ホーム ›
国試辞書 ›
臨床医学各論 ›
ポリオ(急性灰白髄炎)
ポリオ(急性灰白髄炎)の病態・症状・診断・治療ぽりお(きゅうせいかいはくずいえん)
ポリオ(急性灰白髄炎)は、ポリオウイルスが脊髄前角細胞を破壊 することで起こる急性弛緩性麻痺の代表疾患です。感染しても90〜95%は不顕性感染 で、麻痺を残す例は1%未満ですが、下肢優位の弛緩性麻痺・腱反射の減弱/消失・知覚障害を伴わない ことが国試の鍵になります。
読み方 ぽりお(きゅうせいかいはくずいえん)
分類 ポリオウイルス(エンテロウイルス)による感染症・急性弛緩性麻痺
感染経路 接触感染(糞口感染)が中心
障害部位 脊髄前角細胞(運動ニューロン)
好発・分布 主に下肢の弛緩性麻痺
主な症状 初期はかぜ様症状→急性弛緩性麻痺・腱反射減弱/消失(知覚障害なし)
検査・診断 急性期の糞便・髄液からのウイルス分離、MRIで脊髄前角炎を確認
治療 対症療法が中心(安静臥床・早期リハビリ、重症時は気管内挿管・人工呼吸)
ポリオ(急性灰白髄炎)とは
ポリオ(急性灰白髄炎)は、ポリオウイルスの感染によって起こる急性弛緩性麻痺 を特徴とする感染症です。ウイルスが脊髄前角細胞(運動ニューロン)を破壊するため、その支配筋に力が入らなくなります。
原因はポリオウイルス (エンテロウイルスの一種) ほかのエンテロウイルスでも似た麻痺を起こすことがある 障害されるのは脊髄前角 =灰白質の前方部分。ここに炎症が起こるため「急性灰白髄炎」と呼ばれる
ポリオはポリオウイルス感染による急性弛緩性麻痺
感染しても多くは無症状(不顕性感染)
ポリオは感染しても症状が出ないことが多いのが特徴です。
感染者の90〜95%は不顕性感染 で、はっきりした症状が出ない 麻痺を起こすのは1%未満 と発症頻度は高くないそれでも一度麻痺すると後遺症を残しうる、重要な感染症
感染者の90〜95%は不顕性感染で無症状のことが多い
感染経路と病態
感染経路は接触感染(手や物などを介した糞口感染) が中心です。侵入したウイルスが体内で増殖し、最終的に脊髄前角細胞を破壊します。
接触(手や物など)でウイルスが付着 体内に侵入して増殖 脊髄前角細胞を破壊 し、運動麻痺を引き起こす
接触感染→体内侵入→脊髄前角細胞の破壊という流れ
症状の経過と特徴
症状は初期のかぜ様症状から始まり、一部が麻痺へ進みます。麻痺の性質を正確に押さえることが国試対策の中心です。
初期はかぜ様症状 :発熱・咽頭痛・胃痛(腹部症状)などその後1週間以内に筋肉痛や麻痺へ移行 することがある 麻痺は主に下肢に起こる弛緩性麻痺 麻痺した肢の腱反射は減弱または消失 (下位運動ニューロン障害の所見) 知覚障害は伴わない :運動麻痺が主体で、感覚障害や認識力低下は目立たない
運動麻痺が主体で知覚障害・認識力低下は伴わない
重症例の注意点・診断・治療
重症化すると呼吸障害をきたし命にかかわることがあり、診断と対症療法が重要です。
重症例では呼吸障害に注意 :呼吸筋の低下や麻痺で呼吸機能が低下し、命にかかわることもある診断は急性期の糞便・髄液からのウイルス分離 、MRIで脊髄前角炎 を確認 治療は対症療法が中心 :安静臥床・早期リハビリ、重症時は気管内挿管や人工呼吸 早期リハビリを行っても約半数で麻痺が残る
糞便・髄液からのウイルス分離とMRIで脊髄前角炎を確認
国試ポイント
① 原因はポリオウイルス(エンテロウイルス)で、脊髄前角細胞を破壊し急性弛緩性麻痺を起こす
② 感染者の90〜95%は不顕性感染、麻痺型は1%未満
③ 感染経路は接触感染(糞口感染)が中心
④ 麻痺は主に下肢の弛緩性麻痺で、腱反射は減弱または消失
⑤ 運動麻痺が主体で知覚障害(感覚障害)は伴わない
⑥ 診断は糞便・髄液からのウイルス分離・MRI、治療は対症療法中心で重症例は呼吸管理が必要
📖 ポリオ(急性灰白髄炎)をスライドで学ぶ(国試辞書)
図解スライドでサクッと復習