腎臓は尿をつくって老廃物を排泄し、水分・電解質バランスを保っています。尿検査は腎・尿路系の最も基本的なスクリーニング検査で、腎炎・糖尿病・ネフローゼ症候群・尿路感染などの発見に役立ちます。ここでは尿量・色調・比重・pH・尿糖・ビリルビン・ウロビリン体・ケトン体・尿沈渣という国試頻出項目を、基準値と陽性所見でまとめて整理します。
| 読み方 | にょうけんさ |
|---|---|
| 分類 | 臨床検査(一般検査/腎・尿路系のスクリーニング) |
| 目的・意義 | 腎・尿路疾患、糖尿病、肝胆道疾患などの発見と経過観察 |
| 主な検査項目 | 尿量・色調・混濁・比重・pH・尿蛋白・尿糖・ビリルビン・ウロビリン体・ケトン体・尿沈渣 |
| 1日尿量の基準 | 約1,400〜1,600mL/日 |
| 尿比重の基準 | 1.012〜1.025 |
| 尿pHの基準 | 約6.0前後(5.1〜7.4) |
| 正常な新鮮尿の性状 | 淡黄色・透明・混濁なし |
| 尿沈渣でみるもの | 赤血球・白血球・上皮細胞・円柱・細菌 |
腎臓は血液をろ過して尿を作り、老廃物を排泄するとともに、体内の水分・電解質バランスを保つ働きをもちます。その尿を調べるのが尿検査で、腎・尿路系の基本検査と位置づけられます。
健康者の1日尿量は約1,400〜1,600mL。量の異常は腎機能や内分泌疾患を強く示唆します。正常な新鮮尿は淡黄色・透明・混濁なしで、混濁尿では腎・尿路系の炎症が疑われます。
| 区分 | 定義(1日尿量) | 主な原因・疾患 |
|---|---|---|
| 正常 | 約1,400〜1,600mL | — |
| 乏尿 | 400mL以下 | 急性腎炎、急性腎不全、慢性腎不全末期 |
| 無尿 | 100mL以下 | 急性腎不全など(重症) |
| 多尿 | 2,000mL以上 | 尿崩症、糖尿病、腎不全回復期 |
尿比重は腎の尿濃縮力を反映し、健康者では1.012〜1.025。尿pHは正常で約6.0前後(5.1〜7.4)の弱酸性で、酸塩基平衡や尿路感染の情報が得られます。
| 項目 | 基準 | 異常値 | 主な原因 |
|---|---|---|---|
| 尿比重 | 1.012〜1.025 | 1.010以下=低比重尿 | 尿崩症、腎濃縮力障害 |
| 尿比重 | 1.012〜1.025 | 1.030以上=高比重尿 | 脱水、糖尿病、ネフローゼ症候群 |
| 尿pH | 約6.0(5.1〜7.4) | 酸性尿 | アシドーシス、飢餓、発熱 |
| 尿pH | 約6.0(5.1〜7.4) | アルカリ尿 | 細菌尿、血尿、重曹服用 |
試験紙で調べる代表的な化学的項目です。尿糖は血糖が腎の糖排泄閾値(血糖値約160〜180mg/dL以上)を超えると出現します。ビリルビン尿は肝・胆道系の異常を、ウロビリン体は黄疸の鑑別を助けます。
| 項目 | 陽性・増加でみられる病態 |
|---|---|
| 尿糖 | 糖尿病、脳外傷、心筋梗塞、重症膵炎、甲状腺機能亢進症、過食 |
| 尿ビリルビン | 肝炎、肝硬変、胆石症、胆嚢炎、胆道閉塞(閉塞性黄疸・肝細胞障害性黄疸) |
| 尿ウロビリン体 増加 | 肝細胞障害性黄疸、溶血性黄疸 |
| 尿ウロビリン体 減少 | 胆道の完全閉塞(腸内へ胆汁が流れない) |
| ケトン体 | 重症糖尿病、飢餓、小児消化不良症、消耗性疾患 |
尿を遠心して沈殿した成分を顕微鏡で観察し、尿中の細胞や結晶成分を調べます。定性検査だけではわからない病変部位の推定に有用です。