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筋系の基本構造とはたらき・国試頻出ポイント総まとめきんけい

筋系(骨格筋)は、収縮することで骨を動かし、関節運動・姿勢維持・静脈血やリンパの還流補助を担う運動器である。国試では起始=固定側・停止=移動側という定義や、筋の形による分類、筋紡錘・腱器官といった感覚受容器の働きが繰り返し問われる。まずは骨格筋のはたらきの全体像から押さえていこう。

筋系|筋系 1
読み方きんけい
分類運動器系(骨格筋による能動的運動装置)
支配神経運動神経(骨格筋を収縮させる)・感覚神経(筋の状態を中枢へ伝える)
付着の様式起始=固定側(動きが少ない・体幹に近い側)、停止=移動側(動きが大きい・末梢側)
感覚受容器筋紡錘(筋の伸張を感知)、腱器官(筋張力を感知)
国試での狙われ方起始・停止の左右逆、二頭筋と二腹筋の混同、種子骨=膝蓋骨の暗記、筋紡錘反射(膝蓋腱反射)の伝導経路

筋系とは何か―骨格筋の基本的な働き

骨格筋は身体を動かす運動器であり、単に関節を動かすだけでなく、姿勢の維持や血液・リンパの循環にも関わる。

骨格筋は運動神経支配を受け、運動神経からの信号で筋収縮が起こり、それによって関節運動が生じるという流れが国試の基本ポイントとなる。

筋の基本的な働き(骨格筋は運動器)
筋の基本的な働き(骨格筋は運動器)

筋の付着―起始と停止の考え方

筋は必ず2か所以上に付着する。両端のうち、動きが少なく体幹(体の軸)に近い側を起始(固定側)、動きが大きく末梢側にある側を停止(移動側)という。この定義の逆転が国試の定番の引っかけである。

付着様式特徴備考
腱で骨に付着筋の両端の多くは腱となり骨にしっかり付着する最も一般的な付着様式
腱膜として付着薄い腱膜となり広い範囲で骨や他組織に付着する広範囲に付着する筋にみられる
皮膚に付着(表情筋)骨ではなく皮膚に直接付着し表情をつくる表情筋特有の付着様式
筋の付着(起始・停止)の考え方
筋の付着(起始・停止)の考え方

筋の形と分類

筋の形は働きや付着の特徴と関連するため、代表例とセットで覚えることが重要である。特に二頭筋と二腹筋の違いは必出。

分類特徴代表例
紡錘状筋中央がふくらみ両端が細い形上腕二頭筋
半羽状筋腱の片側に筋線維が斜めに付着する上腕筋
羽状筋腱(羽軸)の両側に筋線維が斜めに付着する大胸筋
二頭筋起始が2か所あり、合して1つの腱になって停止する(筋腹は1つ)上腕二頭筋
二腹筋筋腹が2つに分かれ、中間に腱(中間腱)がある顎二腹筋
多腹筋筋腹が複数に分かれて並んでいる腹直筋

二頭筋=起始が2つで筋腹は1つ二腹筋=筋腹が2つで中間腱をもつという違いを混同しないよう注意する。

筋の形と分類(代表例)
筋の形と分類(代表例)

筋の神経支配と感覚受容器

筋には運動神経と感覚神経が分布する。

感覚受容器感知するもの関連する神経線維
筋紡錘(きんぼうすい)筋の長さ・伸張の程度感覚神経(Ia線維)、運動神経(γ線維)
腱器官(けんきかん)筋張力(引っ張りの強さ)感覚神経(Ib線維)

膝蓋腱反射(=筋紡錘反射)の経路:①膝蓋腱をたたく(伸張刺激)→②大腿四頭筋の筋紡錘が伸張を感知→③感覚神経(求心性線維)が脊髄へ伝達→④運動神経(遠心性線維)を介して筋が収縮→⑤膝が伸びる。この一連の流れは頻出である。

筋の神経と感覚受容器・膝蓋腱反射
筋の神経と感覚受容器・膝蓋腱反射

筋の補助装置と関節運動

筋の働きを助ける補助装置には以下がある。

補助装置構造・働き
筋膜筋全体を包む結合組織(膜状の組織)で形を保つ
滑液包関節や腱と骨・筋の間にある袋状構造。摩擦を減らしスムーズな動きを助ける
腱鞘腱を包むトンネル状の構造(滑膜性の鞘)。腱の滑走を助け摩擦・摩耗を防ぐ
滑車腱の走行方向を変えるための輪状構造。力の効率を高める
種子骨腱の中にある小さな骨。腱を保護しテコの作用を強くする。膝蓋骨は人体最大の種子骨

主な関節運動は次の4対に整理される。

筋の補助装置と主な関節運動
筋の補助装置と主な関節運動

国試頻出まとめ(一発暗記)

筋系分野で繰り返し問われる要点を一覧にした。「筋の形→神経→補助装置→関節運動」の順でセットで覚えると得点につながりやすい。

項目ポイント
起始固定側(動きが少ない側)に付着
停止移動側(動きが大きい側)に付着
二頭筋起始2つ、合して1つの筋腹になる
二腹筋筋腹が2つに分かれ、途中に中間腱がある
筋紡錘筋の伸張(長さの変化)を感知する受容器
腱器官筋張力(引っ張り)を感知する受容器
滑液包関節・腱と骨の間の袋状構造で摩擦を軽減
腱鞘腱を包むトンネル状構造で腱の滑走を補助
種子骨膝蓋骨が代表例で人体最大の種子骨
回内前腕を内側に回す運動。手掌が後方を向く
回外前腕を外側に回す運動。手掌が前方を向く
国家試験頻出まとめ(一発暗記)
国家試験頻出まとめ(一発暗記)
国試ポイント
① 起始=固定側(動きが少なく体幹に近い側)、停止=移動側(動きが大きく末梢側)という定義の逆転に注意する
② 二頭筋は起始が2つで筋腹は1つ、二腹筋は筋腹が2つで中間腱をもつ点を区別する
③ 筋紡錘は筋の伸張(長さ)を、腱器官は筋張力(引っ張りの強さ)を感知する受容器である
④ 膝蓋腱反射は筋紡錘反射であり、感覚神経(求心性)→脊髄→運動神経(遠心性)の経路で膝が伸びる
⑤ 膝蓋骨は人体最大の種子骨であり、腱の中にあってテコの作用を強める
⑥ 回内は手掌が後方(下)を向く運動、回外は手掌が前方(上)を向く運動である
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