内臓感覚とは、内臓の状態を感じ取る感覚で、普段はあまり意識されず必要なときだけ意識にのぼります。大きく臓器感覚(空腹感・渇き・尿意・便意)と内臓痛覚に分けられ、内臓には機械的受容器・化学受容器・一部の温度受容器・侵害受容器が分布しています。情報は自律神経と深く関係し、無意識下での反射性調節に使われます。
| 読み方 | ないぞうかんかく |
|---|---|
| 分類 | 臓器感覚(空腹感・渇き・尿意・便意)と内臓痛覚 |
| 受容器 | 機械的受容器・化学受容器・一部の温度受容器・侵害受容器 |
| 適刺激 | 内臓の伸展・収縮、化学変化、温度変化、侵害刺激(痛み) |
| 伝導路・関与する神経 | 自律神経(交感神経・副交感神経)、骨盤神経など。中枢は脊髄・脳幹・視床下部・大脳 |
| 特徴・性質 | 局在がはっきりしない、ぼんやりした感覚、不快感・情動と結びつきやすい |
| 主な数値 | 尿意=膀胱に150〜300mLたまると生じる/空腹感=血糖値の低下(70mg/dL付近)で生じる |
| 国試での狙われ方 | 臓器感覚の種類、受容器と適刺激の対応、尿意の蓄尿量、便意の経路(直腸伸展→骨盤神経→中枢)、内臓痛の局在不明瞭と関連痛 |
内臓感覚には空腹感・渇き・尿意・便意・内臓痛覚があります。内臓の状態を感じ取る感覚で、普段はあまり意識されず、必要なときに意識にのぼるのが特徴です。空腹感・渇き・尿意・便意は臓器感覚、臓器そのものの痛みは内臓痛覚としてまとめられます。
| 区分 | 含まれる感覚 | 内容 |
|---|---|---|
| 臓器感覚 | 空腹感 | おなかがすいた! |
| 臓器感覚 | 渇き | のどがかわいた! |
| 臓器感覚 | 尿意 | トイレに行きたい! |
| 臓器感覚 | 便意 | うんちがしたい! |
| 内臓痛覚 | 内臓の痛み | 臓器そのものから生じる痛み |
内臓にはさまざまな受容器が分布し、伸展・収縮・化学変化・痛みなどを感じ取ります。受容器と適刺激の対応は国試で問われやすい定番です。
| 受容器 | 感じ取るもの | 例 |
|---|---|---|
| 機械的受容器 | 伸展・収縮 | 胃・膀胱・直腸の壁の伸び |
| 化学受容器 | 化学変化 | 腸管内・血液の化学的変化、グルコース受容器 |
| 一部の温度受容器 | 温度変化 | 肝臓などの温度センサー |
| 侵害受容器 | 痛みや強い刺激 | 膀胱・消化管の過伸展や炎症 |
内臓からの情報は自律神経(交感神経・副交感神経)と深く関係し、脳-自律神経-内臓のループで心臓・胃腸・呼吸などが自動的にコントロールされています。
体性感覚と違い、内臓感覚は普段はあまり意識されない点が重要です。
臓器感覚は皮膚感覚に比べてあいまいなのが最大の特徴です。
空腹感は体がエネルギーを欲しているサインです。血糖値の低下(70mg/dL付近)をグルコース受容器が感知し、また胃の強い収縮を胃の機械受容器がとらえ、視床下部で「おなかがすいた・食べたい」と認識されます。血糖低下時には肝臓がグルコースを放出します。
渇きは水分不足のサインで、体液浸透圧の上昇・体液量の低下・咽頭の乾燥がきっかけになります。視床下部の浸透圧受容器、心肺受容器、咽頭粘膜受容器が関与します。
| 感覚 | きっかけ | 受容器・中枢 |
|---|---|---|
| 空腹感 | 血糖値の低下(70mg/dL付近)、胃の強い収縮 | グルコース受容器、胃の機械受容器 → 視床下部 |
| 渇き | 体液浸透圧↑、体液量↓、咽頭の乾燥 | 視床下部浸透圧受容器、心肺受容器、咽頭粘膜受容器 |
尿意は膀胱に150〜300mLの尿がたまると、膀胱壁の伸展受容器が反応し、信号が骨盤神経を通って脊髄へ伝わり、脳で尿意として認識されます。
便意は、便が直腸に入る→直腸壁の伸展→受容器刺激→骨盤神経→中枢という流れで生じます。
内臓痛覚は臓器そのものから生じる痛みで、場所がはっきりしにくく、離れた体表部位に痛みを感じる関連痛を伴うことがあります。関連痛とセットで覚えましょう。
| 感覚 | 経路 | キーワード |
|---|---|---|
| 尿意 | 膀胱に尿貯留(150〜300mL)→伸展受容器→骨盤神経→脊髄→脳 | 伸展受容器・骨盤神経 |
| 便意 | 直腸に入る→伸展→受容器刺激→骨盤神経→中枢 | 直腸伸展・骨盤神経 |
| 内臓痛覚 | 臓器の侵害受容器→自律神経求心路→中枢 | 局在不明瞭・関連痛 |