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五要穴(背部兪穴・募穴・原穴・絡穴・郄穴)の成立と歴史・国試ポイントごようけつ(はいぶゆけつ・ぼけつ・げんけつ・らっけつ・げきけつ)

このページは、絡穴を含む五要穴(背部兪穴・募穴・原穴・絡穴・郄穴)が「どう成立し、どう変わってきたか」という歴史・成立過程の切り口を担当します(各要穴の一覧暗記や井穴そのものは別ページ)。五要穴は名称・配当・位置・主治のいずれもが時代とともに変遷してきた分類で、『霊枢』→『難経』→『甲乙経』→現代という流れをたどると理解が一気に進みます。とくに絡穴は十五絡穴から十六大絡・表裏原絡配穴法へ発展し、今も臨床で使われる要穴です。

五要穴(背部兪穴・募穴・原穴・絡穴・郄穴)|五要穴(背部兪穴・募穴・原穴・絡穴・郄穴) 1
読み方ごようけつ(背部兪穴=はいぶゆけつ/募穴=ぼけつ/原穴=げんけつ/絡穴=らっけつ/郄穴=げきけつ)
定義経穴学の基本分類の一つ。背部兪穴・募穴・原穴・絡穴・郄穴の5種をまとめて五要穴という
絡穴とは別脈(絡脈)をつなぐ重要穴。経脈同士を連絡する。『霊枢』から発展した十五絡穴が中心
絡穴の代表例(スライド記載)列欠・内関・通里・公孫・大包・光明・豊隆・長強
原穴の初出(『霊枢』の七穴)太淵・大陵・大衝・太白・太渓・鳩尾・気海(+陽経の六穴が起点)
背部兪穴(『霊枢』)肺兪・心兪・膈兪・肝兪・脾兪・腎兪。胸中大腧(大杼)を含む古典的な背部の要穴
募穴五臓五腑の気が集まる前面の穴。『脈経』『甲乙経』で名称と部位が明確に。三焦募=石門、心包募=膻中
郄穴「すき間」「深く入る所」の意。経気が深く集まる部位。『甲乙経』で17穴→後世は府舎を除く16穴説
位置の基準WHO標準経穴では大椎=第七頸椎。大椎や第一椎を基準に位置づけるが、時代により解釈に異説があった
国試での狙われ方五要穴の名称列挙/初出文献(霊枢・難経・甲乙経・素問・類経図翼・鍼灸大全・医宗金鑑)/原穴七穴/十五絡穴と十六大絡/郄穴17穴と16穴説/三焦募=石門・心包募=膻中/陰経の郄穴=血証・陽経の郄穴=痛み腫れ

五要穴とは — 経穴学の基本分類

五要穴は背部兪穴・募穴・原穴・絡穴・郄穴の5つを指す、経穴学の基本分類です。それぞれ成立過程・古典での位置づけ・主治の考え方が異なり、単なる暗記ではなく歴史と一緒に学ぶことで整理できます。名称・配当・位置・主治はいずれも時代とともに変遷しました。

大きな流れは 『霊枢』→『難経』→『甲乙経』→現代 です。

要穴一言でいうと主に関わる古典
背部兪穴背部の代表穴群。臓腑の働きを整える『霊枢』
募穴五臓五腑の気が集まる前面の穴『脈経』『甲乙経』
原穴原気と関わる重要穴『霊枢』(七穴)→後世に六臓六腑へ再整理
絡穴別脈(絡脈)をつなぐ穴。経脈同士を連絡『霊枢』→十五絡穴→十六大絡
郄穴経気が深く集まる「すき間」の穴『甲乙経』(17穴)→後世16穴説
五要穴=背部兪穴・募穴・原穴・絡穴・郄穴。経穴学の基本分類
五要穴=背部兪穴・募穴・原穴・絡穴・郄穴。経穴学の基本分類

絡穴 — 別脈をつなぐ重要穴(十五絡穴から十六大絡へ)

絡穴は別脈(絡脈)をつなぐ重要穴で、経脈同士を連絡します。『霊枢』から発展した十五絡穴が中心概念です。

その後、『素問』では虚里が重視され、『類経図翼』では十六大絡、『鍼灸大全』『医宗金鑑』を経て表裏原絡配穴法へと広がりました。表裏原絡配穴法は、表裏関係にある経の原穴と絡穴を組み合わせる方法で、スライドでは肺経の列欠と大腸経の偏歴が例示されています。絡穴は今も臨床で重要です。

スライドに挙げられた絡穴備考
列欠肺経(表裏原絡配穴法の例で大腸経・偏歴と対で図示)
内関十五絡穴の一つとして図示
通里十五絡穴の一つとして図示
公孫十五絡穴の一つとして図示
大包十五絡穴の一つとして図示(脾の大絡)
光明十五絡穴の一つとして図示
豊隆十五絡穴の一つとして図示
長強十五絡穴の一つとして図示
偏歴大腸経。表裏原絡配穴法の図で列欠と対に示される
『霊枢』から発展した十五絡穴。絡穴は経脈同士をつなぐ
『霊枢』から発展した十五絡穴。絡穴は経脈同士をつなぐ

背部兪穴と募穴 — 背面と前面の要穴

背部兪穴は『霊枢』にみられる背部の代表穴群で、肺兪・心兪・膈兪・肝兪・脾兪・腎兪が挙げられ、胸中大腧(大杼)を含む古典的な背部の要穴とされます。位置は大椎や第一椎を基準に決められ、WHO標準経穴では大椎=第七頸椎ですが、時代によって解釈に異説がありました。

募穴五臓五腑の気が集まる前面の穴で、『脈経』や『甲乙経』で名称と部位が明確になりました。三焦募=石門心包募=膻中は頻出です。

穴名スライドの説明
肺兪肺の働きを整える
心兪心の働きを整える
膈兪胸郭・気機を調整
肝兪肝の働きを整える
脾兪脾の働きを整える
腎兪腎の働きを整える
石門三焦募
膻中心包募
WHO標準経穴では大椎=第七頸椎。位置の理解は古典と現代基準の両方が大切
WHO標準経穴では大椎=第七頸椎。位置の理解は古典と現代基準の両方が大切

原穴 — 原気と関わる重要穴

原穴は原気と関わる重要穴です。『霊枢』にみられる七穴と陽経の六穴が起点となり、後世に六臓六腑の原穴として再整理されました。

『霊枢』の七穴は太淵・大陵・大衝・太白・太渓・鳩尾・気海です(スライド記載どおり)。四肢の五穴に加えて、体幹の鳩尾・気海が含まれている点が特徴で、ここが国試の引っかけどころになります。

『霊枢』の原穴七穴部位のイメージ(スライド図)
太淵手(手関節部)
大陵手(手関節部)
大衝足(足背)
太白足(足内側)
太渓足(内果後方)
鳩尾腹部(上腹)
気海腹部(下腹)
『霊枢』の原穴七穴+陽経の六穴が起点。後世に六臓六腑の原穴へ再整理
『霊枢』の原穴七穴+陽経の六穴が起点。後世に六臓六腑の原穴へ再整理

郄穴 — 経気が深く集まる穴と急性病

郄(げき)は「すき間」「深く入る所」の意味で、関節のすき間・深部の組織・気が集まる場所を指します。経気が深く集まる部位です(「郄」は「郤」の俗字)。

数は『甲乙経』で17穴が示され、後世は府舎を除く16穴説が広まりました。スライドに挙がる穴名は孔最・郄門・陰郄・温溜・梁丘・外丘・金門など。

近代以降は急性病との関係が強調され、痛み・腫れ・血証に活用されます。陰経の郄穴→血証(出血・瘀血など血に関わる急性症状)、陽経の郄穴→痛み・腫れ(外邪による急性症状)という対応が要点。配穴法としては募郄配穴法(募穴と郄穴の組み合わせ)と郄会配穴法(郄穴と郄穴の組み合わせ)があり、近代鍼灸の大家沢田健先生が郄穴の急性病への応用を重視し臨床で活用しました。

区分対応する症状内容
陰経の郄穴血証出血・瘀血など血に関わる急性症状に活用
陽経の郄穴痛み・腫れ急な痛みや腫れなど外邪による急性症状に活用
募郄配穴法募穴と郄穴を組み合わせ、急性病に効果を発揮
郄会配穴法郄穴と郄穴を組み合わせ、強い効果を引き出す
郄穴は急性病(痛み・腫れ・血証)に活用。陰経=血証、陽経=痛み腫れ
郄穴は急性病(痛み・腫れ・血証)に活用。陰経=血証、陽経=痛み腫れ

古典の流れで整理する(初出と変遷)

五要穴はどの古典に何が出てくるかが問われます。文献名と内容の対応をまとめます。

文献キーワード
霊枢背部兪穴(肺兪・心兪・膈兪・肝兪・脾兪・腎兪、胸中大腧=大杼)、原穴七穴、十五絡穴の源流
難経五要穴の整理
甲乙経募穴の名称・部位が明確化/郄穴17穴
脈経募穴の名称・部位が明確化
素問虚里が重視
類経図翼十六大絡
鍼灸大全・医宗金鑑表裏原絡配穴法へ発展
現代(WHO標準経穴)大椎=第七頸椎などの位置基準
絡穴は十六大絡・原絡配穴法へ発展。肺経・列欠と大腸経・偏歴の表裏原絡配穴法
絡穴は十六大絡・原絡配穴法へ発展。肺経・列欠と大腸経・偏歴の表裏原絡配穴法
国試ポイント
① 五要穴=背部兪穴・募穴・原穴・絡穴・郄穴。名称・配当・位置・主治はいずれも時代とともに変遷した。
② 絡穴は別脈(絡脈)をつなぐ穴で経脈同士を連絡する。『霊枢』の十五絡穴が中心→『類経図翼』の十六大絡→表裏原絡配穴法へ発展。
③ 『霊枢』の原穴は七穴=太淵・大陵・大衝・太白・太渓・鳩尾・気海。鳩尾・気海が入るのが引っかけポイント。後世に六臓六腑の原穴として再整理された。
④ 募穴は『脈経』『甲乙経』で名称と部位が明確に。三焦募=石門、心包募=膻中。
⑤ 郄穴は『甲乙経』で17穴、後世は府舎を除く16穴説。孔最・郄門・陰郄・温溜・梁丘・外丘・金門など。
⑥ 陰経の郄穴は血証(出血・瘀血)、陽経の郄穴は痛み・腫れに用いる。募郄配穴法・郄会配穴法、沢田健が急性病への応用を重視。
・ 背部兪穴は『霊枢』の肺兪・心兪・膈兪・肝兪・脾兪・腎兪と胸中大腧(大杼)。WHO標準経穴では大椎=第七頸椎。
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