リンパ系は、毛細血管からしみ出た間質液のうち血管に戻りきれなかった分を回収し、最終的に静脈角付近で静脈へ戻すルートです。国試では4つの機能と「右上半身は右リンパ本幹、それ以外は胸管(左静脈角に注ぐ)」という流域の区分が最重要。あわせてリンパ節が免疫の関所として働く点も押さえましょう。
| 読み方 | りんぱけい |
|---|---|
| 分類 | 循環器系(血管系と並ぶ第二の循環路)/免疫系 |
| 構成 | 毛細リンパ管・集合リンパ管・リンパ節・輸出リンパ管・胸管/右リンパ本幹 |
| 主な機能 | ①過剰な間質液の吸収 ②異物の除去 ③過剰タンパク質の回収 ④脂肪の吸収(乳び) |
| リンパの正体 | 間質液がリンパ管に入ったもの。成分は間質液とほぼ同じで、タンパク質濃度は血漿より低い |
| 流れ | 毛細リンパ管→集合リンパ管→リンパ節→輸出リンパ管→胸管・右リンパ本幹→静脈(静脈角付近) |
| 輸送の駆動力 | 毛細リンパ管平滑筋の自発的収縮(1分間に2〜6回)+骨格筋収縮・呼吸運動・消化管運動・動脈拍動 |
| 逆流防止 | リンパ管には多数の弁があり一方向性に流れる |
毛細血管からは血漿成分の一部がしみ出して間質液になります。その一部は毛細血管へ再吸収されますが、戻りきれなかった分がリンパ管に入り「リンパ」となり、最終的に静脈へ戻ります。
つまりリンパ系は、組織に出た余分な水分・タンパク質を回収して血液に戻すルートです。
国試では「リンパ系の機能として誤っているものはどれか」という形で問われます。4つセットで覚えましょう。
| 役割 | 内容 | ポイント |
|---|---|---|
| ①過剰な間質液の吸収 | 組織中の余分な間質液をリンパ管が吸収し静脈へ戻す | 滞ると浮腫(リンパ浮腫) |
| ②異物を取り除く | 侵入した異物をリンパ節・リンパ球・マクロファージが捕捉し排除 | 生体防御・免疫 |
| ③過剰なタンパク質の回収 | 間質液中の過剰タンパク質を回収し血液に戻す | 膠質浸透圧のバランス維持 |
| ④脂肪の吸収(乳び) | 小腸で消化された脂肪をリンパ(乳び管)が吸収 | 脂肪を含むリンパは白く濁る=乳び |
リンパは間質液がリンパ管に入ったものなので、成分は間質液とほぼ同じです。ただし血漿と比べるとタンパク質濃度は低めという点が引っかけになります。
| 成分 | 血漿 | 間質液 | リンパ |
|---|---|---|---|
| 水 | 約90% | 約90% | 約90% |
| タンパク質 | 高い | 低め | さらに低め |
| 電解質 | ほぼ同じ | ほぼ同じ | ほぼ同じ |
| その他(糖・脂質・ホルモン等) | ほぼ同じ | ほぼ同じ | ほぼ同じ |
リンパは心臓のような強いポンプを持ちません。周囲の動きに助けられてゆっくり流れるのが特徴です。
輸送を助ける要因は次の5つです。
基本ルートは毛細リンパ管→集合リンパ管→リンパ節→輸出リンパ管→胸管・右リンパ本幹→静脈で、最終的に静脈角付近で静脈に戻ります。
| 区分 | 集まる本幹 | 注ぐ場所 |
|---|---|---|
| 右上半身(右頭頸部・右上肢・右胸部) | 右リンパ本幹 | 右静脈角 |
| それ以外の大部分(左上半身・下半身全体) | 胸管 | 左静脈角 |
リンパ節はリンパの通り道の途中にあるフィルター(免疫の関所)です。異物や病原体を捕らえ、きれいになったリンパが体へ戻ります。
リンパ球はリンパ節で作られ、とくに胸管内のリンパにはリンパ球が多いのがポイントです。