このページは病理学「免疫」分野のうち、自己免疫異常=免疫が自分自身の細胞や組織を攻撃してしまう病態と、その代表的な自己免疫疾患を担当します。本来、免疫は外から入ってきた異物を攻撃して体を守る仕組みですが、誤作動によって自分自身を攻撃することがあり、これを自己免疫異常といいます。国試では免疫寛容の破綻という機序と、疾患ごとの自己抗体・特徴的病変がくり返し問われます。
| 読み方 | じこめんえきいじょう |
|---|---|
| 定義 | 免疫の誤作動により、自己自身の細胞や組織を攻撃してしまう状態 |
| 本来の免疫の働き | 外から入ってきた異物を攻撃して体を守る |
| 関連する基本概念 | 免疫寛容=自己の成分には反応しない仕組み |
| 発生機序 | 免疫寛容が破綻し、自己抗原に反応して自己免疫疾患が起こる |
| 代表疾患 | SLE(全身性エリテマトーデス)/関節リウマチ/橋本病/進行性全身性硬化症/皮膚筋炎/原発性胆汁性肝硬変(PBC) |
| 主な自己抗体 | 抗核抗体(SLE)、リウマトイド因子・抗CCP抗体(関節リウマチ)、抗サイログロブリン抗体・抗TPO抗体(橋本病)、抗ミトコンドリア抗体(PBC) |
| 国試での狙われ方 | 「疾患と自己抗体」「疾患と特徴的病変(蝶形紅斑・ワイヤーループ病変・パンヌス)」の組合せ問題 |
免疫は本来、外から入ってきた異物を攻撃して体を守る仕組みです。しかし、自分自身の細胞や組織を攻撃してしまうことがあり、これを自己免疫異常といいます。
一発暗記は「自己免疫異常=免疫の誤作動で自分を攻撃!」です。
免疫には、本来自分の成分には反応しない仕組みがあり、これを免疫寛容といいます。
スライドでは①自己には反応しない(自分の成分は攻撃しない)→②免疫寛容が働く(自己の細胞や組織を守る=守られている)→③破綻すると自己免疫疾患(自己抗原に反応して自分を攻撃=免疫細胞が暴走し、自己の細胞が攻撃される)、という流れで整理されています。
一発暗記は「免疫寛容=“自分には反応しない仕組み”! 破綻すると自己免疫疾患」です。
| 状態 | 免疫の反応 | 結果 |
|---|---|---|
| 免疫寛容が働いている | 自己の成分には反応しない(スルー) | 自己の細胞や組織は攻撃されない |
| 免疫寛容が破綻 | 自己抗原に反応してしまう | 自己免疫疾患が起こる |
SLEは女性に多い自己免疫疾患で、自分の免疫が全身を攻撃します。スライドに挙げられた病変は次の5つです。
検査のポイント:抗核抗体が検出される。
病理のポイント:免疫複合体が沈着 → ワイヤーループ病変。
一発暗記は「SLE=蝶形紅斑+腎炎+抗核抗体!」です。
関節リウマチは左右対称に多関節を侵す自己免疫疾患です。
進行の流れは、①朝のこわばり → ②左右対称 → ③滑膜炎→パンヌス形成(滑膜の炎症が軟骨・骨に及ぶ) → ④軟骨・骨を破壊、と整理されます。
検査ポイント:リウマトイド因子、抗CCP抗体。RF=自分のIgGへの自己抗体。
一発暗記は「リウマチ=朝のこわばり+左右対称+パンヌス!」です。
橋本病は甲状腺が慢性炎症を起こす自己免疫疾患で、結果として甲状腺機能低下症を起こします。
自己抗体(検査で陽性):抗サイログロブリン抗体、抗TPO抗体。
一発暗記は「橋本病=甲状腺の慢性炎症+機能低下!」です。
スライドでは、次の3疾患がセットで整理されています。
一発暗記は「硬化症=皮膚が硬い! 皮膚筋炎=皮膚+筋! PBC=小胆管+抗ミトコンドリア抗体!」です。
| 疾患 | 特徴 | 注意点・検査 |
|---|---|---|
| ① 進行性全身性硬化症 | 皮膚が硬くなる/関節・筋・腱にも病変 | 消化器・肺・心臓・腎臓にも注意 |
| ② 皮膚筋炎 | 皮膚と筋肉に炎症/膠原病の一つ | 内臓悪性腫瘍を合併しやすい |
| ③ 原発性胆汁性肝硬変(PBC) | 肝内小胆管が慢性的に破壊/自己免疫が関係 | 抗ミトコンドリア抗体が陽性 |
「自己免疫は、『味方の免疫が、自分を敵と間違える』」で覚えます。疾患ごとのキーワードは以下の通りです。
| 疾患 | 標的・主病変 | 代表的な自己抗体/検査 |
|---|---|---|
| SLE | 全身(蝶形紅斑・糸球体腎炎・関節炎・漿膜炎・ループス腎炎)、ワイヤーループ病変 | 抗核抗体 |
| 関節リウマチ | 左右対称の多関節(滑膜炎→パンヌス→軟骨・骨破壊) | リウマトイド因子(自分のIgGへの自己抗体)・抗CCP抗体 |
| 橋本病 | 甲状腺の慢性炎症→甲状腺機能低下症 | 抗サイログロブリン抗体・抗TPO抗体 |
| 原発性胆汁性肝硬変(PBC) | 肝内小胆管の慢性的破壊 | 抗ミトコンドリア抗体 |