味覚と嗅覚は、水に溶けた化学物質が感覚上皮に作用して生じる化学感覚です。生命維持に重要で、快・不快や本能行動にも深く関わりますが、ヒトでは視覚・聴覚・皮膚感覚よりやや低い位置づけとされます。国試では味蕾の数(約1万個)・味細胞の寿命(約10日)・舌前2/3=顔面神経/後1/3=舌咽神経・孤束核→腹側視床(VPMpc)→中心後回基部が繰り返し問われます。
| 読み方 | みかくときゅうかく |
|---|---|
| 受容器 | 味覚=舌の味蕾(みらい)内の味細胞(受容細胞)/嗅覚=鼻腔天井部の嗅上皮にある嗅細胞 |
| 適刺激 | 水(唾液)に溶けた化学物質=味物質/空気中のにおい分子(化学感覚) |
| 味蕾の数 | 舌に約1万個。つぼみ形で、頂部に開口部(味孔)をもつ |
| 基本感覚(基本味) | 甘味・酸味・苦味・塩味の4基本味+うま味。組み合わせで多彩な味になる |
| 伝導路(味覚) | 舌前方2/3=顔面神経(第Ⅶ脳神経)/舌後方1/3=舌咽神経(第Ⅸ脳神経)、さらに迷走神経 → 脳幹の孤束核 → 腹側視床(VPMpc) → 大脳皮質味覚野(中心後回の基部) |
| 伝導路(嗅覚) | 吸気の一部が上鼻道へ → におい分子が嗅上皮の嗅細胞を刺激 → 脳へ |
| 特徴・順応 | 同じ刺激を受け続けると感じにくくなる=順応。味細胞は寿命が短く約10日で基底細胞から新生・交代する |
| 国試での狙われ方 | 味蕾約1万個/味細胞の入れ替わり約10日/前2/3と後1/3の神経の取り違え/中継核(孤束核・VPMpc)と味覚野の部位 |
味覚と嗅覚は、化学物質を感じる感覚(化学感覚)です。いずれも水に溶けた化学物質が感覚上皮に作用することで受容が起こります。単に「おいしい・くさい」を知るだけでなく、快・不快や本能行動にも関係し、腐敗物や毒物を避けるなど生命維持に重要な役割をもちます。
「生命維持に重要」だが「ヒトでは他の感覚よりやや低い」という、一見矛盾する2点をセットで覚えるのが得点のコツです。
味覚には基本となる感覚があり、これらの組み合わせで多彩な味が生まれます。近年はうま味も重要な基本味として扱われます。
| 基本感覚 | 代表的な食品・物質 |
|---|---|
| 甘味 | ケーキ・イチゴなどの糖 |
| 酸味 | レモン・柑橘類 |
| 苦味 | お茶・チョコレート |
| 塩味 | 食塩 |
| うま味 | 昆布・かつお節・しいたけ |
味蕾は舌の表面にあるつぼみ形の受容器で、舌に約1万個存在します。味物質は次の順で受容・伝達されます。
ポイントは、味を受け取るのは神経終末ではなく味細胞という受容細胞であり、そこからシナプスを介して求心性線維へ伝わるという点です。
味細胞は寿命が短い細胞で、絶えず生まれ変わっています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 味蕾の数 | 舌に約1万個 |
| 味細胞の寿命 | 短い(約10日で交代) |
| 入れ替わり期間 | 約10日 |
| 新生のもと | 基底細胞 |
味覚情報は舌の部位に応じて異なる脳神経を通り、最終的に脳幹の孤束核へ入力されます。
まとめると 脳幹(孤束核) → 腹側視床(VPMpc) → 味覚野(中心後回の基部) の3段階です。
| 舌の部位 | 担当する神経 | 入力先 |
|---|---|---|
| 舌の前方2/3 | 顔面神経(第Ⅶ脳神経) | 脳幹(孤束核) |
| 舌の後方1/3 | 舌咽神経(第Ⅸ脳神経) | 脳幹(孤束核) |
| 咽頭・喉頭側 | 迷走神経 | 脳幹(孤束核) |
嗅覚の受容器は、鼻腔天井部の嗅上皮にある嗅細胞です。においを感じる流れは次のとおりです。
「においは鼻のてっぺん(鼻腔の天井)でキャッチする」と押さえると、鼻の入口や下鼻道と混同しません。