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褐色細胞腫
褐色細胞腫の病態・症状・診断・治療かっしょくさいぼうしゅ
褐色細胞腫は、副腎髄質や傍神経節(交感神経節)から発生し、カテコールアミン(アドレナリン・ノルアドレナリン・ドパミン)を大量に分泌する腫瘍 です。カテコールアミン過剰により発作性の高血圧・頭痛・動悸・発汗・高血糖 などをきたし、「10%病」とも呼ばれる特徴があります。国試では症状(5H)と尿中VMA・メタネフリンによる診断がよく問われます。
読み方 かっしょくさいぼうしゅ(褐色細胞腫)
分類 内分泌疾患/カテコールアミン産生腫瘍
発生部位 副腎髄質(約80〜90%)・傍神経節(交感神経節)
好発 高血圧患者の0.1〜0.6%・男女差なし・30〜50歳代に多い
主な症状 発作性高血圧・頭痛・動悸/頻脈・発汗・高血糖(代謝亢進)
検査・診断 血中/尿中カテコールアミン↑・尿中メタネフリン/ノルメタネフリン・VMA↑、CT・MRI・MIBGシンチグラフィ
治療 腫瘍摘出術(術前は降圧薬で血圧管理)
予後 早期診断・切除で良好。悪性例・遠隔転移例は予後不良
褐色細胞腫とは(病態)
褐色細胞腫は、副腎髄質 や交感神経に沿った傍神経節 から発生する腫瘍で、カテコールアミン(アドレナリン・ノルアドレナリン・ドパミン)を大量に分泌 します。カテコールアミンが過剰になることで、交感神経が持続的・発作的に刺激され、全身にさまざまな症状が現れます。
発生部位 :副腎髄質が大多数(約80〜90%)。残りは腹部大動脈周囲などの傍神経節(交感神経の近く)。分泌されるホルモン :アドレナリン・ノルアドレナリン・ドパミン(=カテコールアミン)。特徴的サイン :高血圧発作・動悸/頻脈・頭痛/発汗・不安/緊張・顔面紅潮など発作性の交感神経症状。
副腎髄質・傍神経節から発生しカテコールアミンを大量分泌する腫瘍
疫学(頻度・好発)
まれな腫瘍ですが、二次性高血圧の原因として重要です。
頻度 :高血圧患者のうち0.1〜0.6% にみられる。性差 :男女差なし 。好発年齢 :30〜50歳代 に多い。血圧が高い人(とくに若年〜中年で発作性の高血圧を示す人)では、原因として褐色細胞腫を疑うことが大切です。
高血圧患者の0.1〜0.6%・男女差なし・30〜50歳代に多い
高血圧が起こるしくみと臓器障害
カテコールアミンの過剰分泌が交感神経を強く刺激することで高血圧が生じます。流れは以下のとおりです。
カテコールアミン過剰 → 交感神経刺激 → 血管収縮 (末梢血管抵抗↑で血圧上昇) → 頻脈・心拍出量↑ → 高血圧 (発作性に著明な血圧上昇) 持続する高血圧により、次のような臓器障害を合併します。
高血圧性網膜症 (眼底の障害)心筋障害 (心臓への負担)腎機能障害
カテコールアミン過剰→交感神経刺激→血管収縮・頻脈・高血圧
主な症状(5H)とその他の症状
褐色細胞腫の症状は、頭文字がHで揃うものが多く「5H」 として整理されます。
高血圧 (Hypertension)頭痛 (Headache)発汗 (Hyperhidrosis)高血糖 (Hyperglycemia)代謝亢進 (Hypermetabolism)あわせて頻脈・動悸 もよくみられます。高血糖・耐糖能異常は、カテコールアミンが肝臓に作用して糖放出を増やし、さらにインスリン抵抗性を高めるために起こります。
そのほかにみられる症状:
顔面蒼白・四肢冷感(末梢血管収縮による) 手指振戦 やせ・体重減少 腹痛・悪心/嘔吐
高血圧・頭痛・発汗・高血糖・代謝亢進・頻脈(褐色細胞腫の主症状)
診断のポイント(検査)
発作性の高血圧・頭痛・発汗といった症状がヒントになります。確定にはカテコールアミンとその代謝産物を調べます。
血中カテコールアミン↑ (アドレナリン・ノルアドレナリン・ドパミン)尿中カテコールアミン↑ 尿中代謝産物 :メタネフリン・ノルメタネフリン・VMA(バニリルマンデル酸)↑ 画像検査で腫瘍の局在を確認します。
CT・MRI :副腎や傍神経節の腫瘍を描出MIBGシンチグラフィ :カテコールアミン産生腫瘍に集積し、位置や転移巣を確認
血中・尿中カテコールアミン↑、尿中メタネフリン・ノルメタネフリン・VMA↑
治療と予後
治療の基本は腫瘍の摘出術 です。ただし手術中の血圧変動を防ぐため、術前の準備が重要です。
腫瘍摘出術 :根治的治療。降圧薬による術前管理 :術前の血圧コントロール、合併症予防、安全な手術のため。予後 :早期に診断・切除できれば良好で、正常な生活に戻れます。一方で注意が必要なケースもあります。
再発(定期的な検査が必要) 遠隔転移(悪性例) 悪性高血圧・高血圧クリーゼ 悪性例では予後不良
腫瘍摘出+術前降圧薬。早期診断で予後良好、悪性例は予後不良
国試ポイント
① 褐色細胞腫は副腎髄質・傍神経節から発生し、カテコールアミン(アドレナリン・ノルアドレナリン・ドパミン)を大量分泌する腫瘍。
② 代表症状は5H:高血圧・頭痛・発汗・高血糖・代謝亢進。動悸/頻脈も伴う。
③ 高血圧発作は発作性で、カテコールアミン過剰→交感神経刺激→血管収縮・頻脈で生じる。
④ 診断は尿中カテコールアミンと代謝産物(メタネフリン・ノルメタネフリン・VMA)の上昇が重要。
⑤ 局在診断にはCT・MRIとMIBGシンチグラフィを用いる。
⑥ 治療は腫瘍摘出術。術前は降圧薬で血圧を管理する。悪性・転移例は予後不良。
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