脱臼とは、関節を構成する関節面どうしの接触が完全に失われた状態をいいます。接触が一部残るものは亜脱臼と呼びます。原因により外傷性脱臼と病的脱臼に分けられ、異常肢位・弾発性固定などの特有の症状を示し、早期の整復と合併損傷のチェックが重要です。
| 読み方 | だっきゅう |
|---|---|
| 定義 | 関節面の接触が完全に失われた状態 |
| 亜脱臼 | 関節面の接触が一部残る状態 |
| 原因分類 | 外傷性脱臼/病的脱臼 |
| 主症状 | 異常肢位・強い痛み・変形・弾発性固定 |
| 診断 | 症状の確認+X線検査(骨折合併の確認) |
| 治療 | 早期整復(必要なら観血的整復) |
| 四肢で最多 | 肩関節脱臼(前方脱臼が多い) |
| 重症化しやすい | 股関節脱臼(後方脱臼が多い) |
脱臼とは、関節を構成する骨どうし(関節面)の接触が失われた状態をいいます。正常な関節では関節面がしっかり接触していますが、脱臼するとこの接触がなくなります。
脱臼は原因によって大きく2つに分けられます。強い外力によるものが外傷性脱臼、関節自体の脆弱化によるものが病的脱臼です。
| 分類 | 原因 | 特徴 |
|---|---|---|
| 外傷性脱臼 | 強い外力や事故など | 外力によって関節が外れる |
| 病的脱臼 | 病気(関節自体の脆弱化) | 関節そのものが弱くなり外れやすくなる |
脱臼では以下のような特徴的な症状がみられます。中でも弾発性固定は脱臼に特有の所見です。早期の判断と適切な処置が大切です。
| 症状 | 内容 |
|---|---|
| 異常肢位 | 腕や足が不自然な位置になる |
| 痛み | 強い痛みで動かせない |
| 変形 | 関節の形が目に見えて変わる |
| 弾発性固定 | 動かすと元に戻るが、またハマって動かない(バネのような抵抗) |
完全脱臼では、骨頭が関節窩から完全に外れてしまうため、正常な関節の輪郭が失われます。関節窩に骨頭が無く空虚(からっぽ)になるのが特徴です。
脱臼の診断は、症状の確認とX線検査を組み合わせて行います。特に骨折の合併がないかを必ず確認することが重要です。
整復の前後で、周囲の軟部組織・血管・神経に損傷がないかを確認します。見逃すと合併症につながります。
| 確認部位 | チェック項目 |
|---|---|
| 軟部組織 | 腫れ・圧痛・皮膚の状態 |
| 血管 | 拍動・色調・温度・(毛細血管)充満時間 |
| 神経 | しびれ・感覚・運動 |
外傷性脱臼は早期整復が重要です。脱臼した状態で時間が経過すると骨頭への血流が低下し、骨頭壊死のリスクが高まります。
脱臼の状態 → 時間の経過 → 骨頭の血流が低下 → 骨頭壊死リスク上昇、という流れになります。
整復は慎重に行う必要があります。乱暴な整復は、骨折・軟部組織・神経血管損傷を悪化させる危険があります。
徒手整復が困難な場合は、必要に応じて観血的整復(手術による整復)を行います。
肩関節脱臼は、四肢の外傷性脱臼で最も多い脱臼です。転倒や外転・外旋の力が加わって起こり、前方脱臼が多いのが特徴です。
股関節脱臼は重症化しやすい脱臼です。ダッシュボード損傷や交通事故などで、大腿骨頭が後方へ外れる後方脱臼が多くみられます。合併損傷が多く、24時間以内の整復が重要で、骨頭壊死にも注意が必要です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 原因 | ダッシュボード損傷や交通事故など |
| 脱臼方向 | 後方脱臼が多い(大腿骨頭が後方へ) |
| 合併損傷 | 骨盤骨折・腹腔内臓器損傷・膝の靭帯損傷(多発しやすい) |
| 整復 | 24時間以内の整復が重要 |
| 注意 | 骨頭壊死に注意 |