体幹の体表リンパは、胸壁・腹壁・会陰・背部のどこから始まっても、最終的には腋窩リンパ節か鼠径リンパ節のどちらかに集まるのが大原則。臍(へそ)や第12胸椎あたりを境目として「上は腋窩、下は鼠径」と覚えると、国試の部位別リンパ流出問題を一気に解けるようになる。
| 読み方 | たいかんのりんぱ |
|---|---|
| 対象範囲 | 胸壁・乳房・腹壁・会陰・背部という体幹の体表〜体壁リンパの流れ |
| 胸壁(浅層)の流入先 | 腋窩リンパ節 |
| 胸壁(深層)の流入先 | 胸骨旁リンパ節・肋間リンパ節・横隔リンパ節→縦隔リンパ節→胸管 |
| 腹壁の分かれ目 | 臍(へそ)を境に上半分は腋窩リンパ節、下半分は鼠径リンパ節 |
| 会陰の分かれ目 | 浅層リンパは鼠径リンパ節、深層リンパは内腸骨リンパ節 |
| 背部の分かれ目 | 第12胸椎を目安に上半部は腋窩リンパ節、下半部は鼠径リンパ節 |
| 国試での狙われ方 | 乳がんの転移先=腋窩リンパ節、外陰部疾患の転移先=鼠径リンパ節など、部位×流入先の組合せが頻出 |
胸壁のリンパは浅層と深層で流入先が異なる。浅層リンパはまず腋窩リンパ節に集まり、乳房のリンパもここに流入するため、乳がんの転移先=腋窩リンパ節は国試の頻出組合せである。深層リンパは複数の中継リンパ節を経て、最終的に胸管という体幹最大のリンパ本幹に合流する。
| 区分 | 経路 |
|---|---|
| 浅層リンパ | 胸壁浅層 → 腋窩リンパ節 |
| 深層リンパ | 胸壁深層 → 胸骨旁リンパ節・肋間リンパ節・横隔リンパ節 |
| 深層の集約先 | 上記3つのリンパ節 → 縦隔リンパ節 → 胸管(リンパの最終ルート) |
| 乳房のリンパ | 乳房 → 腋窩リンパ節(乳がん転移で最重要) |
腹壁のリンパは臍(へそ)を境目にして流れる方向が変わる。臍より上は胸壁と同じく腋窩リンパ節へ、臍より下は下肢と同じく鼠径リンパ節へ向かう。さらに腹壁深層のリンパは、腰リンパ節を経て外腸骨リンパ節へと流れる経路もあわせて確認しておきたい。
| 部位 | 流入先 |
|---|---|
| 臍より上の腹壁 | 腋窩リンパ節 |
| 臍より下の腹壁 | 鼠径リンパ節 |
| 深層リンパの流れ | 腰リンパ節 → 外腸骨リンパ節 |
会陰(外陰部)のリンパも浅層と深層で行き先が異なる。浅層リンパは鼠径リンパ節へ、深層リンパは内腸骨リンパ節へ流入する。外陰部の疾患・悪性腫瘍はまず鼠径リンパ節に転移しやすいため、婦人科・泌尿器領域の問題でも問われるポイントである。
| 区分 | 流入先 |
|---|---|
| 浅層リンパ | 鼠径リンパ節 |
| 深層リンパ | 内腸骨リンパ節 |
背部のリンパも「上は腋窩、下は鼠径」の原則にしたがう。目安となる境目は第12胸椎で、肩甲間部・肩・頸部後面などの上半部のリンパは腋窩リンパ節へ、腰部・仙骨部・臀部などの下半部のリンパは鼠径リンパ節へ流入する。さらに体幹深部では、縦隔リンパ節(胸腔内)から腰リンパ節(腹腔内後壁)へという深層の流れも押さえておく。
| 部位 | 流入先 |
|---|---|
| 上半部(肩甲間部・肩・頸部後面など) | 腋窩リンパ節 |
| 下半部(腰部・仙骨部・臀部など) | 鼠径リンパ節 |
| 深層リンパの流れ | 縦隔リンパ節(胸腔内) → 腰リンパ節(腹腔内後壁) |
体幹のリンパは部位ごとに覚えるより、「上半身は腋窩、下半身は鼠径、会陰深部は内腸骨」という一つのルールでまとめて覚えるのが効率的。国試では部位と流入先リンパ節の組合せを問う問題が中心なので、下表で最終確認しておこう。
| 部位・区分 | 流入先リンパ節 |
|---|---|
| 胸壁浅層・乳房 | 腋窩リンパ節 |
| 胸壁深層 | 胸骨旁・肋間・横隔リンパ節 → 縦隔リンパ節 → 胸管 |
| 腹壁(臍より上) | 腋窩リンパ節 |
| 腹壁(臍より下) | 鼠径リンパ節 |
| 会陰浅層 | 鼠径リンパ節 |
| 会陰深層 | 内腸骨リンパ節 |
| 背部上半部 | 腋窩リンパ節 |
| 背部下半部 | 鼠径リンパ節 |
| 深層リンパ全般 | 縦隔リンパ節・腰リンパ節・外腸骨リンパ節を経由 |