細胞小器官(さいぼうしょうきかん)とは、細胞質の中にあってそれぞれ決まった仕事を分担する構造のことです。国試では「どの小器官が何をするか」の対応関係がそのまま出題されます。ミトコンドリア=ATP産生/粗面小胞体+リボソーム=タンパク質合成/滑面小胞体=脂質合成・Ca2+貯蔵/ゴルジ装置=加工・分泌/リソソーム=分解の5点を「作る→加工する→分解する→動かすエネルギー」の流れで覚えるのが最短ルートです。
| 読み方 | さいぼうしょうきかん |
|---|---|
| 定義 | 細胞質内にあり、それぞれ固有の機能を分担する膜構造・構造体 |
| ミトコンドリア | ATP(エネルギー)を大量に産生する「細胞の発電所」。内膜がクリステを形成 |
| 粗面小胞体・リボソーム | リボソームが付着した小胞体。リボソームがmRNAをもとにタンパク質を合成し、輸送する |
| 滑面小胞体 | リボソームが付着していない小胞体。脂質の合成とCa2+(カルシウムイオン)の貯蔵 |
| ゴルジ装置 | タンパク質を濃縮・加工し、小胞に包んで細胞外へ分泌する |
| リソソーム | 加水分解酵素を含み、不要物質を分解処理する |
| 覚え方の流れ | 作る(小胞体+リボソーム)→加工する(ゴルジ装置)→分解する(リソソーム)→動かすエネルギー(ミトコンドリア) |
| 国試での狙われ方 | 「ATP産生はどれか」「Ca2+を貯蔵するのはどれか」「加水分解酵素を含むのはどれか」など小器官と機能の一対一対応 |
国試で問われるのは、ほぼ小器官名とはたらきの一対一対応です。下の表がそのまま得点源になります。
| 細胞小器官 | 主なはたらき | 特徴・キーワード |
|---|---|---|
| ミトコンドリア | ATP(エネルギー)を大量に産生 | 内膜がひだ状のクリステを形成/細胞活動のエネルギー源を供給/「細胞の発電所」 |
| リボソーム | タンパク質を合成 | mRNAの情報をもとにタンパク質をつくる |
| 粗面小胞体(RER) | タンパク質の合成・輸送 | 表面にリボソームが付着している |
| 滑面小胞体(SER) | 脂質の合成、Ca2+の貯蔵 | リボソームが付着していない |
| ゴルジ装置 | タンパク質の濃縮・加工、細胞外への分泌 | 小胞に包んで細胞外へ分泌する |
| リソソーム | 不要物質の分解処理 | 加水分解酵素を含む(分解のプロ) |
ミトコンドリアはATP(エネルギー)を大量に産生する細胞小器官で、「細胞の発電所」と呼ばれます。二重膜構造をとり、内膜がひだ状に折れ込んでクリステ(cristae)を形成している点が形態上の最大の特徴です。
国試頻出フレーズはただ一つ、「ミトコンドリア=ATP産生」です。「クリステをもつのはどれか」という形態からの問い方もあるので、内膜=クリステもセットで覚えます。
小胞体は表面のリボソームの有無で2種類に分かれ、はたらきがまったく違います。ここは粗面=タンパク質、滑面=脂質と対で覚えるのが鉄則です。
一発暗記フレーズは「粗面はタンパク質! 滑面は脂質!」。滑面小胞体のCa2+貯蔵は、筋の興奮収縮連関(筋小胞体)ともつながる重要ポイントです。
| 項目 | 粗面小胞体(RER) | 滑面小胞体(SER) |
|---|---|---|
| リボソームの付着 | 付着している | 付着していない |
| 主なはたらき | タンパク質の合成・輸送 | 脂質の合成、Ca2+の貯蔵 |
| 国試キーワード | 粗面=タンパク質 | 滑面=脂質・カルシウム |
小胞体でつくられたタンパク質は、次にゴルジ装置へ送られて仕上げられます。不要になったものはリソソームが片づけます。細胞の中の「工場」と「お掃除屋さん」のイメージです。
一発暗記は「ゴルジ装置=加工・分泌/リソソーム=分解」。「加水分解酵素を含む細胞小器官はどれか」という問いの答えはリソソームです。
| 小器官 | はたらき | 国試キーワード |
|---|---|---|
| ゴルジ装置 | タンパク質の濃縮・加工、小胞で細胞外へ分泌 | 加工・分泌 |
| リソソーム | 加水分解酵素で不要物質を分解 | 分解/加水分解酵素 |
バラバラに暗記すると混同しますが、細胞内の物質の流れに沿って並べると一気に定着します。
この4ステップで覚えると、選択肢の入れ替え問題(ゴルジ装置とリソソームの機能を逆にする引っかけなど)にも即答できます。