骨折とは、骨の連続性が断たれた状態をいいます。完全に折れたものだけでなく、「ひび」とよばれる亀裂骨折のような不完全骨折も骨折に含まれます。原因によって外傷性・病的・疲労骨折に分けられ、疼痛・腫脹・変形・異常可動性・機能障害が5大症状です。治療は整復→固定→療法(リハビリ)が基本で、高齢者では骨粗鬆症を背景とした大腿骨頸部骨折が寝たきりにつながるため特に重要です。
| 読み方 | こっせつ |
|---|---|
| 定義 | 骨の連続性が断たれた状態(ひび〜完全骨折まで含む) |
| 原因分類 | 外傷性・病的・疲労骨折 |
| 程度分類 | 完全骨折・不完全骨折 |
| 主症状 | 疼痛・腫脹・変形・異常可動性・機能障害 |
| 高齢者で重要 | 大腿骨頸部骨折・上腕骨近位端骨折・コーレス骨折 |
| 治療の基本 | 整復・固定・リハビリ(療法) |
| 注意すべき合併症 | 感染・神経損傷・血管損傷・脂肪塞栓・偽関節・変形治癒 |
骨折とは、骨の連続性が断たれた状態のことをいいます。正常な骨は連続性が保たれていますが、外力などによってその連続性が途切れると骨折です。
骨折は原因によって大きく3つに分けられます。それぞれ「どんな骨に」「どんな力で」起こるかが違います。
| 分類 | 起こり方 | 特徴 |
|---|---|---|
| 外傷性骨折 | 外力で起こる | 健常な骨に強い外力が加わって折れる、最も基本的なタイプ |
| 病的骨折 | 基礎疾患のある骨に起こる | 骨腫瘍・骨粗鬆症など、もろくなった骨がわずかな力で折れる |
| 疲労骨折 | 繰り返しの負荷で起こる | スポーツなどで同じ部位に負担が積み重なって生じる |
骨の連続性がどこまで断たれたか(程度)でも分類します。
不完全骨折の代表例として、亀裂骨折・若木骨折・竹節骨折が挙げられます。若木骨折や竹節骨折は小児に多いことも押さえておきましょう。
| 程度 | 連続性 | 代表例 |
|---|---|---|
| 完全骨折 | 完全に絶たれる | — |
| 不完全骨折 | 一部保たれる | 亀裂骨折・若木骨折・竹節骨折 |
骨折線の走り方でも分類します。外力のかかり方によって骨折線が変わり、治療の難しさも異なります。
| 分類 | 骨折線・状態 |
|---|---|
| 横骨折 | 骨折線が横に走る |
| 斜骨折 | 骨折線が斜めに走る |
| らせん骨折 | 骨折線がらせん状に走る |
| 粉砕骨折 | 骨が複数に砕ける |
骨折部が外界(皮膚の外)とつながっているかどうかも重要な分類です。皮膚との交通の有無が見分けるポイントになります。
開放骨折は外界と通じているため感染リスクが大きく、特に注意が必要です。
| 分類 | 別名 | 皮膚・外界との交通 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 皮下骨折 | 単純骨折(閉鎖骨折) | 交通しない | — |
| 開放骨折 | 複雑骨折 | 交通する | 感染リスクが大きい |
高齢者では骨粗鬆症を背景とした骨折が多く、なかでも大腿骨頸部骨折は超重要です。転倒後に寝たきりへつながりやすく、肺炎・褥瘡・尿路感染などの合併症を防ぐため早期手術・早期離床が大切とされます。転倒で起こりやすい上肢の骨折も押さえましょう。
| 骨折 | 好発・状況 | 特徴・注意点 |
|---|---|---|
| 大腿骨頸部骨折 | 高齢者・骨粗鬆症 | 早期手術・早期離床で寝たきり予防。肺炎・褥瘡・尿路感染に注意 |
| 上腕骨近位端骨折 | 高齢者・転倒 | 転倒で起こりやすい。保存療法も多い |
| コーレス骨折(橈骨遠位端骨折) | 高齢者・転倒(手をつく) | 背側転位が特徴。正中神経障害に注意 |
| 鎖骨骨折 | 小児・スポーツ外傷 | 全骨折の10〜15%。鎖骨中1/3が最多。8字帯で固定、転位が強ければ手術 |
骨折の症状は次の5つが基本です。まとめて覚えましょう。異常可動性のときに感じられる軋轢音もあわせて押さえます。
| 症状 | 内容 |
|---|---|
| 疼痛 | 強い痛みがある |
| 腫脹 | 腫れや内出血がある |
| 変形 | 骨の変形や歪みが見られる |
| 異常可動性 | 通常の動きではない異常な動きがある(軋轢音) |
| 機能障害 | 動かせない・力が入らない |
骨折治療は整復→固定→療法(リハビリ)の流れが基本です。あわせて起こりうる合併症・後遺症にも注意します。
注意すべき合併症・後遺症には感染・神経損傷・血管損傷・脂肪塞栓・偽関節・変形治癒があります。