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むちうち(頸椎捻挫)の病態・症状・診断・治療

むちうちは、交通事故などの急な加速・減速で首が過伸展・過屈曲し、頸部の筋・靭帯・関節周囲などの軟部組織を傷める外傷です。より正確には頸椎捻挫・頸部挫傷(外傷性頸部症候群)と呼びます。X線で骨折や脱臼が明らかでないのが特徴で、多くは保存療法で良好に経過します。

むちうち(頸椎捻挫・頸部挫傷)|むちうち(頸椎捻挫・頸部挫傷) 1
読み方むちうち(頸椎捻挫・頸部挫傷)
別称頸椎捻挫/頸部挫傷/外傷性頸部症候群
主な原因交通事故などの急な加速・減速(追突など)
受傷機序首の過伸展・過屈曲(ムチのような動き)
損傷の中心筋・靭帯・関節周囲などの軟部組織
画像所見X線で骨折・脱臼が明らかでない
主症状首・肩の痛みやこり、しびれ、めまい・頭痛など
治療保存療法(安静・頸椎カラー・鎮痛薬)
予後多くは良好(心理社会的要因で慢性化に注意)

むちうちとは?発生のしくみ

むちうちは、交通事故などの急な加速・減速によって、首がムチのようにしなって受傷する外傷です。追突などの衝撃で頸部が急に過伸展(後ろへ反る)し、続いて過屈曲(前へ曲がる)する動きが起こり、首に大きな負担がかかります。

急な加速・減速で首が過伸展・過屈曲して起こる
急な加速・減速で首が過伸展・過屈曲して起こる

「むちうち症」より正確な呼び方

「むちうち症」という言葉はあいまいでわかりにくいため、現在はより正確な診断名で整理します。呼び方にも注意が必要です。

曖昧な言葉より正確な診断名で扱うことが大切です。

骨折・脱臼がないのが特徴

頸椎捻挫は、X線で骨折や脱臼が明らかでない外傷です。骨折や脱臼がないのに首が痛むのが特徴で、画像で骨折なしを確認したうえで頸椎捻挫を考えます。

X線で骨折・脱臼が明らかでない外傷
X線で骨折・脱臼が明らかでない外傷

損傷の中心は軟部組織、神経症状にも注意

損傷の中心は筋・靭帯・関節周囲などの軟部組織です。ただし、神経根・脊髄・椎骨動脈への影響による神経症状にも注意します。不安感・焦り・睡眠障害といった心理的反応が伴うこともあります。

注意する部位主な症状
神経根しびれ・痛み、感覚・筋力低下
脊髄感覚・運動障害、重篤な神経症状
椎骨動脈めまい・頭痛、脳血流障害の恐れ

むちうちの4つの病型

むちうちの症状は、大きく4つの病型に整理して理解します。

病型主な症状
①頸椎捻挫型首や肩の痛み・こり
②頸神経根症状型腕のしびれ・痛み
③バレー・リュー症状型めまい・耳鳴り・頭痛
④脊髄症状型歩行障害・排泄障害
むちうちの症状は4つの病型で整理する
むちうちの症状は4つの病型で整理する

バレー・リュー症状型(自律神経症状)

バレー・リュー症状型では、首の痛みだけでなく自律神経症状が目立つのが特徴です。全身症状にも注目します。

診断は神経学的所見+画像検査

診断は神経学的所見と画像検査を組み合わせて行います。X線は必須で、MRI・CTも重要です。まず診察、そして画像で確認します。

検査役割
神経学的所見感覚・運動・反射を確認
X線検査骨折・脱臼のチェック(必須)
MRI検査脊髄・神経根の確認
CT検査骨の詳細評価に有用

骨折やヘルニアがあれば「むちうち」ではない

骨折やヘルニアなど原因がはっきりしている場合は、単なる「むちうち」ではありません。具体的な疾患名で診断し、適切な検査・治療につなげます。

原因が見つかれば、別の病名として治療します。見分けが大切です。

治療の基本は保存療法

治療の基本は保存療法です。安静・頸椎カラー・鎮痛薬などで対応し、多くは良好に経過します。牽引は禁忌とされます。

保存療法とあわせて、安心感を与える説明が重要です。

安静・頸椎カラー・鎮痛薬が基本/牽引は禁忌
安静・頸椎カラー・鎮痛薬が基本/牽引は禁忌

予後は良好、しかし慢性化に注意

予後は良好で、多くは痛みの軽減・日常生活への復帰・機能の回復が得られます。ただし心理社会的要因が関与して慢性化することがあり注意が必要です。

慢性化の要因内容
ストレス不安・抑うつ、ストレス過多
性格傾向心配性・完璧主義、回避傾向など
保険・会社トラブル補償問題・職場復帰の難しさ
見逃された疾患重大な疾患の見落とし
国試ポイント
① むちうちは急な加速・減速で首が過伸展・過屈曲して起こり、X線で骨折・脱臼が明らかでない外傷(頸椎捻挫・頸部挫傷・外傷性頸部症候群)
② 損傷の中心は筋・靭帯・関節周囲の軟部組織だが、神経根・脊髄・椎骨動脈による神経症状にも注意
③ 症状は4病型(頸椎捻挫型・頸神経根症状型・バレー・リュー症状型・脊髄症状型)に整理される
④ バレー・リュー症状型は頭痛・めまい・耳鳴り・悪心・霧視など自律神経症状が目立つ
⑤ 治療の基本は保存療法(安静・頸椎カラー・鎮痛薬)で牽引は禁忌、予後は良好だが心理社会的要因で慢性化しうる
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