脳卒中(脳血管障害)は脳の血管が詰まる(脳梗塞)/破れる(脳出血・くも膜下出血)ことで起こり、発症後に多彩な後遺症を残します。片麻痺・痙縮・失調といった運動障害だけでなく、感覚障害や疼痛、失語・失行・失認の高次脳機能障害、摂食嚥下障害と構音障害、半側空間無視や複視まで幅広く出現します。国試では3分類と主な原因、障害名の定義の取り違えが狙われるため、早期リハビリの重要性とあわせて整理しておきましょう。
| 読み方 | のうそっちゅうとこういしょう |
|---|---|
| 別名・分類 | 脳血管障害(CVA)。脳出血・くも膜下出血・脳梗塞の3分類 |
| 主な原因・病態 | 高血圧・動脈硬化・脳動脈瘤の破裂・血栓・心房細動など |
| 障害の特徴 | 片麻痺/痙縮/失調、感覚障害・疼痛、失語・失行・失認、摂食嚥下障害、構音障害、半側空間無視、複視 |
| 急性期の対応 | 全身管理と意識レベルの評価。合併症・廃用予防のため早期からリハビリを開始する |
| 回復期の訓練 | 運動療法・作業療法・言語療法・ADL練習。多職種(PT/OT/ST)で社会復帰を目指す |
| 禁忌・注意点 | 誤嚥性肺炎、感覚低下による熱傷・転倒・外傷の見落とし、脳卒中後の肩・上肢痛、意識障害例での訓練負荷 |
| 国試での狙われ方 | 3分類と原因の組合せ、失語/失行/失認の定義区別、半側空間無視、意識障害と予後の関係 |
脳卒中は脳の血管が詰まる、または破れることで脳が障害される疾患群の総称で、脳血管障害とも呼ばれます。発症後は麻痺・しびれ・言語障害・感覚障害・高次脳機能障害などの後遺症が残りやすく、リハビリテーションの中心的な対象疾患です。
できることを増やすため、脳卒中は早期からのリハビリ開始が原則です。安静臥床の長期化は廃用症候群を招きます。
国試で最頻出なのが3分類です。出血性(脳出血・くも膜下出血)と虚血性(脳梗塞)の区別、そして原因の組合せを必ず押さえます。
| 分類 | 病態 | 主な原因 |
|---|---|---|
| 脳出血 | 脳の血管が破れて脳の実質内に出血する | 高血圧、動脈硬化、脳動脈瘤の破裂 など |
| くも膜下出血 | 脳の表面の血管が破れ、くも膜の下に出血する | 脳動脈瘤の破裂、高血圧、遺伝・体質 など |
| 脳梗塞 | 脳の血管が詰まって血流が止まる | 動脈硬化、血栓(血のかたまり)、心房細動 など |
脳卒中の運動障害では片麻痺・痙縮・失調の3つが重要です。それぞれ「筋力の問題」「筋緊張の問題」「協調性の問題」と整理すると混同しません。
| 障害 | 内容 | みられる所見 |
|---|---|---|
| 片麻痺 | 片側の筋力低下 | 片側の手足が動きにくい |
| 痙縮 | 筋緊張が亢進し筋肉がこわばる | 硬くなり動きが制限される、他動運動で抵抗がある |
| 失調 | バランスや協調運動の障害 | ふらつく、思い通りに体が動かない、狙った位置に届かない |
運動麻痺と同じ側に感覚障害が出ることが多く、しびれ・触覚の鈍麻・温度覚の低下がみられます。脳の損傷により感覚がうまく伝わらないためです。
感覚障害は「見えない障害」であるため、本人の訴えを拾い、外傷や熱傷を予防する配慮が施術・介助の現場でも欠かせません。
外見からは分かりにくいのが高次脳機能障害です。国試では3つの定義の取り違えが引っかけとして頻出します。
| 障害 | 定義 | 具体例 |
|---|---|---|
| 失語 | 話す・理解することが難しい | 言葉が出にくい、言葉の理解が難しい |
| 失行 | 運動麻痺がないのに目的の動作ができない | 道具の使い方が分からない、着替えや身支度が困難 |
| 失認 | 物や空間を正しく認識できない | 見えているのに何か分からない、道に迷う、人の顔が分からない |
摂食嚥下障害では、むせる・口に食物が残る・食べこぼす・飲み込みにくいといった症状が出ます。食物や飲み物が気管に入ると誤嚥性肺炎のリスクとなるため、早めの気づきと対策が最重要です。構音障害では発音がはっきりしない、声が小さい・こもる、言葉がスムーズに出ないなどがみられます。いずれも言語聴覚士(ST)が嚥下訓練・発声発語練習・食事の工夫・姿勢の調整で支援します。
急性期の意識レベルは、その後の回復を左右する重要な指標です。意識障害があると呼びかけに反応しない、指示が入らない、注意力が低下する、覚醒レベルが不安定といった状態になり、脳の機能が十分に働いていません。
その結果、意識障害 → 合併症・廃用のリスク増加 → リハビリ・ADL回復の遅れ → 予後に影響という流れをたどります。意識障害の有無と程度の評価は、リハビリ計画立案の出発点です。