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腎盂腎炎の病態・分類・症状・診断・治療じんうじんえん

腎盂腎炎は、細菌感染によって腎盂・腎杯・腎間質に炎症が起こる疾患です。急性腎盂腎炎は膀胱からの上行性(逆行性)感染が多く、発熱・腰痛・叩打痛・膿尿が特徴的な症状として現れます。一方慢性腎盂腎炎は感染や尿の逆流をくり返すことで腎間質の線維化が進み、徐々に腎機能が低下していく点が国試でも重要なポイントです。

腎盂腎炎|腎盂腎炎 1
読み方じんうじんえん
分類急性腎盂腎炎・慢性腎盂腎炎
起炎菌大腸菌が最多
感染経路膀胱からの上行性(逆行性)感染が多い
好発若年女性・小児男児・高齢男性
主症状(急性)発熱(悪寒戦慄)・腰痛・叩打痛・膿尿
検査所見尿中白血球増加・CRP陽性・赤沈亢進、尿培養10⁵CFU/mL以上
治療急性=抗菌薬(ペニシリン系・セフェム系)+安静・水分/慢性=原因疾患の治療
予後急性は良好、慢性は腎機能低下・慢性腎不全に注意

腎盂腎炎とは?病態と分類

腎盂腎炎は、大腸菌などの細菌感染によって腎盂・腎杯・腎間質に炎症が起こる疾患です。感染の経過によって「急性腎盂腎炎」と「慢性腎盂腎炎」の2つに分類されます。

腎盂腎炎は細菌感染により腎盂・腎杯・腎間質に炎症が起こる疾患。急性腎盂腎炎と慢性腎盂腎炎に分類される
腎盂腎炎は細菌感染により腎盂・腎杯・腎間質に炎症が起こる疾患。急性腎盂腎炎と慢性腎盂腎炎に分類される

疫学-どんな人に多い?

腎盂腎炎は小児男児・若年女性・高齢男性に多くみられます。特に若年女性は尿道が短いため、細菌が尿道から膀胱を経て腎臓へと上行する「上行性感染(逆行性感染)」が起こりやすいことが知られています。

原因-急性と慢性の違い

急性と慢性では炎症が起こるしくみが異なります。それぞれの原因・誘因を整理しておきましょう。

急性腎盂腎炎慢性腎盂腎炎
主な原因多くは膀胱からの上行性(逆行性)感染膀胱尿管逆流・腎盂内逆流・結石など
起炎菌大腸菌が多い(基礎疾患による反復感染)
誘因小児:尿路奇形/高齢男性:前立腺肥大/若年女性:性活動・妊娠尿路閉塞・結石・膀胱尿管逆流・前立腺肥大などの基礎疾患
慢性化すると腎間質の線維化・腎表面の凹凸が生じる
急性腎盂腎炎は膀胱内の細菌(主に大腸菌)が腎盂へ逆行性感染することで起こる
急性腎盂腎炎は膀胱内の細菌(主に大腸菌)が腎盂へ逆行性感染することで起こる

症状-発熱・腰痛・叩打痛・膿尿

国試では急性腎盂腎炎の症状の組み合わせがよく問われます。慢性腎盂腎炎は無症状のことが多い点も押さえておきましょう。

急性腎盂腎炎慢性腎盂腎炎
発熱悪寒戦慄を伴う38℃以上の高熱活動期に微熱が出ることがある
腰痛・叩打痛あり(重要な所見)目立たないことが多い
尿所見混濁尿・膿尿特有の所見に乏しい
その他無症状のことが多い、食欲不振・全身倦怠感
急性腎盂腎炎は「発熱・腰痛・叩打痛・膿尿」をセットで覚えるのが国試のポイント
急性腎盂腎炎は「発熱・腰痛・叩打痛・膿尿」をセットで覚えるのが国試のポイント

治療-急性は抗菌薬、慢性は原因治療

急性腎盂腎炎は安静・水分補給・抗菌薬による治療が基本です。抗菌薬は第一選択としてペニシリン系・セフェム系を1〜2週間程度継続し、無効な場合はアミノグリコシド系・クロラムフェニコール・テトラサイクリン系などが用いられます。

慢性腎盂腎炎では、尿路閉塞・結石・膀胱尿管逆流・前立腺肥大といった原因疾患を見つけて治療することが重要になります。

経過・予後と国試ポイント

急性腎盂腎炎は適切な治療を行えば経過は良好で、早期治療によりしっかり回復します。一方、慢性腎盂腎炎は進行すると腎機能が低下し、慢性腎不全の原因になることがあるため注意が必要です。

国試ポイント
① 腎盂腎炎は細菌感染による腎盂・腎杯・腎間質の炎症で、経過により急性腎盂腎炎と慢性腎盂腎炎に分類される
② 急性腎盂腎炎は多くが膀胱からの上行性(逆行性)感染で、起炎菌は大腸菌が多い
③ 好発は若年女性・小児男児・高齢男性。若年女性は尿道が短く上行性感染を起こしやすい
④ 急性の重要症状は「発熱・腰痛・叩打痛・膿尿」の組み合わせ。38℃以上の高熱・悪寒戦慄・叩打痛が国試のキーワード
⑤ 検査所見は尿中白血球増加・CRP陽性・赤沈亢進、尿培養で10⁵CFU/mL以上の細菌検出
⑥ 治療は急性が抗菌薬(第一選択はペニシリン系・セフェム系)1〜2週間+安静、慢性は尿路閉塞・結石・膀胱尿管逆流・前立腺肥大など原因疾患の治療が中心。慢性は放置すると腎機能低下・慢性腎不全のリスクがある
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