救急時の診察で最も重要なのは、生命徴候=バイタルサイン(意識状態・自発呼吸・心拍動・血圧・体温)の確認です。心筋梗塞・脳血管障害・アレルギー疾患・急性腹症・外傷・熱傷・溺水などは突然発症し、呼吸停止・心停止・ショック状態に陥ることがあります。救急処置の基本はABC(Airway=気道確保、Breathing=呼吸管理、Circulation=循環維持)で、応急処置を行いながら一刻も早く医療施設へ搬送します。
| 読み方 | きゅうきゅうじのしんさつ |
|---|---|
| 分類 | 臨床医学総論/診察法・救急処置 |
| 最重要事項 | バイタルサイン(生命徴候)の確認 |
| バイタルサイン5項目 | 意識状態・自発呼吸・心拍動・血圧・体温 |
| 救急処置の基本 | ABC=Airway(気道確保)・Breathing(呼吸管理)・Circulation(循環維持) |
| ABCの目的 | 中枢神経系に酸素を供給すること |
| ABCの適応 | 呼吸停止・心停止の患者に行う最も基本的な処置 |
| 対応の原則 | 救急処置を行いながら早く医療施設へ搬送する |
| 骨折時の対応 | 副子固定(副子を当てる→包帯で固定→安全に搬送) |
| 備えるべき器具 | 開口器・エアーウェイ・吸引器・アンビューバッグ・喉頭鏡・AED |
救急時の診察で最も重要なのは、生命徴候=バイタルサインの確認です。まず患者が「生きているか」「どの機能が破綻しかけているか」を素早く把握します。
国試では「救急時の診察でまず行うのは?」→バイタルサインの確認が定番の問われ方です。
| バイタルサイン | みるポイント | 異常時に疑うこと |
|---|---|---|
| 意識状態 | 呼びかけ・痛み刺激への反応 | 脳血管障害、低血糖、ショック |
| 自発呼吸 | 有無・回数・深さ・リズム | 呼吸停止、気道閉塞 |
| 心拍動 | 脈の有無・数・リズム | 心停止、不整脈、心筋梗塞 |
| 血圧 | 収縮期/拡張期、左右差 | ショック、出血 |
| 体温 | 発熱・低体温 | 感染症、熱傷、熱中症、低体温症 |
救急対応が必要となる主な病態は次の7つです。いずれも突然発症することが多く、重症化すると呼吸停止・心停止・ショック状態に陥ることがあります。
鍼灸・あマ指の施術中でも、これらの発症は起こり得ます。「突然の発症」+「バイタルの異常」は、ただちに救急対応へ切り替えるサインです。
| 救急対応が必要な疾患 | 主な危険 | 見逃せない所見 |
|---|---|---|
| 心筋梗塞などの心臓循環器疾患 | 心停止・ショック | 突然の胸痛、冷汗、脈の異常 |
| 脳血管障害 | 意識障害・呼吸停止 | 突然の頭痛、片麻痺、意識レベル低下 |
| アレルギー疾患 | アナフィラキシーショック | 蕁麻疹、呼吸困難、血圧低下 |
| 急性腹症 | ショック | 突然の激しい腹痛、腹壁の緊張 |
| 外傷 | 出血性ショック | 大量出血、骨折、変形 |
| 熱傷 | ショック・気道熱傷 | 広範囲の皮膚障害、嗄声 |
| 溺水 | 呼吸停止・心停止 | 無呼吸、チアノーゼ |
救急処置で最も基本となるのがABCです。順番も含めて確実に覚えます。
ABCは呼吸停止や心停止の患者に対して行う、最も基本的な処置であり、その目的は中枢神経系に酸素を供給することです。脳は酸素欠乏に極めて弱いため、ABCは「脳を守る処置」と理解すると覚えやすくなります。
| 記号 | 英語(読み) | 意味 | 具体的な処置 |
|---|---|---|---|
| A | Airway(エアウェイ) | 気道の確保 | 頭部後屈顎先挙上などで気道を開ける |
| B | Breathing(ブリージング) | 呼吸の管理 | 呼吸の確認、人工呼吸による補助 |
| C | Circulation(サーキュレーション) | 循環の維持 | 胸骨圧迫(心臓マッサージ)、止血 |
救急状態の患者を診察する場合は、①診察 → ②救急処置を行いながら → ③早く医療施設へ搬送することが必要です。「処置が終わってから運ぶ」のではなく、処置をしながら運ぶのが原則で、1分1秒が生命予後を左右します。
骨折がある場合は副子固定をしてから搬送します。手順は①副子を当てる → ②包帯で固定する → ③安全に搬送する。固定せずに動かすと、骨折端が血管・神経を損傷する二次損傷の危険があります。
| 段階 | 内容 |
|---|---|
| ① 診察 | バイタルサインを確認し、生命の危機を判断する |
| ② 救急処置 | ABCの確保、酸素投与、モニタリング、静脈路確保、止血・固定 |
| ③ 搬送 | 処置を継続しながら、可能な限り早く医療施設へ運ぶ |
| 骨折時 | 副子を当てる→包帯で固定→安全に搬送 |
緊急時に備えて、あらかじめ救急器具を準備しておくことも救急対応の一部です。それぞれの器具の目的をセットで覚えましょう。
さらにAED(自動体外式除細動器)を使えるようにしておくことも重要で、駅や施設内のAEDの設置場所を日頃から確認しておきます。
| 救急器具 | 目的・はたらき |
|---|---|
| 開口器 | 口腔内を開けて観察・処置をしやすくする |
| エアーウェイ | 舌根沈下を防ぎ、気道を確保する |
| 吸引器 | 分泌物・嘔吐物を吸引し、気道を確保する |
| アンビューバッグ | 人工呼吸を補助し、換気を行う |
| 喉頭鏡 | 気管挿管時に声門を観察しやすくする |
| AED | 心室細動などに対し電気ショックを行う。設置場所の確認が重要 |