かぜ症候群は、鼻腔から咽頭・喉頭にかけての上気道に起こる急性カタル性炎症の総称で、急性上気道炎の代表疾患です。原因の90〜95%はウイルス感染で、多くは1週間以内に自然治癒しますが、膿性痰や強い咳、下気道症状がある場合は気管支炎・肺炎への進展を疑う必要があります。
| 読み方 | かぜしょうこうぐん |
|---|---|
| 分類 | 急性上気道炎の代表(上気道炎は急性・慢性に分類され、急性の代表がかぜ症候群、慢性の代表は慢性副鼻腔炎) |
| 原因 | ウイルス感染が90〜95%(ライノウイルス約30%、アデノウイルス群10〜15%、コロナウイルス約10%、その他約5%、原因不明30〜40%)。まれにマイコプラズマ・クラミジア・細菌感染(連鎖球菌群など) |
| 主症状 | 鼻水・鼻づまり・くしゃみなどの鼻症状、のどの痛み(咽頭痛)などの咽頭症状、咳・痰 |
| 経過 | 多くは1週間以内に自然治癒。38℃以上の高熱や3日以上続く発熱は少ない(インフルエンザを除く) |
| 注意すべき所見 | 膿性痰、強い咳・痰、下気道症状があれば気管支炎・肺炎への進展を疑う。発熱・悪寒があるときは扁桃炎・咽頭炎の合併も考える |
| 診断 | 基本的に症状と経過から診断。ウイルス抗体価測定もあるが、抗体価が上がる頃には治っていることが多く実用性は高くない |
| 治療 | 対症療法が基本(自宅安静・十分な水分摂取・栄養補給)。抗菌薬は原則不要。ただし高齢者・重症基礎疾患保有者・二次感染が疑われる人には使用することがある |
| 予防 | 飛沫感染が中心のため、マスク着用・手洗い・食器や湯飲みの共用回避・家族の手洗い徹底が基本 |
上気道炎は経過によって急性上気道炎と慢性上気道炎に分けられます。国試ではそれぞれの代表疾患を対応させて覚えることが重要です。
かぜ症候群自体は「上気道の急性カタル性炎症の総称」と定義され、単一の疾患名ではなく症状群(症候群)として扱われる点もポイントです。
かぜ症候群の原因の90〜95%はウイルス感染であり、細菌感染はまれとされています。頻度としては以下のようにライノウイルスが最も多く報告されています。
| 原因ウイルス | 頻度の目安 |
|---|---|
| ライノウイルス | 約30% |
| アデノウイルス群 | 10〜15% |
| コロナウイルス | 約10% |
| その他のウイルス | 約5% |
| 原因不明 | 30〜40% |
かぜ症候群で多い症状は、鼻症状(鼻水・鼻づまり・くしゃみ)、咽頭症状(のどの痛み)、咳・痰の3系統です。国試の一発暗記として「鼻・のど・咳のウイルス感染」と覚えると整理しやすくなります。
一方で、次のようなサインがあるときは単純なかぜ症候群にとどまらない可能性があるため注意が必要です。
かぜ症候群は、上気道感染としての経過をたどり、多くの場合1週間以内に自然治癒します。インフルエンザとは異なり、38℃以上の高熱や3日以上続く発熱はあまり見られない点が鑑別のポイントです。
診断は基本的に症状と経過から臨床的に行われます。ウイルス抗体価測定という方法もありますが、抗体価が上がる頃には症状が治まっていることが多く、実用性は高くないとされています。症状が長引く場合は、肺炎や副鼻腔炎など他の呼吸器疾患を考慮し、医師の評価を受けることが大切です。
治療の基本は対症療法です。
かぜの多くはウイルス感染のため、抗菌薬は基本的に不要で効果もありません。ただし、以下のような場合は医師の判断のもと、二次感染予防として抗菌薬を使用することがあります。
| 抗菌薬を検討する対象 | 理由 |
|---|---|
| 高齢者 | 免疫力が低下しており重症化リスクが高いため |
| 重症基礎疾患がある人(心臓病・糖尿病・COPDなど) | 二次感染のリスクが高まるため |
| 二次感染が疑われる人 | 細菌の二次感染による感染拡大を防ぐため |
かぜ症候群は飛沫感染が中心のため、予防の基本はマスク着用・手洗い・食器や湯飲みなどの共用回避・家族を含めた手洗いの徹底です。
また、かぜ症候群が気管・気管支へ波及すると急性気管支炎となります。国試ではかぜ症候群との関連性としてあわせて出題されることがあるため、要点を押さえておきましょう。