リハビリテーション医学とは、「障害があっても、その人らしく生活できるよう支援する医学」です。かつては治療が終わったあとに行うものとされていましたが、現在は治療と並行して早期から行う医療と位置づけられています。国試では医学の4分類、沿革(戦争・ポリオ)、障害の原因と種類、身体障害者数の構成比、専門職の役割が繰り返し問われます。
| 読み方 | りはびりてーしょんいがく |
|---|---|
| 定義 | 障害があってもその人らしく生活できるよう支援する医学 |
| 医学の4分類 | 保健医学・予防医学・治療医学・リハビリテーション医学 |
| 目的(3つの柱) | 自立生活の実現/社会復帰・社会参加/QOLの向上 |
| 対象 | 障害および障害者(先天性・外傷・疾病が原因) |
| 身体障害の種類 | 肢体不自由・視覚障害・聴覚言語障害・内部障害 |
| 主な専門職 | PT(理学療法士)・OT(作業療法士)・ST(言語聴覚士) |
| 国試での狙われ方 | 4分類の区別、沿革のきっかけ、障害種別の構成比・順位、内部障害に含まれる疾患 |
医学は目的によって大きく4つに分類されます。リハビリテーション医学はその第4の医学と呼ばれ、病気やけがを「治す」のではなく、障害をもったまま生活する力を支える点に特徴があります。
かつては「治療が終わったあとに行うもの」でしたが、現在は治療と並行して早期から実施するのが原則です。廃用症候群の予防という観点からも早期リハが重視されます。
| 分類 | 目的 | 具体例 |
|---|---|---|
| 保健医学 | 健康の維持・増進 | 健康診断、健康教育、生活指導 |
| 予防医学 | 病気の発生を予防し健康を守る | 予防接種、感染対策、生活習慣の改善 |
| 治療医学 | 病気やけがを治す | 薬物療法、手術療法、検査・診断 |
| リハビリテーション医学 | 障害があってもその人らしく生活できるよう支援 | 機能回復、能力の維持・向上、社会参加・自立支援 |
リハビリテーションの発展は比較的新しく、戦争と感染症の流行が大きな転機となりました。とくに二度の世界大戦による戦傷者と、20世紀前半のポリオ(小児まひ)大流行が、医学的リハビリテーションを急速に発展させました。
| 時期 | 出来事 | リハビリへの影響 |
|---|---|---|
| 18世紀頃~ | 視覚障害者教育の開始(ルイ・ブライユの点字考案=1820年代) | 障害のある人への教育が始まる |
| 第一次世界大戦(1914〜1918) | 負傷兵の増加 | 社会復帰のためリハの考え方が広まる |
| 20世紀前半 | ポリオ(小児まひ)の大流行 | 運動機能の回復・生活支援が重要に |
| 第二次世界大戦(1939〜1945) | 戦傷者の大量発生 | 専門施設・施策が整備され医学的リハが急速に発展 |
| 戦後〜現代 | 医療・福祉・教育の連携 | 社会全体で支える重要な医療へ |
以前は「機能の回復」が中心でしたが、現在の目標は「その人らしい生活の実現」です。次の3本柱で押さえます。
「元の状態に戻すこと」だけがゴールではない、という視点の転換が国試の頻出ポイントです。
リハビリテーションの対象は「障害」や「障害者」です。障害は先天性・外傷・疾病といったさまざまな原因で生じます。
身体障害は代表的に4種類に分けられます。内部障害には心疾患(心不全・心筋梗塞)、呼吸器疾患(COPD・ぜんそく)、腎疾患(慢性腎不全)などが含まれる点に注意しましょう。
| 身体障害の種類 | 内容 | 代表例 |
|---|---|---|
| 肢体不自由 | 手足や体幹の運動機能に障害がある状態 | 脳卒中後の片麻痺、脊髄損傷、切断 |
| 視覚障害 | 目が見えにくい、または見えない状態 | 失明、弱視 |
| 聴覚・言語障害 | 耳が聞こえにくい、言葉の理解や発語に障害がある状態 | 難聴、失語症、構音障害 |
| 内部障害 | 体の内部の機能に障害がある状態 | 心疾患、呼吸器疾患、腎疾患など |
在宅の身体障害者数は年々増加しており、昭和26年の51.2万人から平成23年には386.4万人(約7.5倍)になりました。国試では肢体不自由が最多、次いで内部障害という順位と、高齢者の割合の高さが狙われます。
年齢では70歳以上が約6割以上を占め、60歳以上の増加がとくに顕著です。2つ以上の障害をもつ重複障害も約4.6%と増加しています。
| 障害の種類(平成23年) | 人数 | 構成比 |
|---|---|---|
| 肢体不自由 | 170.9万人 | 44.2%(最多) |
| 内部障害 | 58.5万人 | 15.1%(第2位) |
| 聴覚・言語障害 | 32.4万人 | 8.4% |
| 視覚障害 | 31.6万人 | 8.2% |
| 総数 | 386.4万人 | 100% |
リハビリテーション医学は基礎医学・臨床医学・専門職・福祉/工学/装具/社会制度に支えられる総合的な医学です。多職種が連携するチーム医療である点が最大の特徴です。
主な原因疾患は脳血管障害(脳卒中など)が最多で約18.8%、次いで骨関節疾患(変形性関節症など)約10.2%、脊髄損傷約4.3%と続きます。
| 職種 | 略称 | 主な役割 |
|---|---|---|
| 理学療法士 | PT | 運動療法や物理療法で体の機能回復を支援 |
| 作業療法士 | OT | 日常生活や作業活動の回復を支援 |
| 言語聴覚士 | ST | 話す・聞く・食べるなどの機能回復を支援 |
| 医師・看護師 | — | 医学的管理と全身状態の把握 |
| ソーシャルワーカー | MSW | 社会復帰・制度利用の調整 |
| 介護職・心理士 | — | 生活支援・心のサポート |