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口腔疾患
口腔疾患の病態・分類・症状・診断・治療こうくうしっかん
口腔疾患とは、歯・歯ぐき・顎関節・舌・口唇・口腔粘膜など口の中の組織に起こる病気の総称です。歯周病は歯を失う最大の原因 であり、顎関節症は20〜40代の女性に多い など、疾患ごとに好発や特徴が異なります。国家試験では原因・進行段階・診断法・治療法の対応関係が問われやすいポイントです。
読み方 こうくうしっかん
分類 歯周病/顎関節症/う蝕(虫歯)/アフタ性口内炎/舌炎/口角炎 など
主な原因 歯垢(プラーク)・歯石・歯ぎしり食いしばり・ストレス・噛み合わせ異常・ビタミン不足・細菌感染・カンジダ感染など
好発 歯周病=成人〜高齢者、顎関節症=20〜40代の女性、う蝕=年齢問わず、アフタ性口内炎・口角炎=疲労やビタミン不足時
主症状 歯ぐきの出血・口臭・歯の動揺(歯周病)/開口障害・顎の痛み・関節雑音(顎関節症)/歯痛・冷水痛(う蝕)/浅い潰瘍による強い痛み(アフタ性口内炎)/舌の痛み・赤み(舌炎)/口角の亀裂・発赤(口角炎)
検査・診断 歯周ポケット測定・レントゲン検査・動揺確認(歯周病)/問診・開口量測定・触診・X線/CT/MRI(顎関節症)
合併症 歯周病は糖尿病と相互に悪化しあう関係がある。放置により歯の脱落(歯周病)や慢性化(アフタ性口内炎の反復)につながることがある
治療 ブラッシング指導・スケーリング・ルートプレーニング・抗菌薬・外科治療(歯周病)/マウスピース・薬物療法・理学療法・開口訓練(顎関節症)/詰め物・根管治療・抜歯(う蝕)/ステロイド軟膏・うがい・ビタミン補給(アフタ性口内炎・口角炎)
歯周病とは
歯周病は、歯を支える歯ぐきや歯槽骨に炎症が起こる疾患で、日本人が歯を失う最大の原因 とされています。原因は歯の表面につく歯垢(プラーク)と、それが石灰化して硬くなった歯石です。歯垢にはPorphyromonas gingivalisやPrevotella intermediaなどの歯周病菌が存在し、歯石は表面がザラザラで細菌が付着しやすく、歯ブラシでは除去できません。
歯周ポケット(歯と歯ぐきの間の溝)は正常で1〜2mm程度だが、歯周病になると4mm以上に深くなり、細菌や膿がたまって炎症が進行する 主な症状:歯ぐきからの出血、口臭、歯ぐきの腫れ、ネバつき、歯が長く見える、歯がぐらつく、膿が出る、噛むと痛いなど(初期は自覚しにくい) 増悪因子:喫煙、糖尿病(免疫低下により歯周病が悪化し、歯周病が糖尿病を悪化させる相互関係もある)、ストレス、歯ぎしり・食いしばり
進行段階 状態 特徴
①歯肉炎 歯ぐきだけの炎症 赤み・腫れ・出血。この段階なら回復可能
②歯周炎 炎症が深部へ進行 歯周ポケット形成・歯槽骨吸収
③進行期 さらに進行すると 歯が動く・噛めない・脱落する
歯周病の原因・歯周ポケット・進行段階(歯肉炎→歯周炎)・診断法・治療法のまとめ
歯周病の診断と治療
診断は歯周ポケット測定(深さを測る)、出血の有無(プロービングで確認)、レントゲン検査(骨の吸収を確認)、歯の動揺確認(ぐらつきのチェック)で行われます。
治療:ブラッシング指導(正しい磨き方の指導)、スケーリング(歯石除去)、ルートプレーニング(歯根を滑らかにし細菌を減らす)、抗菌薬(重症例で使用)、外科治療(進行例では歯周外科や再生療法) 予防:正しい歯みがき、デンタルフロス・歯間ブラシ、定期歯科検診、禁煙、糖尿病管理
顎関節症とは
顎関節症(がくかんせつしょう)は、下顎骨と側頭骨の間にある顎関節や、その周囲の筋肉に負担がかかり、痛みや運動障害などが起こる病気で、20〜40代の女性に多くみられます 。顎関節では関節円板がクッションの役割をしていますが、これがズレたり筋肉が緊張することで痛みや動きの異常が生じます。
3大症状:①開口障害(口が開きにくい、正常開口は約40〜50mm)、②顎の痛み(顎や周囲の筋肉が痛む。食事・会話・あくびなどで悪化しやすい)、③関節雑音(カクカク・ジャリジャリ音がする。関節円板のズレによることが多い) その他の症状:頭痛・肩こり・首こり・耳の違和感・めまい・疲れやすさなど 主な原因:歯ぎしり・食いしばり(睡眠中の強い圧力で関節や筋肉に負担)、ストレス(無意識の食いしばりや筋緊張)、噛み合わせの異常、硬い物の食べ過ぎ・習慣、外傷(ケガ・打撲など)
顎関節症の構造・3大症状・原因・診断・治療のまとめ
顎関節症の診断と治療
診断は問診(症状・生活習慣の確認)、開口量の測定、顎関節や筋肉の触診、関節音の確認を行い、必要に応じてX線・CT・MRI(関節円板の評価に有効)による画像検査を行います。
治療は多くは保存療法が中心:安静・生活指導(顎を使いすぎないこと。硬い食べ物・ガム・大きなあくびをなるべく避ける)、マウスピース療法(ナイトガードで睡眠時の歯ぎしり・食いしばりを軽減)、薬物療法(消炎鎮痛薬NSAIDs・筋弛緩薬など)、理学療法(温熱療法・マッサージ・ストレッチ)、開口訓練(少しずつ口を開ける練習)、外科治療(重症例でまれに関節洗浄や手術) 予防:食いしばりを意識してリラックスする、ストレスをため込まない、猫背やうつむき姿勢の改善、硬い物を食べすぎない、長時間のスマホ・PC使用に注意
その他の口腔疾患(う蝕・アフタ性口内炎・舌炎・口角炎)
口の中には歯・歯ぐき・舌・口唇・口腔粘膜などさまざまな組織があり、それぞれに代表的な病気が起こります。
う蝕(虫歯) :ミュータンス菌が糖分を分解して酸を作り、エナメル質や象牙質を溶かす病気。症状は歯の痛み・冷水痛・咬合痛・穴が開く・黒変など。予防はフッ素利用、糖分のとりすぎを控える、定期検診アフタ性口内炎 :白く浅い潰瘍ができ、周囲が赤くなり強い痛みを伴う。好発部位は頬粘膜・舌・口唇内側・歯ぐき。原因はストレス・疲労・睡眠不足・栄養不足・免疫低下など。食事でしみる・会話で痛い・接触痛があり、通常1〜2週間で自然治癒する。治療はステロイド軟膏・うがい・ビタミン補給舌炎 :舌に炎症が起こる病気。原因はビタミンB群不足・鉄欠乏性貧血・感染・刺激物(辛い物など)。症状は舌の痛み・赤み腫れ・ヒリヒリ感・味覚異常など。なお赤くツルツルした舌になるのが特徴の「ハンター舌炎」は悪性貧血に伴う口角炎 :口角(口の端)が炎症を起こす病気。原因はビタミンB2不足・カンジダ感染・細菌感染など。症状は口角の亀裂・発赤・痛み・出血、口を開けると痛む。治療は原因に応じてビタミン補給・抗真菌薬(カンジダ)・軟膏(保湿含む)を行う
虫歯の進行度 状態 特徴
C0 要観察 エナメル質の脱灰(白濁)
C1 初期う蝕 エナメル質だけの障害。痛みなし
C2 象牙質う蝕 象牙質まで進行。冷たい物で痛む
C3 歯髄炎 神経まで進行。強い痛み(ズキズキ)
C4 根尖性歯周炎 歯が大きく崩壊。再び痛みが出る
口の中の組織とう蝕(C0〜C4)・アフタ性口内炎・舌炎・口角炎のまとめ
国試ポイント
① 歯周病は日本人の歯の喪失原因第1位。原因は歯垢(プラーク)で、進行段階は歯肉炎→歯周炎の順(歯肉炎の段階なら回復可能)
② 歯周病の歯周ポケットは正常1〜2mm、歯周病では4mm以上に深くなる。診断は歯周ポケット測定・レントゲン・動揺確認
③ 顎関節症の3大症状は開口障害・顎の痛み・関節雑音(カクカク音)。20〜40代の女性に多く、主な原因は歯ぎしり・食いしばり・ストレス
④ 顎関節症の治療は保存療法が中心(マウスピース・薬物療法・理学療法・開口訓練)で、外科治療はまれ
⑤ 虫歯(う蝕)の進行度はC0〜C4に分類され、C1はエナメル質のみで痛みなし、C3は歯髄炎で強い痛み、C4は歯が大きく崩壊する
⑥ アフタ性口内炎はストレス・疲労が誘因で通常1〜2週間で自然治癒。舌炎はビタミンB群不足や貧血、口角炎はビタミンB2不足が代表的な原因
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