急性気管支炎は、上気道のかぜ症状が続いたあとに、炎症が気管・気管支へ波及して発症する呼吸器感染症です。原因の多くはウイルス感染ですが、白色痰=ウイルス性、黄色~黄緑色の膿性痰=細菌性二次感染を疑うのが国試での重要な鑑別ポイントです。
| 読み方 | きゅうせいきかんしえん |
|---|---|
| 分類 | 呼吸器感染症(下気道感染症) |
| 主な原因 | ウイルス感染(アデノウイルス・コロナウイルス・RSウイルスなど)が中心。細菌感染は一部(頻度7~44%程度) |
| 好発 | 冬に多い。かぜ症候群に続発(合併)することが多い |
| 主症状 | 発熱・咳嗽・喀痰 |
| 痰の性状 | ウイルス性は白色・粘液性、細菌性二次感染では黄色~黄緑色の膿性痰 |
| 検査所見 | 胸部X線写真は基本的に正常。喀痰培養を行うことはまれ |
| 治療 | 対症療法が中心(解熱薬・抗ヒスタミン薬・鎮咳去痰薬など)。膿性痰や高齢者では抗菌薬を考慮 |
| 予後・合併症 | 基本的に予後良好で1~2週間程度で改善。高齢者では肺炎への進展に注意 |
急性気管支炎は、上気道のかぜ症状が続いたあとに、炎症が気管・気管支へ波及して発症することが多い疾患です。主な原因はウイルス感染で、細菌感染の頻度は7~44%程度とされています。
急性気管支炎の主な原因はウイルス感染です。原因ウイルスとしてはアデノウイルス・コロナウイルス・RSウイルスなどがあり、これらのウイルスが下気道まで広がることで気管支に炎症が起こります。
ウイルスが下気道まで広がると、気管支に炎症が起こり急性気管支炎を発症します。
ウイルスや細菌が気管支に炎症を起こすと、次のような経過をたどって症状が現れます。
| 段階 | 内容 |
|---|---|
| ①気管支上皮の傷害 | ウイルスや細菌が気管支の上皮細胞に付着し、傷つける |
| ②咳の誘発 | 気管支の知覚神経が刺激されて咳が出る |
| ③気道内分泌物の増加 | 炎症により粘液や分泌物が増えて気道が狭くなる |
急性気管支炎の主な症状は発熱・咳嗽・痰です。痰の性状は原因によって異なり、細菌性二次感染では膿性痰になりやすいのが特徴です。また、肺雑音(ラ音)を聴取することがあります。
| 痰の性状/肺雑音 | 特徴 |
|---|---|
| ウイルス性の痰 | 白色・粘液性が多く、比較的サラッとしている |
| 細菌性二次感染の痰 | 黄色~黄緑色の膿性痰になりやすく、ねばり気が強く量も増える |
| 湿性ラ音 | 気道内の分泌物により「ゴロゴロ」「ブクブク」と聞こえる音 |
| 乾性ラ音 | 気道の狭窄や刺激により「ヒューヒュー」「ゼーゼー」と聞こえる音 |
急性気管支炎は基本的に臨床診断です。かぜ症候群のあとに咳・痰が出るようになった場合、急性気管支炎の合併を考えます。
ウイルス感染では対症療法のみでよいことが多く、多くは自然に軽快します。膿性痰がある場合は、抗菌薬を併用することがあります。
| 症状 | 対応 |
|---|---|
| 発熱 | 解熱・鎮痛薬 |
| 鼻汁・鼻閉・くしゃみ | 抗ヒスタミン薬 |
| 咳 | 鎮咳薬・去痰薬 |
| 咽頭発赤・腫脹 | うがい |
急性気管支炎は基本的に予後良好で、多くの場合1~2週間程度で症状は改善していきます。ただし高齢者では、気管支炎から肺炎へ進展することがあるため注意が必要です。
これらに当てはまる場合は早めの受診が勧められます。