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筋炎・筋膜炎
筋炎・筋膜炎の病態・原因・症状・治療きんえん・きんまくえん
筋炎・筋膜炎は、筋肉や筋膜に炎症が起こる病気 で、痛み・発熱・発赤・熱感・腫脹といった炎症の五徴に加え、機能障害 を伴うことが多いのが特徴です。オーバーユースや外傷から、薬剤性・感染性・自己免疫性まで原因はさまざまで、急性期は安静・冷却、慢性期は温熱・血流改善 と病期で対応が変わります。
読み方 きんえん・きんまくえん
分類 運動器疾患(筋・筋膜の炎症性疾患)
主な原因 オーバーユース・外傷・薬剤・細菌/ウイルス感染・自己免疫
主な症状 痛み・発熱・発赤・熱感・腫脹+機能障害
合併しやすい病態 腱炎・靱帯炎
急性期治療 安静・冷却(アイシング)・湿布・消炎鎮痛薬
慢性期治療 鍼灸・マッサージ・温熱療法・漢方(血流改善)
注意すべき重症病態 悪性高熱・化膿性腸腰筋炎・薬剤性横紋筋融解症
筋炎・筋膜炎の基本と原因
筋炎・筋膜炎は、筋肉に炎症が起こる筋炎 と筋膜に炎症が起こる筋膜炎 を合わせた呼び方です。いずれも炎症性疾患で、痛み・発熱・発赤・熱感・腫脹 という炎症の五徴に加え、動かしづらさなどの機能障害 を伴うことが多く、腱炎・靱帯炎とも合併しやすいのが特徴です。
主な原因は以下の通りです。臨床では、運動後の筋肉痛・こわばり・肉離れ として現れることが多くみられます。
繰り返す運動や外力 :オーバーユース(使いすぎ)や繰り返す動作による負担外力・外傷 :転倒・衝突・打撲など外からの力による損傷化学物質 :薬剤・溶剤・重金属などへの暴露や刺激細菌感染 :細菌が筋肉や筋膜に侵入して炎症を起こす自己免疫機序 :免疫が自分の筋肉や筋膜を誤って攻撃する
筋炎・筋膜炎の主な原因(オーバーユース・外傷・化学物質・感染・自己免疫)
薬剤・感染による筋炎
筋炎は運動や外傷だけでなく、薬剤や感染でも起こります。
薬剤性筋炎 :高脂血症治療薬(スタチンなど)で横紋筋融解症 を起こすことがあり、薬の副作用に注意が必要です。細菌感染 :細菌が筋肉・筋膜に侵入して炎症を起こします。ウイルス感染 :かぜ・インフルエンザなどのウイルス感染後にも、筋肉痛・筋膜痛が生じます。感染後の筋肉の痛みは見逃されやすいため、気になるときは早めに相談することが大切です。
病期別の治療(急性期・慢性期)
筋炎・筋膜炎の治療は、まず原因除去が原則 です。そのうえで病期によって対応が変わります。
【急性期】 炎症を落ち着かせることが第一。発赤・熱感・腫脹がある時期です。
安静 :患部を休ませて悪化を防ぐ冷却(アイシング) :熱と痛みを抑える湿布 :炎症と痛みをやわらげる消炎鎮痛薬 :炎症と痛みをコントロール注意 :熱感・腫脹がある時期のマッサージは原則避ける【慢性期】 痛みが慢性化し、発赤や発熱は乏しく、局所が低温のこともある時期です。血流改善と新陳代謝の促進 を目的に、鍼灸・マッサージ・温熱療法・漢方 を用います。痛みや腫れが強い・長引く場合は早めに医療機関へつなぎます。
急性期は安静・冷却・湿布・消炎鎮痛薬。熱感・腫脹がある時期のマッサージは避ける
自己免疫性の筋炎(多発性筋炎・皮膚筋炎)
多発性筋炎・皮膚筋炎 は自己免疫疾患で、国試頻出です。特徴を整理します。
四肢近位筋の左右対称性の筋力低下・関節痛 (立ち上がりや階段昇降が困難)ヘリオトロープ疹 (上眼瞼の紫紅色の皮疹)※皮膚筋炎手指関節の皮疹(ゴットロン徴候) 間質性肺炎 を合併することもある治療はステロイド薬(炎症を抑える) と免疫抑制薬(免疫の過剰な働きを抑え、再燃予防・維持療法に用いる) が中心です。早期発見・早期治療で筋力低下や合併症の進行を防ぎます。
多発性筋炎・皮膚筋炎:近位筋の対称性筋力低下、ヘリオトロープ疹、間質性肺炎の合併
見落とせない特殊な筋の炎症
国試では、部位や病態に特徴のある筋の炎症も問われます。
化膿性腸腰筋炎 :腸腰筋(腸骨筋+大腰筋)に黄色ブドウ球菌などが感染。虫垂炎・クローン病・尿路感染症・腰椎術後に続発する。腰部〜股関節部痛・発熱 、CRP高値・白血球増多 。治療は切開排膿+抗生物質 。骨化性筋炎 :外傷後・手術後に起こり、周辺軟部組織へ石灰沈着・骨化。強い骨化で可動域制限をきたす。多くは安静で吸収されるが、重い場合は摘出手術。早期対応とリハビリが大切。悪性高熱 :全身麻酔時(吸入麻酔薬+サクシニルコリン)に発症しやすい重篤な病態で、RYR1遺伝子 など遺伝的素因が関与。筋硬直・頻脈・40℃超の高熱・横紋筋融解・K上昇・CPK上昇 。原因薬剤の中止とダントロレン投与 が重要。足底腱膜炎 :足底筋膜の中央部〜踵骨粗面付近の痛み。ランニング障害で多い。踵骨棘があっても必ずしも原因ではない。治療は安静・鎮痛薬・アイシング。ステロイド注射は腱膜断裂の危険で推奨されない 。
悪性高熱:全身麻酔で発症、筋硬直・高熱・横紋筋融解・CPK上昇、ダントロレン投与が重要
国試ポイント
① 筋炎・筋膜炎は炎症の五徴(痛み・発熱・発赤・熱感・腫脹)+機能障害を呈し、腱炎・靱帯炎と合併しやすい
② 急性期は安静・冷却・消炎鎮痛薬(熱感・腫脹時のマッサージは避ける)、慢性期は温熱・血流改善が原則
③ スタチンなど高脂血症治療薬による薬剤性筋炎・横紋筋融解症に注意
④ 多発性筋炎・皮膚筋炎は近位筋の左右対称性筋力低下+ヘリオトロープ疹、間質性肺炎を合併、治療はステロイド・免疫抑制薬
⑤ 化膿性腸腰筋炎は腸腰筋に感染しCRP高値・白血球増多、治療は切開排膿+抗生物質
⑥ 悪性高熱は全身麻酔(吸入麻酔薬+サクシニルコリン)で発症、RYR1遺伝子関与、ダントロレン投与が重要
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