肩こりとは、肩のこり・張り・こわばり・重圧感・痛みなどを訴える症状のことです。病態生理は僧帽筋を中心とした肩甲帯筋群に生じる持続的な筋緊張・うっ血・浮腫で、この3語が国試の頻出キーワードになります。原因は整形外科的疾患だけでなく内科・精神科・眼科・耳鼻科など多岐にわたり、頸髄腫瘍・後頭蓋窩腫瘍のような重篤な疾患が隠れることもあるため鑑別が重要です。
| 読み方 | かたこり |
|---|---|
| 分野 | 臨床医学総論(主要症候) |
| 定義 | 肩のこり・張り・こわばり・重圧感・痛みなどを訴えるもの |
| 病態生理 | 僧帽筋を中心とした肩甲帯筋群の持続的な筋緊張・うっ血・浮腫 |
| 主な責任筋 | 僧帽筋(ほか肩甲挙筋・菱形筋など肩甲帯筋群) |
| 主な原因 | 頸椎疾患/五十肩/頸肩腕症候群/頸髄・後頭蓋窩腫瘍/姿勢異常/過労/頭痛/心身症/心循環器・消化器・眼科耳鼻科疾患 |
| 鑑別の要点 | 頸椎疾患と胸郭出口症候群の鑑別 |
| 検査 | 頸椎X線検査、頸椎CT検査 |
| 治療 | 原因疾患の治療(手術含む)/湿布薬・消炎鎮痛薬/理学療法(指圧・マッサージ・運動療法) |
肩こりは、肩のこり・張り・こわばり・重圧感・痛みなどを訴えるものと定義されます。単一の疾患名ではなく「症候(主訴)」であり、背後にある原因疾患を突き止めることが臨床でも国試でも問われます。
「筋緊張・うっ血・浮腫」の3点セットは穴埋めで狙われるので、順序ごと覚えておくと安全です。
教科書(表10-14)では、肩こりの原因疾患が次の11項目に整理されています。整形外科的なものだけでなく、内科・精神科・眼科・耳鼻科まで広く含まれる点が最大のポイントです。
| № | 分類・原因疾患 | 補足 |
|---|---|---|
| 1 | 頸椎の疾患 | 変形性頸椎症・椎間板ヘルニア・後縦靱帯骨化症・頸椎管狭窄症 |
| 2 | いわゆる五十肩 | 正式名は肩関節周囲炎 |
| 3 | 頸肩腕症候群 | 頸・肩・腕にかけての愁訴の総称 |
| 4 | 頸髄腫瘍・後頭蓋窩腫瘍 | 見逃してはならない重篤な原因 |
| 5 | 姿勢異常 | デスクワーク・前傾姿勢など |
| 6 | 過労 | 筋の使いすぎ・疲労蓄積 |
| 7 | 頭痛 | 緊張型頭痛・高血圧に伴うもの |
| 8 | 心身症 | とくに抑うつ状態 |
| 9 | 心循環器系疾患 | 狭心症・心筋梗塞などの関連痛にも注意 |
| 10 | 消化器系疾患 | 胃・肝胆道疾患など |
| 11 | 眼科・耳鼻科的疾患 | 眼精疲労・屈折異常など |
肩こりの鑑別で最重要なのが頸椎疾患と胸郭出口症候群の見分けです。画像検査としては頸椎X線検査と頸椎CT検査が用いられます。
鑑別のポイントは次のとおりです。
「頸椎疾患=脊髄・神経」「胸郭出口症候群=血管・神経」という対比で押さえると混同しません。
治療は原因疾患の治療が最優先で、その上で症状緩和と理学療法を組み合わせます。
あん摩マッサージ指圧・はり灸の適応となるのは主に③の領域ですが、まず器質的疾患を除外する視点が求められます。
出題は「病態生理の語句」「原因疾患の分類」「鑑別」「治療の優先順位」に集中します。