害者の人権保護」「医療の提供と適正化」「福祉の充実」「社会復帰支援」、別スライドでは「人権保護」「社会復帰の促進」「地域生活の支援」の3本柱として整理されています。
また精神保健教育は、①偏見をなくす ②正しい知識を普及 ③早期受診 ④社会復帰を支援 の4つを目的とする活動です。
| 精神保健福祉法の主な内容(7項目) | 説明 |
|---|---|
| 精神保健福祉センターの設置 | 相談・指導・情報提供などを行う機関を設置する |
| 精神保健指定医制度 | 入院の必要性の判断や、診察・診断を行う指定医を定める |
| 精神科病院の設置 | 適切な基準のもとで、精神科病院の設置を認める |
| 必要時の入院制度 | 本人や他人に害を及ぼすおそれがある場合などに、入院を行うことができる |
| 医療費の公費負担 | 経済的な負担を軽減するため、医療費の一部を公費で負担する |
| 精神障害者保健福祉手帳の交付 | 障害の程度に応じて手帳を交付し、各種サービスを受けられる |
| 相談・指導・地域支援 | 専門職による相談や指導、地域での生活を支える支援を行う |
入院形態は最頻出です。「誰の同意か」「誰が決めるか」「指定医は何名か」で覚えます。通院医療の特徴として入院患者は減少・外来患者は増加という傾向も押さえましょう。
デイ・ケア(精神科デイ・ケア)は、日中の活動や支援を通して社会復帰を目指すプログラムです。目的は社会復帰・再発予防・対人関係改善、内容は集団療法・レクリエーション・作業療法・生活指導です。
地域での支援に使う社会資源:①保健所 ②精神保健福祉センター ③福祉事務所 ④医療機関 ⑤保護工場 ⑥作業所 ⑦患者会 ⑧グループホーム ⑨デイケア。目的は自立支援・社会参加・地域生活です。支援者は家族・学校・職場・地域・保健所・精神保健福祉センター・医療機関・福祉施設。
アルコール依存対策:原因は①飲酒量の増加 ②ストレス ③生活習慣。大量飲酒者の基準=純アルコール150mL以上/日(おおよその目安:ビール(5%)約500mL=中瓶1本、日本酒(15%)約1合=180mL、焼酎(25%)約100mL=0.5合、ワイン(12%)約2杯=200mL)。※女性や高齢者はこれより少ない量でも影響が出やすいため注意が必要。対策は①正しい飲酒教育 ②早期発見 ③治療 ④家族支援 ⑤精神保健福祉センターの活用。
| 入院形態 | 要件 | 決定・判断 |
|---|---|---|
| 任意入院 | 本人の同意による入院 | 本人同意 |
| 医療保護入院 | 本人の同意が困難 | 家族等の同意+指定医の判断 |
| 措置入院 | 自傷・他害のおそれ | 都道府県知事の決定、指定医2名の診察が必要 |