血液型とは、赤血球膜にある抗原の違いによる分類で、合わない血液を混ぜると赤血球どうしが塊を作る凝集反応が起こります。凝集した赤血球は溶血したり細い血管を詰まらせ、悪心・ショックなどの副作用を招きます。国試ではABO式(抗原と抗体の組み合わせ)、輸血と交叉適合試験、Rh式と第2子以降のRh不適合妊娠が繰り返し問われます。
| 読み方 | けつえきがたとぎょうしゅうはんのう |
|---|---|
| 定義 | 赤血球膜の抗原の違いによる血液の分類。抗原と抗体が反応すると赤血球が凝集する |
| 抗原のある場所 | 赤血球膜(A抗原・B抗原・Rh因子) |
| 抗体のある場所 | 血清中(抗A抗体α・抗B抗体β・抗Rh抗体) |
| 凝集が起こる組み合わせ | A抗原+抗A抗体、B抗原+抗B抗体 |
| 輸血の原則 | 原則として同型輸血。輸血前に交叉適合試験で凝集反応の有無を確認する |
| Rh式の数値 | 日本人の約99.6%がRh陽性(Rh+) |
| ABO式の遺伝子型 | A型=AA・AO/B型=BB・BO/AB型=AB/O型=OO |
| 国試での狙われ方 | 各血液型の抗原と抗体の対応、交叉適合試験の目的、Rh不適合妊娠は第2子以降 |
異なる血液型の血液を混ぜると、赤血球どうしがくっついて塊を作ることがあります。これを赤血球の凝集反応といいます。凝集した赤血球は溶血したり、細い血管を詰まらせたりし、その結果悪心・ショック症状などの副作用が起こることがあります。
輸血で問題になるのは、抗原と抗体が反応して赤血球が凝集することです。
ABO式血液型は、赤血球膜にあるA抗原・B抗原の有無で決まります。抗原は赤血球膜、抗体は血清中にあるのが最大のポイントです。A型の人はB抗原を攻撃する抗体を、B型の人はA抗原を攻撃する抗体を持ちます。AB型は抗A・抗B抗体を持たず、O型は両方を持ちます。
覚え方は「AはBを嫌う、BはAを嫌う、ABは誰も嫌わない、OはAもBも嫌う」です。
| 血液型 | 赤血球の抗原 | 血清中の抗体 |
|---|---|---|
| A型 | A抗原 | 抗B抗体β |
| B型 | B抗原 | 抗A抗体α |
| AB型 | A抗原・B抗原 | なし |
| O型 | なし | 抗A抗体α・抗B抗体β |
凝集は、A抗原+抗A抗体、またはB抗原+抗B抗体の組み合わせで起こります。そのため輸血では原則として同型輸血(A型→A型、B型→B型、AB型→AB型、O型→O型)を行います。
ただし同じ血液型どうしでも副作用が起こることがあるため、輸血前には必ず交叉適合試験を行います。交叉適合試験では供血者と受血者の血液を混ぜ、凝集反応が起こらないかを確認します。凝集あり=不適合、凝集なし=適合です。
| 組み合わせ | 結果 |
|---|---|
| A抗原+抗A抗体 | 凝集する |
| B抗原+抗B抗体 | 凝集する |
| 同型輸血 | 原則として凝集しない(ただし交叉適合試験は必須) |
ABO式血液型にはA・B・Oの3種類の遺伝子が関係します。AとBはOに対して優性で、AとBの間には優劣がない(共優性)ため、AとBがそろうとAB型になります。表現型が同じA型でも、遺伝子型はAAとAOの2通りある点に注意します。
| 型 | 遺伝子型 |
|---|---|
| A型 | AA・AO |
| B型 | BB・BO |
| AB型 | AB |
| O型 | OO |
Rh因子は赤血球膜にある抗原です。Rh因子を持つ人をRh陽性(Rh+)、持たない人をRh陰性(Rh−)といい、日本人では約99.6%がRh陽性です。
ABO式と違い、Rh因子に対する抗体はふつう血液中には存在しません。しかしRh−の人にRh+の血液が入ると抗Rh抗体が作られ、2回目以降にRh+の血液が入ったときに抗Rh抗体が反応して赤血球の凝集反応を起こすことがあります。つまりRh式は2回目以降の輸血で問題になります。
母親がRh−、父親がRh+の場合、胎児がRh+になる可能性が高くなります。問題になるのはRh−の母×Rh+の胎児の組み合わせです。
「第1子で抗体ができ、第2子以降で反応する」と覚えます。