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血液検査のやり方・基準値・臨床的意義けつえきけんさ

血液検査は、採血した血液を調べて貧血・白血病などの血液疾患だけでなく、腎疾患・膠原病・全身性疾患のスクリーニングにも用いる基本検査です。国試では基準値の数値と、「増加する疾患/減少・延長する疾患」の組み合わせがそのまま問われます。赤沈・赤血球系・網赤血球・白血球・血小板・出血時間・凝固機能の7項目を押さえましょう。

血液検査|血液検査 1
読み方けつえきけんさ
分類臨床検査(血液学的検査)
目的・意義血液疾患(貧血・白血病)の診断+腎疾患・膠原病・全身性疾患のスクリーニング
手技・方法採血 → 検査(血算・赤沈・凝固など)→ 診断・スクリーニングに活用
主な検査項目赤沈、赤血球数・Hb・Ht、網赤血球、白血球数と分類、血小板数、出血時間、凝固機能(APTT・PT)
代表的な基準値赤沈1〜15mm、白血球4,000〜9,000/μL、血小板15万〜40万/μL、出血時間5分以内
異常の意味低値=貧血・血小板減少、高値=多血症・感染症・炎症、時間延長=止血/凝固異常

血液検査の概要 ― 何をみる検査か

血液検査は、血液そのものの病気全身の状態の両方をみる基本検査です。採血した血液を各種装置・鏡検で調べ、診断とスクリーニングに用います。

流れは採血 → 検査 → 診断・スクリーニングに活用というシンプルな3ステップです。「血液検査=血液疾患+全身疾患をみる基本検査」と覚えておきましょう。

血液検査の概要(血液疾患+全身疾患のスクリーニング)
血液検査の概要(血液疾患+全身疾患のスクリーニング)

赤血球沈降速度(赤沈・血沈)

赤沈は、血液を垂直に立てて赤血球がどれくらい沈むかを調べる検査です。上層に血漿、下層に沈降した赤血球が分かれ、その沈む距離(mm)を測定します。

炎症や免疫グロブリンの増加などがあると赤沈は亢進(促進)します。非特異的だが鋭敏な炎症の指標です。

項目内容
正常値1〜15mm
促進する病態感染症、貧血、悪性腫瘍、心筋梗塞、膠原病
特徴的な変化多発性骨髄腫、DIC(播種性血管内凝固症候群)
原理血液を垂直に立て、赤血球の沈降距離を測定
赤血球沈降速度(赤沈)の原理と促進する病態
赤血球沈降速度(赤沈)の原理と促進する病態

赤血球数・ヘモグロビン・ヘマトクリット

赤血球数(RBC)・ヘモグロビン(Hb)・ヘマトクリット(Ht)の3つは、貧血と多血症の診断に必須の基本項目です。いずれも男女で基準値が異なる点が国試の頻出ポイントです。

項目男性女性
赤血球数約430万〜554万/μL約374万〜495万/μL
ヘモグロビン(Hb)約13.8〜16.9g/dL約12〜15g/dL
ヘマトクリット(Ht)約40.8〜49.6%約34〜45.3%
赤血球数・Hb・Htの基準値と判定のポイント
赤血球数・Hb・Htの基準値と判定のポイント

網赤血球 ― 赤血球の産生状態をみる

網赤血球(網状赤血球)は、RNAを含む未成熟な赤血球です。骨髄で赤血球がどれだけ作られているかを反映するため、赤血球の産生状態をみる指標として重要です。

「同じ貧血でも網赤血球が増えているか減っているかで原因が分かれる」という鑑別の考え方が問われます。

網赤血球代表疾患・病態意味
増加出血後、溶血性貧血骨髄での赤血球産生が亢進している
減少再生不良性貧血、赤芽球癆骨髄での赤血球産生が低下している
網赤血球=未成熟な赤血球。増加・減少する疾患
網赤血球=未成熟な赤血球。増加・減少する疾患

白血球数と白血球分類

白血球は感染症や白血病などの診断に重要です。健康者の白血球数は4,000〜9,000/μL。白血球分類(白血球像)は5種類に分けます。

増加と減少をセットで覚えるのがコツです。ウイルス感染症では減少する点(細菌感染では増加)が引っかけになりやすいところです。

変化代表的な原因
増加しやすい感染症、熱傷、心筋梗塞、悪性腫瘍
減少しやすいウイルス感染症、再生不良性貧血、放射線障害、薬剤性血液障害
白血球数(4,000〜9,000/μL)と白血球5分類
白血球数(4,000〜9,000/μL)と白血球5分類

血小板数・出血時間 ― 止血機能をみる

血小板は止血に重要な細胞で、基準値は15万〜40万/μL。減少すると出血しやすくなります。

出血時間は、皮膚を小さく穿刺して出血が止まるまでの時間を測る検査で、止血機能(主に血小板の数と働き)をみます。健康者では5分以内に止血します。

検査基準値異常時の代表疾患
血小板数15万〜40万/μL減少:ITP・再生不良性貧血・白血病・肝硬変/増加:本態性血小板血症・大量出血後
出血時間5分以内延長:血小板減少症・血小板機能異常症
出血時間=止血機能をみる検査。正常は5分以内
出血時間=止血機能をみる検査。正常は5分以内

凝固機能検査(APTT・PT)

凝固機能検査は、血液が固まる力を調べる検査です。代表的なものがAPTT(活性化部分トロンボプラスチン時間)とPT(プロトロンビン時間)で、どちらも「固まるまでの時間」が長くなる=延長が異常所見です。

DICは両方が延長する点、血友病=APTTビタミンK欠乏=PTという対応が最頻出です。

検査延長する疾患
APTT血友病、DIC
PTビタミンK欠乏症、DIC
共通DICはAPTT・PTともに延長
凝固機能検査=血液が固まる力。APTTとPTの延長疾患
凝固機能検査=血液が固まる力。APTTとPTの延長疾患
国試ポイント
① 赤沈の正常値は1〜15mm。感染症・貧血・悪性腫瘍・心筋梗塞・膠原病で促進し、多発性骨髄腫・DICで特徴的な変化がみられる。
② 白血球数の正常値は4,000〜9,000/μL。ウイルス感染症では「減少」する(細菌感染の増加と混同しやすい引っかけ)。
③ 血小板数は15万〜40万/μL。減少で出血傾向(ITP・再生不良性貧血・白血病・肝硬変)、増加は本態性血小板血症・大量出血後。
④ 出血時間は正常5分以内。血小板減少症・血小板機能異常症で延長する。
⑤ 網赤血球はRNAを含む未熟赤血球。出血後・溶血性貧血で増加、再生不良性貧血・赤芽球癆で減少。
⑥ APTT延長=血友病・DIC、PT延長=ビタミンK欠乏症・DIC。DICは両方延長する。
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