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後縦靱帯骨化症
後縦靱帯骨化症(OPLL)の病態・好発・症状・診断・治療こうじゅうじんたいこっかしょう
後縦靱帯骨化症(OPLL)は、椎体の後方を縦走する後縦靱帯が骨化して脊柱管内に張り出し、脊髄や神経根を圧迫する 疾患です。50歳以上の男性・日本を含む東アジアに多く 、手足のしびれや痙性麻痺など多彩な神経症状を呈しますが、骨化があっても圧迫が軽ければ無症状のことも少なくありません。
読み方 こうじゅうじんたいこっかしょう(OPLL:Ossification of the Posterior Longitudinal Ligament)
分類 脊椎靱帯骨化症の一つ(運動器・脊椎疾患)
好発年齢・性 50歳以上/男性に多い(頸椎は男性、胸椎は女性に多い)
好発地域 日本を中心に東南アジア(東アジア)に多く、白人には少ない
主な症状 手足のしびれ・感覚障害、痙性麻痺、脱力、歩行障害(脊髄圧迫による神経症状)。無症状のことも多い
合併しやすい 前縦靱帯・黄色靱帯骨化などの他部位靱帯骨化、耐糖能異常、Ca代謝異常、家族内発症
検査・診断 X線・CT・MRI。CTで椎体後方のバンド状石灰化、脊柱管狭窄率40%超で脊髄障害リスク上昇
治療 保存療法(頸椎カラー・牽引)、手術療法(前方固定術・後方椎弓形成術=除圧術)、後療法(リハビリ)
後縦靱帯骨化症(OPLL)とは
後縦靱帯骨化症(OPLL)は、椎体の後方(脊柱管の前壁)を縦走する後縦靱帯が骨化して肥厚し、脊柱管内に張り出す ことで、その後ろにある脊髄や神経根を圧迫する 疾患です。骨化は主に頸椎に生じますが、胸椎・腰椎にも起こります。
後縦靱帯が骨に変わる(骨化)→ 脊柱管が狭くなる 骨化した靱帯が脊髄・神経を圧迫 → 神経症状が出現 骨化そのものは珍しくなく、小さな骨化なら無症状のことが多い 骨化が大きくなり脊髄を圧迫して症状が出た状態が、臨床上のOPLL 脊椎の靱帯骨化症には、後縦靱帯骨化のほか前縦靱帯骨化・黄色靱帯骨化があり、OPLLはその代表です。
後縦靱帯が骨化し、脊髄や神経を圧迫する(OPLLの概念)
好発(年齢・性別・地域)
OPLLには特徴的な疫学があり、国試でも狙われます。
年齢:50歳以上 の中高年に好発性別:男性に多い (ただし頸椎は男性、胸椎は女性に多いという部位差がある)地域・人種:日本を中心とした東アジア・東南アジアに多く、白人では少ない
項目 特徴
好発年齢 50歳以上の中高年
性別 男性に多い(頸椎=男性、胸椎=女性)
地域・人種 日本・東南アジアに多い/白人に少ない
50歳以上・男性に好発。頸椎は男性、胸椎は女性に多い
成因と合併しやすい病態
OPLLの正確な原因は未解明 ですが、複数の要因が関与すると考えられています。
遺伝的要因 :家族内発症の報告があり、遺伝の関与が示唆される代謝異常 :カルシウム・リン代謝や骨形成に関わる異常の関与耐糖能異常(糖尿病傾向) :血糖が上がりやすい人に合併しやすいまた、他部位の靱帯骨化を合併しやすいのも特徴です。前縦靱帯骨化・黄色靱帯骨化など、複数の脊椎靱帯骨化がみられることがあります。
他の靱帯骨化(前縦靱帯・黄色靱帯) 耐糖能異常、Ca代謝異常 家族内発症の傾向
他の靱帯骨化・耐糖能異常・Ca代謝異常を合併しやすい
症状
OPLL自体は骨化そのものではなく、骨化による脊髄・神経の圧迫で生じる神経症状 が問題となります。脊髄圧迫がなければ無症状 のこともあります。
手や体幹のしびれ・感覚障害 痙性麻痺 (脚が動かしにくい、突っ張る)・脱力感歩行障害 (歩きにくい=脊髄症状)症状は脊髄圧迫による多彩な神経症状として現れる
脊髄圧迫による、しびれ・痙性麻痺など多彩な神経症状
診断(画像検査)
診断は画像検査を組み合わせて行います。それぞれの検査で見るポイントが異なります。
X線 :骨の配列や不安定性をチェックCT :骨の形や石灰化(骨化)の有無を詳しく確認。椎体後方1〜2mmの範囲にバンド状の石灰化がみられるMRI :脊髄や神経の圧迫の程度を評価脊柱管狭窄率が40%を超えると脊髄機能障害のリスクが上昇 する点も要注意です。
検査 主に評価する内容
X線 骨の配列・不安定性
CT 骨の形・石灰化(骨化)の有無、バンド状石灰化
MRI 脊髄・神経の圧迫の程度
X線・CT・MRIで評価。狭窄率40%超で脊髄障害リスク上昇
治療(無症状の対応・保存療法・手術)
治療は症状・重症度に合わせて選択します。
無症状の場合 は経過観察+生活指導が基本です。
年1回程度のX線検査で経過確認 激しい頸部の動き(急なひねり・反らし)を避ける 重い荷物を持ち上げない(首への負担を減らす) 軽い外傷後も慎重に。自覚症状がなくても定期チェックを続ける 有症状の場合 は保存療法・手術・後療法を行います。
保存療法(軽症〜中等症) :頸椎カラー、牽引療法で痛み・しびれをやわらげ悪化を防ぐ手術療法(中等症〜重症) :前方固定術、後方椎弓形成術(除圧術)で神経の圧迫を取り除く後療法(リハビリ) :頸椎の可動域訓練・頸部筋トレーニングで再発予防と機能回復
症状・重症度に応じて保存療法・手術療法・後療法を選択
国試ポイント
① 後縦靱帯が骨化し脊柱管内に張り出して脊髄・神経を圧迫する疾患(OPLL)。好発部位は頸椎
② 好発は50歳以上・男性。日本を中心とした東アジアに多く白人に少ない(頸椎は男性、胸椎は女性)
③ 原因は未解明。遺伝・カルシウム/リン代謝異常・耐糖能異常が関与し、他の靱帯骨化を合併しやすい
④ 症状は脊髄圧迫による神経症状(手足のしびれ・痙性麻痺・歩行障害)。圧迫がなければ無症状のことも多い
⑤ 診断はX線・CT・MRI。CTでバンド状石灰化を確認。脊柱管狭窄率40%超で脊髄障害リスク上昇
⑥ 治療は保存療法(頸椎カラー・牽引)と手術(前方固定術・後方椎弓形成術=除圧術)。無症状は経過観察+生活指導
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