リハビリテーションは身体・心理・生活・社会を総合的に支える医療であり、一人の職種だけでは支えきれないため多職種によるチームアプローチが基本となります。国家試験では各職種の役割の区別(PTとOTとSTの守備範囲)、時期別リハビリの内容、早期リハビリの効果が繰り返し問われます。
| 読み方 | りはびりてーしょんいがくとちーむあぷろーち |
|---|---|
| 定義 | 複数の専門職が協力し、共通の目標に向かって患者を支援する方式 |
| 共通の目標 | その人らしい生活の実現(自立した生活と社会参加) |
| 主な構成職種 | 医師・PT・OT・ST・看護師・MSW(ソーシャルワーカー)・義肢装具士・管理栄養士・薬剤師・教員・ボランティア |
| チームリーダー | リハビリ科医師など。カンファレンス進行、情報共有、治療方針の調整、目標設定と評価、チームの動機づけ |
| 時期別分類 | 予防的リハビリ/急性期リハビリ/回復期リハビリ/維持期(生活期)リハビリ |
| 基本プロセス | ①評価(アセスメント)→②ゴール設定→③治療プログラム作成・実施→④再評価→⑤退院・地域支援 |
| 国試での狙われ方 | 職種と業務内容の組合せ、早期リハビリの効果、急性期=廃用症候群予防、最終目標=社会参加と自立 |
チームアプローチとは、複数の専門職が協力し、共通の目標に向かって支援することです。共通の目標は「その人らしい生活の実現」に置かれます。
患者が抱える問題は一つではなく、以下のように多面的です。一人の職種だけでは十分な支援が難しいため、チームで連携して総合的に支援します。
チームリーダー(リハビリ科医師や専門職リーダー)は、カンファレンスの進行、情報共有、治療方針の調整、目標設定と評価、チームのモチベーション維持を担います。
職種と業務内容の組合せは国試頻出です。PT=歩行・運動機能、OT=日常生活動作(ADL)、ST=言語・コミュニケーション・嚥下という区別を確実に押さえましょう。
| 職種 | 主な役割 |
|---|---|
| ① 医師 | 診断・治療方針を決定する。リハビリ処方やチームリーダーを務めることが多い |
| ② PT(理学療法士) | 歩行や運動機能の改善を支援する(基本動作能力) |
| ③ OT(作業療法士) | 日常生活動作(食事・着替え・入浴など)を支援する(応用動作・社会適応) |
| ④ ST(言語聴覚士) | 言語やコミュニケーション、嚥下(飲み込み)機能の改善を支援する |
| ⑤ 看護師 | 全身の健康管理や医療処置、生活支援を行う |
| ⑥ ソーシャルワーカー(MSW) | 退院支援や福祉サービスの調整、経済的・心理的な相談に対応する |
| ⑦ 義肢装具士 | 義肢や装具の製作・調整を行い、自立した生活をサポートする |
| ⑧ 管理栄養士 | 栄養状態を評価し、食事の面から回復や健康を支える |
| ⑨ 薬剤師 | 薬の説明や管理、副作用の確認などを行う |
| ⑩ 教員(院内学級など) | 学習の継続や発達の支援を行い、子どもの成長をサポートする |
| ⑪ ボランティア | 患者の話し相手や活動のサポートなど、様々な支援を行う |
かつてリハビリは「治療後に行うもの」と考えられていましたが、現在は早期リハビリが重視されます。早期リハビリにより合併症の予防・ADLの改善・在院日数の短縮が期待できます。時間軸は「発症・治療 → 生活期・在宅生活へ」と進みます。
| 時期 | 内容 | 具体例 |
|---|---|---|
| ① 予防的リハビリ | 病気や合併症を予防するリハビリ | 生活習慣病の予防、転倒予防、体力の維持向上 |
| ② 急性期リハビリ | 発症直後から開始するリハビリ | 廃用症候群の予防、早期離床・早期回復、合併症の予防 |
| ③ 回復期リハビリ | 機能回復をはかるリハビリ | 身体機能の回復、ADLの改善、在宅復帰を目指す |
| ④ 維持期(生活期)リハビリ | 生活機能を維持するリハビリ | 生活機能の維持、再発・再入院の予防、社会参加の促進 |
リハビリは思いつきで行うものではなく、評価に始まり再評価で回る循環として進みます。順序を入れ替えた選択肢が国試の引っかけになります。定期的なカンファレンスで情報共有と方針調整を行うこと、患者本人や家族と協力することも重要です。
| 段階 | 内容 |
|---|---|
| ① 評価(アセスメント) | 身体機能、ADL、心理・社会的状況などを多面的に評価する |
| ② ゴール設定(目標設定) | 患者とチームで話し合い、具体的で達成可能な目標を設定する(歩いて退院する、トイレ動作の自立、仕事に復帰するなど) |
| ③ 治療プログラム作成・実施 | 目標に合わせた個別のリハビリプログラムを作成し実施する |
| ④ 再評価(経過評価) | 効果を確認し、問題点や課題を再評価する |
| ⑤ 退院・地域支援(フォローアップ) | 退院後の生活を支えるため、地域や関係機関と連携し継続的に支援する |
リハビリの最終目標は「社会参加」と「自立」です。機能回復だけでなく、その人らしい生活を支えることが現代リハビリの考え方です。
職業リハビリは 職業評価 → 職業訓練 → 就労支援 → 職業調整 の順にステップを踏みます。
| 職業リハビリの段階 | 内容 |
|---|---|
| 職業評価 | 能力や適性、課題を評価する |
| 職業訓練 | 必要なスキルや知識を身につける |
| 就労支援 | 就職活動や面接のサポートを行う |
| 職業調整 | 職場環境の調整や理解促進を図る |
切れ目のないサポートのために、4つの領域が連携します。
多職種と地域が連携してライフステージに応じた支援を継続することが、その人らしい生活の実現につながります。現代リハビリで大切にする視点は、①その人の価値観や希望を尊重する、②心も体も生活全体を支える、③本人と家族の思いに寄り添う、④自分らしく生きることを支援する、の4点です。