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血友病の病態・遺伝形式・症状・診断・治療けつゆうびょう

血友病は、先天性に血液凝固因子が欠乏して出血しやすくなる疾患です。第VIII因子欠乏を血友病A、第IX因子欠乏を血友病Bと呼び、いずれもX連鎖劣性遺伝のため男性に発症しやすいのが特徴です。関節内出血などの深部出血をきたし、検査ではAPTTが延長します。

血友病|血友病 1
読み方けつゆうびょう
分類先天性凝固因子欠乏症(出血性素因)
欠乏因子血友病A=第VIII因子/血友病B=第IX因子
遺伝形式X連鎖劣性遺伝(男性に発症しやすい)
好発男性(女性は保因者になりやすい)
主な症状関節内出血・筋肉内出血などの深部出血、血尿、頭蓋内出血
検査・診断APTT延長、PT・血小板数・出血時間は正常
治療不足した凝固因子の補充(凝固因子製剤)

血友病とは? ─ 凝固因子が足りず出血しやすい

血友病は、先天性に血液凝固因子が欠乏・低下することで、血が止まりにくくなる(止血障害)疾患です。関与する凝固因子は第VIII因子第IX因子で、どちらかが不足することで血栓(フィブリン)をつくる働きが弱まり、出血傾向をきたします。

血友病=先天性の凝固因子欠乏で出血しやすい
血友病=先天性の凝固因子欠乏で出血しやすい

血友病Aと血友病Bの違い

血友病は欠乏する凝固因子の種類によってABに分けられます。名前と因子番号を確実に結びつけておきましょう。

頻度としては血友病Aのほうが多く、血友病Bの約5倍とされます(2013年度全国調査:A=4,761名、B=1,008名)。

病型欠乏する凝固因子頻度
血友病A第VIII因子多い(Bの約5倍)
血友病B第IX因子Aより少ない
血友病A=第VIII因子欠乏、B=第IX因子欠乏
血友病A=第VIII因子欠乏、B=第IX因子欠乏

遺伝形式 ─ X連鎖劣性遺伝で男性に発症しやすい

血友病の原因はX染色体上の遺伝子異常で、遺伝形式はX連鎖劣性(伴性劣性)遺伝です。男性はX染色体が1本しかないため、異常があるとそのまま発症しやすくなります。

X連鎖劣性遺伝。男性に発症、女性は保因者になりやすい
X連鎖劣性遺伝。男性に発症、女性は保因者になりやすい

内因系凝固反応と重症度分類

第VIII因子・第IX因子は内因系凝固反応で働く重要な因子です。これらの活性が低下すると凝固カスケードが進まず、止血障害が起こります。

重症度は残っている凝固因子の活性(%)で分類されます。

重症度凝固因子活性
重症1%以下
中等症1〜5%
軽症5〜25%
因子活性による重症度分類
因子活性による重症度分類

症状 ─ 深部出血が特徴

血友病では、皮膚の浅い出血よりも深部出血が特徴的です。重症例では乳幼児期から出血症状がみられます。

一方で軽症例では、普段は症状が少なく、抜歯や外傷をきっかけに止血しにくいことで気づかれることもあります。

関節内・筋肉内・頭蓋内などの深部出血
関節内・筋肉内・頭蓋内などの深部出血

診断と治療

血友病では内因系の異常を反映してAPTTが延長します。一方で外因系や血小板系の検査は正常です。

治療は不足している凝固因子の補充(凝固因子製剤)が基本で、適切な治療により予後は良好です。

検査結果
APTT延長
PT正常
血小板数正常
出血時間正常
APTT延長・凝固因子補充が治療の基本
APTT延長・凝固因子補充が治療の基本
国試ポイント
① 血友病A=第VIII因子欠乏、血友病B=第IX因子欠乏。血友病Aのほうが多い。
② 遺伝形式はX連鎖劣性遺伝で、男性に発症しやすく女性は保因者になりやすい。
③ 第VIII・第IX因子は内因系凝固因子。異常により内因系が障害される。
④ 特徴的な症状は関節内出血・筋肉内出血などの深部出血。
⑤ 検査ではAPTTが延長するが、PT・血小板数・出血時間は正常。
⑥ 治療は不足した凝固因子の補充(凝固因子製剤)。
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