CO2の運搬とは、組織の代謝で生じた二酸化炭素を血液が肺まで運び、呼気として体外へ排出するしくみです。国試では約80%が重炭酸イオン(HCO3⁻)、約10%がヘモグロビン結合(カルバミノ化合物)、約10%が血漿に物理的に溶解という3つの運搬形態の割合が最頻出。さらにCO2は血液中でH⁺を増やす=酸性に傾くため、呼吸は酸塩基平衡の調節にも直結します。
| 読み方 | しーおーつーのうんぱん |
|---|---|
| 分類 | 呼吸生理(換気・ガス交換・血液ガス運搬) |
| 運搬形態① | 重炭酸イオン HCO3⁻ として運搬…約80%(主役) |
| 運搬形態② | ヘモグロビンのアミノ基と結合…約10% |
| 運搬形態③ | 血漿中に物理的に溶解…約10% |
| 赤血球内の反応式 | CO2+H2O ⇄ H2CO3 ⇄ H⁺+HCO3⁻(炭酸脱水酵素が関与) |
| 静脈血のCO2分圧 | 約46mmHg(動脈血は約40mmHg) |
| 呼気のCO2濃度 | 約4%(吸気は約0.04%=約100倍) |
| 酸塩基平衡との関係 | CO2貯留→呼吸性アシドーシス/CO2過剰排出→呼吸性アルカローシス |
組織で産生されたCO2は、血液中を3つの形で肺まで運ばれます。国試ではこの割合(10%・10%・80%)がそのまま問われます。
赤血球内の反応式は CO2+H2O ⇄ H2CO3 ⇄ H⁺+HCO3⁻。この反応を触媒するのが炭酸脱水酵素(カルボニックアンヒドラーゼ)です。
| 運搬形態 | 割合 | ポイント |
|---|---|---|
| 血漿中に溶解 | 約10% | 物理的に溶け込む |
| ヘモグロビンと結合 | 約10% | Hbのアミノ基と結合 |
| 重炭酸イオン(HCO3⁻) | 約80% | 赤血球内で生成・炭酸脱水酵素が関与 |
CO2と対にして問われるのがO2の運搬です。血液中のO2の多くはヘモグロビン(Hb)と結合して運ばれます。
数値では、動脈血のO2量は約20mL/dL、静脈血は約15mL/dLで、その差約5mL/dLが組織へ供給されています。
| 項目 | 値 |
|---|---|
| 動脈血のO2量 | 約20mL/dL |
| 静脈血のO2量 | 約15mL/dL |
| 組織への供給量(差) | 約5mL/dL |
ガスは必ず分圧の高い方から低い方へ拡散します。肺と組織で向きが逆になるだけで、原理は同じです。
肺でのガス交換の結果、静脈血(O2分圧約40mmHg/CO2分圧約46mmHg)は動脈血(O2分圧約95mmHg/CO2分圧約40mmHg)になります。
| 部位 | O2分圧 | CO2分圧 |
|---|---|---|
| 肺胞(肺胞気) | 約100mmHg | 約40mmHg |
| 静脈血(肺動脈血) | 約40mmHg | 約46mmHg |
| 動脈血(全身へ) | 約95mmHg | 約40mmHg |
体はO2を取り込み、CO2を排出しています。その結果、吸気と呼気ではガス組成が変化します。
| ガス | 吸気(乾燥空気) | 呼気 |
|---|---|---|
| O2 | 約21% | 約16% |
| CO2 | 約0.04% | 約4% |
| N2 | 約78% | 約79% |
CO2をどれだけ排出できるかは、実際にガス交換に使われる肺胞換気量で決まります。
重要なのは、同じ分時換気量8000mL/分でも、浅く速い呼吸(250mL×32回=肺胞換気量3200mL/分)より、深くゆっくりした呼吸(1000mL×8回=6800mL/分)の方が肺胞換気量は多いということ。死腔を引いて考えるのがポイントです。
| 呼吸様式 | 1回換気量×呼吸数 | 分時換気量 | 肺胞換気量 |
|---|---|---|---|
| 浅く速い呼吸 | 250mL×32回/分 | 8000mL/分 | (250−150)×32=3200mL/分 |
| 深くゆっくりした呼吸 | 1000mL×8回/分 | 8000mL/分 | (1000−150)×8=6800mL/分 |
CO2は血液中でH⁺を増やすため、たまると血液は酸性に傾きます。そのため呼吸には、CO2を排出して血液のpHを一定に保つ働きもあります。
覚え方は「CO2が増える=酸性(アシドーシス)/CO2が減る=アルカリ性(アルカローシス)」とセットで。
| 状態 | H⁺ | pHの傾き | 病態名 |
|---|---|---|---|
| CO2貯留(換気低下) | 増える | 酸性 | 呼吸性アシドーシス |
| CO2過剰排出(過換気) | 減る | アルカリ性 | 呼吸性アルカローシス |