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奇穴の一覧と取穴部位・主治|脚気八処の穴・中風七穴も図解きけつ / Extra Points

奇穴(きけつ)は、独自の名称と取穴部位をもつツボのグループで、国試では取穴部位と主治がよく問われます。このページでは辞書スライドに収録された36穴の読み方・別名・取穴部位・主治をすべて一覧化しました。印堂・太陽・四神聡・十宣といった単穴から、脚気八処の穴・中風七穴・六つ灸・小児斜差の灸などの組み合わせて用いる奇穴まで、まとめて確認できます。

奇穴|奇穴 1
読み方きけつ
収録穴数36穴(スライド37枚中、腰痛点が2枚に重複掲載)
頭部・顔面部の奇穴印堂・太陽・魚腰・球後・四神聡・牽正・夾承漿・翳明
頸部・背部の奇穴定喘・巨闕兪・接脊・夾脊・患門
腰部の奇穴痞根・腰眼・下極兪・十七椎
胸腹部の奇穴四華・子宮
上肢・手の奇穴落枕(外労宮)・腰痛点・四縫・八邪・十宣・肩内陵
下肢・足の奇穴鶴頂・内膝眼・闌尾・胆嚢点・八風・裏内庭・失眠
組み合わせて用いる奇穴脚気八処の穴(8穴)・中風七穴(7穴・2説あり)・六つ灸(6穴)・小児斜差の灸(2穴)・四華(計5か所)・患門(左右2か所)
救急に用いる奇穴十宣(意識消失・昏厥・けいれん・高熱)

奇穴とは|このページで扱う36穴

奇穴は、独自の名称・取穴部位・主治をもつツボです。辞書スライドには全37枚(腰痛点が2枚に重複掲載のため実質36穴)が収録されており、単独で用いる穴と、複数の穴を組み合わせて1セットとして用いる穴の2種類があります。

四神聡(ししんそう)=頭頂部の正中線上、前後左右に1寸ずつ離れた4点と中央の合計5点
四神聡(ししんそう)=頭頂部の正中線上、前後左右に1寸ずつ離れた4点と中央の合計5点

奇穴一覧表(全36穴の読み・別名・取穴部位)

穴名(読み)別名取穴部位
痞根(ひこん)第3腰椎棘突起の高さで、正中線から左右に約3.5寸(指4本分)外側
印堂(いんどう)両眉の間の中央、眉間の少し上のくぼみ
巨闕兪(こけつゆ)第4胸椎棘突起の下縁のくぼみ(正中線上)
患門(かんもん)背部の上部、肩甲骨の内側縁にある左右のツボの間(左右2か所)
落枕(らくちん)外労宮(がいろうきゅう)手の甲の第2・第3中手骨の間(やや第3中手骨寄り)
裏内庭(うらないてい)足裏の中央やや上方、足底の胃の反射区
腰眼(ようがん)第4腰椎棘突起の高さで、正中線から左右に約3.5寸(指4本分)外側
小児斜差の灸(しょうにすじかいのきゅう)小児すじかい灸/小児すじちがいの灸/小児しやさの灸男児は左の肝兪+右の脾兪の2穴、女児は右の肝兪+左の脾兪の2穴
接脊(せっせき)接骨(せっこう)第12胸椎棘突起の下縁のくぼみ(正中線上)
八風(はっぷう)足の指の付け根のくぼみ(左右で4穴、計8穴)
子宮(しきゅう)下腹部、臍下4寸の高さで前正中線の外側3寸(左右対称)
鶴頂(かくちょう)膝頂(しつちょう)膝の前面、膝のお皿(膝蓋骨)の上縁の中央あたり
四縫(しほう)手の甲側の4・5指の間(薬指・小指側の4か所)
太陽(たいよう)当容(とうよう)目尻の外側、こめかみのくぼみから少し後方のくぼみ
肩内陵(けんないりょう)肩前(けんぜん)上腕骨頭の下縁から上腕骨外側を下に向かって、その距離の1/2のところ
四神聡(ししんそう)頭頂部の正中線上、前後左右に1寸ずつ離れた4点と中央の合計5点
定喘(ていぜん)治喘(ちぜん)第7頸椎と第1胸椎の間のくぼみ(正中線上)
脚気八処の穴(かっけはっしょのけつ)風市・伏兎・犢鼻・外膝眼・足三里・上巨虚・下巨虚・懸鍾(絶骨)の8穴
下極兪(げきょくゆ)第3腰椎棘突起の高さで、正中線上
八邪(はちじゃ)手の甲側の4・5指の付け根と指の間(4か所)
魚腰(ぎょよう)眉毛の上、眉頭の少し内側のくぼみ
闌尾(らんび)すねの外側、膝の皿の下から指2本分下のくぼみ
失眠(しつみん)足裏の中央やや下方、かかとの少し上のくぼみ
内膝眼(ないしつがん)膝の内側、膝蓋骨の内側のくぼみの下縁(脛骨の内側)
六つ灸(むつきゅう)六華の灸(ろっかのきゅう)/胃の六つ灸膈兪・肝兪・脾兪の左右で計6穴
十宣(じゅっせん)鬼城(きじょう)/十指端(じゅっしたん)手の指先(爪の生え際の中央、各指の先端)
中風七穴(ちゅうふうななけつ)①説=百会・曲鬢・肩井・曲池・風市・足三里・懸鍾(絶骨)/②説=百会・風池・肩井・大椎・曲池・間使・足三里
腰痛点(ようつうてん)腰腿点(ようたいてん)手の甲の第2・第3中手骨の間(やや第3中手骨寄り)
四華(しか)胸の中央、胸骨の上部から下部にかけて縦に並ぶ4か所のツボの間と、その中央(計5か所)
牽正(けんせい)耳の前、顎関節のやや下方のくぼみから約1横指下
胆嚢点(たんのうてん)すねの外側、腓骨の前縁の中央付近(骨の出っ張りのすぐ内側)
球後(きゅうご)目の下の縁から外側へ指4本分(約1横指半)のところ
夾脊(きょうせき)華佗夾脊(かだきょうせき)背骨(正中線)の両側、上下に並ぶ凹みの中にあるツボの列
夾承漿(きょうしょうしょう)あごの先端のやや内側、正中線の外側へ約1横指(人差し指)のところ
翳明(えいめい)耳たぶのうしろ、下顎のくぼみの後方、乳様突起の下方約1横指のところ
十七椎(じゅうななつい)上仙(じょうせん)腰の正中線上、第5腰椎棘突起の下縁のくぼみの中央

頭部・顔面部の奇穴(印堂・太陽・四神聡・魚腰・球後・翳明・牽正・夾承漿)

顔面部の奇穴は、目の疲れ・頭痛・あごの緊張に関わるものが中心です。四神聡の効能は醒脳開竅(せいのうかいきょう)=頭をすっきりさせ、意識をはっきりさせるはたらきとされます。印堂はリラックス・安神、太陽は気の巡りをよくして気分をリフレッシュする穴として紹介されています。

穴名取穴部位主な主治・適応
印堂(いんどう)両眉の間の中央、眉間の少し上のくぼみ頭痛・頭が重い/不安・イライラ・緊張/目の疲れ・かすみ目/鼻づまり・花粉症/不眠・寝つきが悪い
太陽(たいよう)目尻の外側、こめかみのくぼみから少し後方のくぼみ目の疲れ・かすみ目/頭痛・頭が重い/肩こり・首のこわばり/イライラ・気分の落ち込み/めまい・のぼせ
魚腰(ぎょよう)眉毛の上、眉頭の少し内側のくぼみ目の疲れ・かすみ目・充血/頭痛・頭が重い/眼精疲労/緊張・ストレス/鼻づまり
球後(きゅうご)目の下の縁から外側へ指4本分(約1横指半)目の疲れ・かすみ目/眼精疲労/ドライアイ/充血・目の重だるさ/頭痛・肩こり/ストレスによる目の不調
四神聡(ししんそう)頭頂部の正中線上、前後左右に1寸ずつ離れた4点と中央の計5点頭がぼーっとする(思考力の低下)/めまい・耳鳴り/不眠・夢が多い/小児の夜泣き・かんむし/ストレス・倦怠感
牽正(けんせい)耳の前、顎関節のやや下方のくぼみから約1横指下食いしばり・歯ぎしり/あごの痛み・違和感/顎関節の不調/顔のゆがみ・左右差/頭痛・肩こり/ストレスによる緊張
夾承漿(きょうしょうしょう)あごの先端のやや内側、正中線の外側へ約1横指(人差し指)あごの疲れ・こわばり/食いしばり・歯ぎしり/フェイスラインのたるみ/顔のむくみ/頭痛・肩こり/ストレス・緊張
翳明(えいめい)耳たぶのうしろ、下顎のくぼみの後方、乳様突起の下方約1横指目の疲れ・かすみ目/充血・ドライアイ/頭痛・眼精疲労/目の奥の重だるさ/肩こり・首こり/ストレス・イライラ
印堂(いんどう)=両眉の間の中央、眉間の少し上のくぼみ
印堂(いんどう)=両眉の間の中央、眉間の少し上のくぼみ

頸部・背部の奇穴(定喘・巨闕兪・接脊・夾脊・患門)

背部の正中線上に取る奇穴は、棘突起の高さで区別するのがポイントです。定喘=第7頸椎と第1胸椎の間、巨闕兪=第4胸椎棘突起の下縁、接脊=第12胸椎棘突起の下縁と整理しましょう。

穴名取穴部位主な主治・適応
定喘(ていぜん)/別名:治喘第7頸椎と第1胸椎の間のくぼみ(正中線上)。左右対称に1穴ずつ用いる咳・喘息・気管支炎/呼吸困難・息苦しさ/胸の圧迫感/喉の違和感/鼻づまり/アレルギー性の咳
巨闕兪(こけつゆ)第4胸椎棘突起の高さで、正中線上の棘突起の下縁のくぼみ。左右対称に1穴ずつ用いる胸の痛み・圧迫感/咳・息苦しさ/肩・背中のこり/疲労回復・だるさ/自律神経の調整/呼吸の浅さ・息苦しさ
接脊(せっせき)/別名:接骨第12胸椎棘突起の高さで、正中線上の棘突起の下縁のくぼみ。左右対称に1穴ずつ用いる背中のこり・痛み/肩こり・腰痛/疲労回復・だるさ/姿勢の改善・体のゆがみ/自律神経の乱れ/呼吸が浅い・息苦しさ
夾脊(きょうせき)/別名:華佗夾脊背骨(正中線)の両側、上下に並ぶ凹みの中にあるツボの列。左右対称に上下に複数のツボがある背中のこり・痛み/肩こり・腰痛/疲労回復・だるさ/自律神経の乱れ/呼吸が浅い・息苦しさ/内臓の不調に伴う背部の不快感
患門(かんもん)背部の上部、肩甲骨の内側縁にある左右のツボの間(左右2か所にある)背中のだるさ・重だるさ/肩こり・背部の張り/疲労感・倦怠感/呼吸の浅さ/ストレス・緊張の緩和
定喘(ていぜん)=第7頸椎と第1胸椎の間のくぼみ(正中線上)
定喘(ていぜん)=第7頸椎と第1胸椎の間のくぼみ(正中線上)

腰部の奇穴(痞根・腰眼・下極兪・十七椎)

腰部の奇穴は「何番目の腰椎か」と「正中線上か3.5寸外側か」の組み合わせで整理します。

穴名取穴部位主な主治・適応
痞根(ひこん)第3腰椎棘突起の高さで、正中線から左右に約3.5寸(指4本分)外側。左右対称に1穴ずつ腰痛・ぎっくり腰/腰の張り・重だるさ/坐骨神経痛・下肢のしびれ/骨盤まわりのだるさ/冷え・むくみ/疲労回復・体力低下
腰眼(ようがん)第4腰椎棘突起の高さで、正中線から左右に約3.5寸(指4本分)外側。左右対称に1穴ずつ腰痛・ぎっくり腰/坐骨神経痛・下肢のしびれ/下肢のだるさ・重だるさ/腰の張り・こり/歩行時の痛み・不快感/冷え・むくみ
下極兪(げきょくゆ)第3腰椎棘突起の高さで、正中線上。左右対称に1穴ずつ腰痛・ぎっくり腰/坐骨神経痛・下肢のしびれ/下肢のだるさ・重だるさ/冷え・むくみ/腰の張り・こり/歩行時の痛み・不快感
十七椎(じゅうななつい)/別名:上仙腰の正中線上、第5腰椎棘突起の下縁のくぼみの中央。左右はなく1穴で用いる腰痛・腰の重だるさ/坐骨神経痛/下肢のしびれ・痛み/疲労回復・倦怠感/生理痛・月経不順/冷え・むくみ
痞根(ひこん)=第3腰椎棘突起の高さで、正中線から左右に約3.5寸(指4本分)外側
痞根(ひこん)=第3腰椎棘突起の高さで、正中線から左右に約3.5寸(指4本分)外側

胸腹部の奇穴(四華・子宮)

穴名取穴部位主な主治・適応
四華(しか)胸の中央、胸骨の上部から下部にかけて縦に並ぶ4か所のツボの間と、その中央(計5か所)。左右はなく1穴で用いる動悸・息切れ・胸のつかえ/不安感・イライラ・ストレス/不眠・神経の高ぶり/胃の不快感・げっぷ・食欲不振/自律神経の乱れ/更年期の不調・ホルモンバランスの乱れ
子宮(しきゅう)下腹部、臍下4寸の高さで、前正中線の外側3寸のところ(左右対称)。左右対称に1穴ずつ月経不順・生理痛/更年期障害/冷え・むくみ/下腹部の張り・痛み/帯下・おりものの異常/不妊症の補助的ケア
子宮(しきゅう)=臍下4寸の高さで、前正中線の外側3寸のところ(左右対称)
子宮(しきゅう)=臍下4寸の高さで、前正中線の外側3寸のところ(左右対称)

上肢・手の奇穴(落枕・腰痛点・四縫・八邪・十宣・肩内陵)

手の甲の第2・第3中手骨の間(やや第3中手骨寄り)に取る穴が2つあります。落枕と腰痛点はスライド上の取り方が同じ表記のため、主治で区別しましょう(落枕=寝違え・首肩、腰痛点=腰や脚の痛み・だるさ)。

穴名取穴部位主な主治・適応
落枕(らくちん)/別名:外労宮手の甲の第2・第3中手骨の間(やや第3中手骨寄り)。左右はなく1穴で用いる寝違え・首の痛み/肩こり・背中の張り/頭痛・こめかみの痛み/腕のだるさ・しびれ/眼精疲労・目のかすみ/ストレス・緊張の緩和
腰痛点(ようつうてん)/別名:腰腿点手の甲の第2・第3中手骨の間(やや第3中手骨寄り)。左右はなく1穴で用いる腰痛・ぎっくり腰/坐骨神経痛・脚のしびれ/膝痛・足のだるさ/歩行時の痛み・重だるさ/下半身の疲労・こり/冷えによる腰や脚の不調
四縫(しほう)手の甲側の4・5指の間(薬指・小指側の4か所)。左右はなく、片手に4か所ある手のこわばり・しびれ/肩こり・首こり/頭痛・めまい/目の疲れ・かすみ目/イライラ・ストレス/自律神経の乱れ
八邪(はちじゃ)手の甲側の4・5指の付け根と指の間(4か所)。左右はなく1穴で用いる頭痛・めまい・目の疲れ・かすみ目/のどの痛み・咽頭の腫れ/歯痛・口内炎/手指のしびれ・痛み/発熱・悪寒・風邪の初期症状/イライラ・不安・ストレス
十宣(じゅっせん)/別名:鬼城・十指端手の指先(爪の生え際の中央、各指の先端)。左右はなく1穴で用いる意識消失・昏厥(気を失う)/けいれん・ひきつけ/高熱・熱中症/中風・脳卒中の初期症状/頭痛・めまい/指先のしびれ・痛み
肩内陵(けんないりょう)/別名:肩前上腕骨頭の下縁から上腕骨外側を下に向かって、その距離の1/2のところ。左右はなく1穴で用いる肩のだるさ・重だるさ/四十肩・五十肩/肩関節周囲炎/上腕の痛み・しびれ/胸の張り・息苦しさ/腕の挙上時の痛み
十宣(じゅっせん)=手の指先、爪の生え際の中央(各指の先端)。意識障害・救急時に用いる
十宣(じゅっせん)=手の指先、爪の生え際の中央(各指の先端)。意識障害・救急時に用いる

下肢・足の奇穴(鶴頂・内膝眼・闌尾・胆嚢点・八風・裏内庭・失眠)

膝まわりの鶴頂と内膝眼は、膝蓋骨の上縁か・内側のくぼみの下縁かで区別します。足底には裏内庭(中央やや上方=胃の反射区)と失眠(中央やや下方=かかとの少し上)が並びます。

穴名取穴部位主な主治・適応
鶴頂(かくちょう)/別名:膝頂膝の前面、膝のお皿(膝蓋骨)の上縁の中央あたり。左右はなく1穴で用いるひざの痛み・腫れ・熱感/変形性膝関節症・関節炎/歩行時の痛み・違和感/スポーツによるひざのトラブル/水がたまる・こわばり/筋肉の緊張・疲労
内膝眼(ないしつがん)膝の内側、膝蓋骨の内側のくぼみの下縁(脛骨の内側)。左右はなく1穴で用いる膝の痛み・腫れ・熱感/変形性膝関節症・関節炎/歩行時の痛み・違和感/スポーツによる膝のトラブル/水がたまる・こわばり/筋肉の緊張・疲労
闌尾(らんび)すねの外側、膝の皿の下から指2本分下のくぼみ。左右はなく1穴で用いる膝の痛み・腫れ/すねの張り・痛み/下肢のしびれ・だるさ/坐骨神経痛/筋肉のこわばり・疲労/スポーツによる痛み・炎症
胆嚢点(たんのうてん)すねの外側、腓骨の前縁の中央付近(骨の出っ張りのすぐ内側)。左右はなく1穴で用いる脇腹の張り・痛み/胸やけ・口の苦み/頭痛・めまい/目の疲れ・かすみ/イライラ・不眠/肩や首のこり
八風(はっぷう)足の指の付け根のくぼみ(左右で4穴、計8穴)風邪のひきはじめ・悪寒・発熱/頭痛・のどの痛み・鼻詰まり/肩こり・首のこわばり/めまい・目の疲れ/身体の重だるさ・関節の痛み
裏内庭(うらないてい)足裏の中央やや上方、足底の胃の反射区。左右はなく1穴で用いる胃もたれ・食欲不振/消化不良・胃痛/吐き気・嘔吐/ストレス・不安・緊張/不眠・イライラ・心の疲れ/体のだるさ・倦怠感
失眠(しつみん)足裏の中央やや下方、かかとの少し上のくぼみ。左右はなく1穴で用いる寝つきが悪い・眠りが浅い/夜中に目が覚める/夢をよく見る/不安・緊張による不眠/心身の疲労・ストレスによる睡眠トラブル
鶴頂(かくちょう)=膝の前面、膝蓋骨の上縁の中央あたり
鶴頂(かくちょう)=膝の前面、膝蓋骨の上縁の中央あたり

脚気八処の穴(かっけはっしょのけつ)|8穴とその部位

“脚気”のさまざまな症状に用いられる、臨床で役立つ8つの奇穴です。主治は脚気で、だるさ・重だるさ/しびれ・痛み/むくみ/冷え・血行不良/疲労感・倦怠感に用いられます。※左右どちらの脚にもあります。

穴名部位
風市膝の外側上方
伏兎大腿部・前面
犢鼻膝蓋骨下外側
外膝眼膝蓋骨下縁の外側陥凹部
足三里脛骨外側・脛の外側部
上巨虚脛骨外側・上部
下巨虚脛骨外側・下部
懸鍾(別名:絶骨)外くるぶし上方・外側
脚気八処の穴=風市・伏兎・犢鼻・外膝眼・足三里・上巨虚・下巨虚・懸鍾(絶骨)の8穴
脚気八処の穴=風市・伏兎・犢鼻・外膝眼・足三里・上巨虚・下巨虚・懸鍾(絶骨)の8穴

中風七穴(ちゅうふうななけつ)|①説・②説の7穴

中風(脳卒中など)や言語障害の予防・治療に用いられる、特別な7つのツボです。主治は中風・言語障害。①説・②説のどちらの組み合わせでも、中風の予防や治療に用いられます。

期待される効果

使い方のポイント…刺激はやさしく心地よい強さで(指で軽く押す、またはお灸・鍼を行う)/1日1〜2回が目安(朝・昼・夕など無理なく続ける)/継続が大切。

構成する7穴
①説百会・曲鬢・肩井・曲池・風市・足三里・懸鍾(別名:絶骨)
②説百会・風池・肩井・大椎・曲池・間使・足三里
中風七穴=中風(脳卒中など)や言語障害の予防・治療に用いる7つのツボ(①説・②説がある)
中風七穴=中風(脳卒中など)や言語障害の予防・治療に用いる7つのツボ(①説・②説がある)

六つ灸・小児斜差の灸|背部兪穴を使う灸穴

どちらも膈兪・肝兪・脾兪といった背部のツボ(外側1.5寸)を用いる灸穴です。取る穴数と対象がまったく異なるので、セットで覚えます。

六つ灸(むつきゅう)/別名:六華の灸(ろっかのきゅう)・胃の六つ灸
膈兪・肝兪・脾兪の左右で計6穴。主治は胃疾患(胃痛・胃もたれ/食欲不振・消化不良/胃酸過多・げっぷ/腹部膨満感/嘔気・嘔吐/胃炎・胃下垂 など)。胃に関連する経絡の要穴を左右対称に配穴した実用的な奇穴で、古くからお灸でよく使われています。温灸がおすすめです。

小児斜差の灸(しょうにすじかいのきゅう)/別名:小児すじかい灸・小児すじちがいの灸・小児しやさの灸
男児は左の肝兪+右の脾兪の2穴、女児は右の肝兪+左の脾兪の2穴(※左右をよく確認して取穴します)。主治は小児疾患(特に宿の虫)。脊柱を越えて斜めに取る、小児疾患に有効な施灸点です。2〜3歳の小児常用の灸穴として有名で、体力が未熟である小児のさまざまな不調に用いられます。温灸を用い、熱さに注意しながら施灸します。

背部のツボ取穴部位六つ灸小児斜差の灸
膈兪(かくゆ)第7胸椎棘突起下 外側1.5寸左右で使用使用しない
肝兪(かんゆ)第9胸椎棘突起下 外側1.5寸左右で使用男児=左/女児=右
脾兪(ひゆ)第11胸椎棘突起下 外側1.5寸左右で使用男児=右/女児=左
合計穴数計6穴計2穴
小児斜差の灸=男児は左の肝兪+右の脾兪、女児は右の肝兪+左の脾兪。脊柱を越えて斜めに取穴する
小児斜差の灸=男児は左の肝兪+右の脾兪、女児は右の肝兪+左の脾兪。脊柱を越えて斜めに取穴する

取穴の目安(寸法・骨指標)のまとめ

目安となる寸法・指標該当する奇穴
正中線から3.5寸(指4本分)外側痞根(第3腰椎棘突起の高さ)/腰眼(第4腰椎棘突起の高さ)
正中線上(棘突起の下縁・くぼみ)定喘(第7頸椎と第1胸椎の間)/巨闕兪(第4胸椎棘突起の下縁)/接脊(第12胸椎棘突起の下縁)/下極兪(第3腰椎棘突起の高さ)/十七椎(第5腰椎棘突起の下縁の中央)
外側1.5寸膈兪(第7胸椎棘突起下)・肝兪(第9胸椎棘突起下)・脾兪(第11胸椎棘突起下)=六つ灸/小児斜差の灸で用いる
前正中線の外側3寸子宮(臍下4寸の高さ)
1寸四神聡(頭頂部の正中線上、前後左右に1寸ずつの4点+中央の計5点)
約1横指牽正(顎関節のやや下方のくぼみから約1横指下)/夾承漿(正中線の外側へ約1横指)/翳明(乳様突起の下方約1横指)
指2本分闌尾(膝の皿の下から指2本分下のくぼみ)
指4本分(約1横指半)球後(目の下の縁から外側へ)
距離の1/2肩内陵(上腕骨頭の下縁から上腕骨外側を下に向かって、その距離の1/2)
中手骨の間落枕・腰痛点(手の甲の第2・第3中手骨の間、やや第3中手骨寄り)

主治から引く奇穴の早見表

症状・目的用いる奇穴
脚気脚気八処の穴(風市・伏兎・犢鼻・外膝眼・足三里・上巨虚・下巨虚・懸鍾)
中風・言語障害中風七穴
胃疾患六つ灸(膈兪・肝兪・脾兪の左右計6穴)/裏内庭/四華
小児疾患(特に宿の虫)小児斜差の灸/四神聡(小児の夜泣き・かんむし)
意識障害・救急(昏厥・けいれん・高熱)十宣
不眠・睡眠トラブル失眠/印堂/四神聡/四華
目の疲れ・眼精疲労球後/翳明/太陽/魚腰/印堂
腰痛・下肢のしびれ痞根/腰眼/下極兪/十七椎/腰痛点
膝の痛み・炎症鶴頂/内膝眼/闌尾
咳・喘息・呼吸の不調定喘/巨闕兪
風邪の初期症状八風/八邪
寝違え・肩や背中のこり落枕/患門/夾脊
あご・顎関節の不調牽正/夾承漿
婦人科系の不調子宮/十七椎
四十肩・五十肩(肩関節周囲炎)肩内陵
胆のうの不調・脇腹の張り胆嚢点
六つ灸=膈兪・肝兪・脾兪の左右で計6穴。主治は胃疾患
六つ灸=膈兪・肝兪・脾兪の左右で計6穴。主治は胃疾患
国試ポイント
① 脚気八処の穴は「風市・伏兎・犢鼻・外膝眼・足三里・上巨虚・下巨虚・懸鍾(絶骨)」の8穴で、主治は脚気。WHO/WPROの標準化では従来の外膝眼が犢鼻となっている点に注意する。
② 中風七穴には2説あり、①百会・曲鬢・肩井・曲池・風市・足三里・懸鍾(絶骨)、②百会・風池・肩井・大椎・曲池・間使・足三里。主治は中風・言語障害で、どちらの組み合わせでも中風の予防・治療に用いる。
③ 小児斜差の灸は男児=左の肝兪+右の脾兪、女児=右の肝兪+左の脾兪の2穴(脊柱を越えて斜めに取穴)で主治は小児疾患(特に宿の虫)。六つ灸(六華の灸・胃の六つ灸)は膈兪・肝兪・脾兪の左右で計6穴、主治は胃疾患。両者とも背部兪穴は外側1.5寸。
④ 腰部で正中線から3.5寸外側は痞根(第3腰椎棘突起の高さ)と腰眼(第4腰椎棘突起の高さ)。正中線上は下極兪(第3腰椎の高さ)・十七椎(第5腰椎棘突起の下縁)・接脊(第12胸椎棘突起の下縁)・巨闕兪(第4胸椎棘突起の下縁)・定喘(第7頸椎と第1胸椎の間)と、椎骨の高さで整理する。
📖 奇穴をスライドで学ぶ(国試辞書) 図解スライドでサクッと復習