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壊死(ネクローシス)の定義・原因・分類と国試ポイントえし

このページは壊死(ネクローシス)そのもの——定義・原因・顕微鏡所見・分類・壊疽までを担当します。壊死とは局所に起こる細胞や組織の死であり、個体全体の死とは区別されます。原因で最も重要なのは循環障害による虚血で、分類は凝固壊死融解壊死の2つ、「心は固まる、脳は溶ける」が一発暗記のカギです。

壊死|壊死 1
読み方えし(ネクローシス)
定義局所に起こる細胞や組織の死
個体の死との関係体の一部分の細胞・組織が死ぬことで、個体全体の死とは区別される
最も重要な原因循環障害による虚血(酸素・栄養の供給が絶たれる状態)
その他の原因高温、低温、放射線、中毒、微生物の毒素、ウイルス感染
顕微鏡所見核の濃染、核の融解・崩壊、細胞質の好酸性増加、構造・輪郭の不明瞭化、筋組織では横紋が不明瞭、細胞の膨化または収縮
分類凝固壊死/融解壊死の2つ
代表例凝固壊死=心筋梗塞・腎臓や脾臓の貧血性梗塞・結核の乾酪化巣/融解壊死=中枢神経の壊死・脳軟化症
関連概念壊死+腐敗=壊疽。四肢先端の壊死が乾燥・硬化=ミイラ化(乾性壊疽)
国試での狙われ方壊死の定義、最重要原因(虚血)、凝固壊死と融解壊死の代表例の区別、壊疽の定義とミイラ化の別名

壊死とは?──局所に起こる細胞や組織の死

壊死とは、局所に起こる細胞や組織の死です。ここでいう「局所」とは体の一部分という意味で、個体全体の死とは区別される点がまず問われます。

このページでは壊死そのもの(ネクローシス)の原因・形態変化・分類・壊疽までを扱います。

壊死とは=局所に起こる細胞や組織の死。個体全体の死とは区別される
壊死とは=局所に起こる細胞や組織の死。個体全体の死とは区別される

壊死の主な原因──最重要は循環障害による虚血

壊死の原因で最も重要なのは循環障害による虚血です。虚血とは細胞の生命活動に必要な酸素・栄養の供給が絶たれる状態を指します。

区分原因
最重要循環障害による虚血
その他の原因高温
その他の原因低温
その他の原因放射線
その他の原因中毒
その他の原因微生物の毒素
その他の原因ウイルス感染
循環障害→虚血→酸素・栄養の低下→壊死。その他に高温・低温・放射線・中毒・微生物の毒素・ウイルス感染
循環障害→虚血→酸素・栄養の低下→壊死。その他に高温・低温・放射線・中毒・微生物の毒素・ウイルス感染

壊死した細胞の変化(顕微鏡所見)

壊死に陥った細胞では、顕微鏡で見ると細胞の形が崩れて見えにくくなるのが特徴です。正常な細胞は核が明瞭・細胞質が淡く染まり・輪郭がはっきりしていますが、壊死ではこれが失われます。

覚え方のコツ:濃く・溶けて・赤く・ボヤけて・横紋消えて・膨らむか縮む・輪郭ボヤける=見えにくくなる!

項目正常な細胞壊死した細胞
明瞭濃染する/融解・崩壊する
細胞質淡く染色好酸性が増加(赤くなる)
輪郭はっきり不明瞭
構造保たれる不明瞭になる
筋組織の横紋はっきり不明瞭になる
細胞の大きさ一定膨化または収縮
壊死した細胞の顕微鏡的変化。核の濃染・融解崩壊、細胞質の好酸性増加、横紋の消失
壊死した細胞の顕微鏡的変化。核の濃染・融解崩壊、細胞質の好酸性増加、横紋の消失

壊死の分類──凝固壊死と融解壊死

壊死は大きく凝固壊死融解壊死2つに分けられます。国試ではこの2つの代表例の区別が繰り返し問われます。

一発暗記:心は固まる、脳は溶ける!

凝固壊死融解壊死
特徴壊死した部分が無構造の凝固した組織として残る壊死した組織がしだいに溶けていく
組織の形ある程度保たれる溶解し液状になる
代表例心筋梗塞/腎臓・脾臓の貧血性梗塞/結核の乾酪化巣中枢神経の壊死/脳軟化症
国試ポイント心筋梗塞=凝固壊死脳=融解壊死
凝固壊死と融解壊死の比較。心は固まる、脳は溶ける
凝固壊死と融解壊死の比較。心は固まる、脳は溶ける

壊疽(えそ)とミイラ化=乾性壊疽

壊死した組織に腐敗が加わると、壊疽になります。つまり壊死+腐敗=壊疽です。

一方、四肢の先端に発生した壊死がしだいに乾燥して硬くなった状態ミイラ化または乾性壊疽といいます。主な原因は動脈硬化症などによる血流障害(虚血)で、血流が悪くなり組織が壊死に陥ります。黒く乾燥し硬くなり、湿潤や感染がなければ腐敗臭はしません

壊疽ミイラ化(乾性壊疽)
成り立ち壊死した組織に腐敗が加わる四肢の先端に発生した壊死が乾燥して硬くなる
経過腐敗菌が関与し進行①壊死の発生→②乾燥・収縮→③ミイラ化
性状腐敗性悪臭を放ち周囲に漂う黒く乾燥し硬くなる。湿潤・感染がなければ腐敗臭はしない
代表例・原因肺壊疽、腐敗性子宮内膜炎動脈硬化症などによる血流障害(虚血)
壊死+腐敗=壊疽。腐敗性悪臭・腐敗菌の関与、代表例は肺壊疽と腐敗性子宮内膜炎
壊死+腐敗=壊疽。腐敗性悪臭・腐敗菌の関与、代表例は肺壊疽と腐敗性子宮内膜炎

壊死とアポトーシスの違い(対比整理)

壊死(ネクローシス)と混同されやすいのがアポトーシスです。詳しくは別ページ「アポトーシス」で扱いますが、区別の軸だけ押さえておきましょう。

比較軸壊死(ネクローシス)アポトーシス
性格病的な細胞死生理的(プログラムされた)細胞死
炎症伴う伴わない
エネルギー要求性不要(受動的)必要(能動的)
範囲局所の細胞・組織がまとまって死ぬ個々の細胞単位で死ぬ
ミイラ化=乾性壊疽。四肢末端の壊死が乾燥して硬くなった状態、主因は動脈硬化症による虚血
ミイラ化=乾性壊疽。四肢末端の壊死が乾燥して硬くなった状態、主因は動脈硬化症による虚血
国試ポイント
① 壊死=局所に起こる細胞や組織の死。個体全体の死とは区別される(引っかけ頻出)
② 壊死の原因で最も重要なのは循環障害による虚血。その他は高温・低温・放射線・中毒・微生物の毒素・ウイルス感染
③ 顕微鏡では核の濃染/核の融解・崩壊/細胞質の好酸性増加/横紋の不明瞭化。「細胞の形が崩れて見えにくくなる」
④ 分類は凝固壊死と融解壊死の2つ。心筋梗塞・腎臓や脾臓の貧血性梗塞・結核の乾酪化巣=凝固壊死、中枢神経の壊死・脳軟化症=融解壊死
⑤ 一発暗記「心は固まる、脳は溶ける」
⑥ 壊死+腐敗=壊疽。代表例は肺壊疽・腐敗性子宮内膜炎
・ ミイラ化=乾性壊疽。四肢先端の壊死が乾燥・硬化した状態で、主因は動脈硬化症による虚血。腐敗臭はしない
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