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関節リウマチのリハビリテーション(病態・評価・変形・病期分類)かんせつりうまちのりはびり

関節リウマチ(RA)は、関節滑膜の炎症を主体とし、増悪と寛解をくり返しながら関節破壊・変形が進行する自己免疫疾患です。関節だけでなく全身症状・関節外症状を伴う「全身の病気」であり、リハビリでは炎症所見・ROM・筋力(握力)・ADL・活動性を多面的に評価します。ここでは病態の進行から診断基準、代表的変形、Steinbrocker病期分類までを国試向けに整理します。

関節リウマチのリハビリ|関節リウマチのリハビリ 1
読み方かんせつりうまちのりはびり(RA: rheumatoid arthritis)
主な病態関節滑膜の炎症(滑膜炎)を主体とする自己免疫疾患
経過の特徴増悪と寛解をくり返し、関節破壊・変形が進行する
進行の順序滑膜炎 → パンヌス形成 → 軟骨破壊 → 骨破壊・変形(強直・脱臼)
診断基準ACR/EULAR 2010分類基準:関節数・血清学的検査・炎症反応・症状持続期間の合計6点以上
主な評価項目炎症所見(腫脹・疼痛・発赤・朝のこわばり)、ROM、筋力/握力、ADL、活動性・QOL
代表的変形尺側偏位・スワンネック変形・ボタン穴変形・母指Z変形・手関節掌側脱臼・膝外反・外反扁平足・外反母趾・環軸関節亜脱臼
分類Steinbrocker病期分類 I〜IV(X線的進行度)/機能分類 Class I〜IV
禁忌・注意点炎症の強い時期の過度な運動負荷は禁物。ROM測定・訓練は疼痛自制内で行い無理をしない。環軸関節亜脱臼では頸部の過度な前屈・急激な操作を避ける

関節リウマチ(RA)とは:病態と進行

関節リウマチは自己免疫異常により関節滑膜に炎症が起こる疾患です。滑膜炎から始まり、炎症が持続すると滑膜が増殖してパンヌスを形成し、これが軟骨を侵食して軟骨破壊、さらに骨破壊・変形へと進行します。進行例では強直や脱臼を生じ、関節が動きにくくなり日常生活に大きく影響します。

だからこそ早期対応が重要で、炎症が続くほど機能障害は大きくなります。

段階起こっていること
① 滑膜炎滑膜が炎症を起こし腫れている状態
② パンヌス形成炎症が続き、滑膜が増殖してパンヌスを形成
③ 軟骨破壊パンヌスが軟骨を侵食し軟骨がすり減る
④ 骨破壊・変形骨が破壊され、関節の変形やぐらつきが生じる
RAの進行:滑膜炎からパンヌス形成・軟骨破壊・骨破壊へ
RAの進行:滑膜炎からパンヌス形成・軟骨破壊・骨破壊へ

診断基準と病期・機能分類

現在はACR/EULAR 2010分類基準が用いられ、4項目をスコア化して合計6点以上でRAと判定します。旧ACR基準(1987年)の朝のこわばり・関節腫脹・RF(リウマトイド因子)・X線所見も国試では狙われます。

重症度は、X線所見に基づくSteinbrocker病期分類(Stage I〜IV)と、日常生活動作の自立度による機能分類(Class I〜IV)の2本立てで把握します。両者を混同しないことが引っかけポイントです。

分類段階
Steinbrocker 病期分類X線的な関節破壊の進行度Stage I〜IV
機能分類(Class)ADL・職業活動の自立度Class I〜IV
ACR/EULAR 2010診断(分類)のためのスコア合計6点以上でRA
RAの診断基準:ACR/EULAR 2010で合計6点以上
RAの診断基準:ACR/EULAR 2010で合計6点以上

炎症所見と関節可動域(ROM)の評価

リハビリの出発点は炎症の活動性を見きわめることです。炎症所見は活動性の高さを示す手がかりであり、とくに朝のこわばりは重要な指標です(持続時間が長いほど活動性が高い)。

ROM評価では、痛みや炎症、関節破壊の影響を正しく見極めます。疼痛の自制内で、無理をしないのが大原則で、無理な測定はNGです。可動域制限だけでなく腱・関節の破壊の有無も確認します。ROMは日常生活動作に直結するため、早期把握が大切です。

評価みるポイント注意
炎症所見腫脹・疼痛・発赤・朝のこわばり朝のこわばりの持続時間が活動性の目安
ROM可動域制限、腱・関節破壊の有無疼痛自制内・無理な他動運動はしない
意義ADLに直結、早期把握が重要炎症期の過負荷は関節破壊を助長
炎症所見の評価:腫脹・疼痛・発赤・朝のこわばり
炎症所見の評価:腫脹・疼痛・発赤・朝のこわばり

RAの代表的な変形

RAでは手指に始まり、手関節・膝・足部・頸椎まで特徴的な変形が生じます。変形の観察そのものが評価の一部です。とくに環軸関節亜脱臼は頸髄圧迫の危険があり、頸部の過度な前屈や急な操作を避けるという臨床上の注意点があります。

部位代表的な変形
手指尺側偏位、スワンネック変形、ボタン穴(ボタンホール)変形、母指Z変形
手関節掌側脱臼(手根骨の掌側への亜脱臼)
外反変形(膝外反・X脚)
足部外反扁平足、外反母趾
頸椎環軸関節亜脱臼(第1‐2頸椎)
RAの代表的変形:手・手関節/膝・足部・頸椎
RAの代表的変形:手・手関節/膝・足部・頸椎

筋力・握力・ADL・活動性の評価

RAでは握力低下が目立ち、痛みのために力が入りにくいことも特徴です。通常の握力計での測定が困難な場合は血圧計のカフを用いて測定する方法があり、いずれも痛みへの配慮が必要です。

ADLは上肢も下肢も両方みます。「どの動作が困るか」「生活にどう影響しているか」を具体的に把握することがリハビリ計画の土台になります。さらに活動性やQOLは指標で数値化して客観的に評価します。

区分指標内容
疾患活動性DAS2828関節を対象。寛解/低疾患活動性/中等度/高疾患活動性に区分
疾患活動性SDAI・CDAI・ACRコアセットDAS28以外の活動性指標
身体機能HAQ・mHAQ日常生活動作の遂行能力を評価
QOLAIMS2生活の質を多面的に評価
筋力握力(握力計/血圧計カフ)RAでは握力低下が顕著。疼痛に配慮して測定
活動性とQOLの評価:DAS28・SDAI・CDAI・HAQ・AIMS2
活動性とQOLの評価:DAS28・SDAI・CDAI・HAQ・AIMS2
国試ポイント
① RAの進行順序は「滑膜炎 → パンヌス形成 → 軟骨破壊 → 骨破壊・変形」。パンヌスが軟骨を侵食する点が頻出。
② ACR/EULAR 2010分類基準は関節数・血清学的検査・炎症反応・症状持続期間の4項目で、合計6点以上でRAと判定。
③ Steinbrocker分類は「病期(Stage I〜IV、X線所見)」、機能分類は「Class I〜IV(ADL自立度)」。両者の混同が引っかけ。
④ 手指変形は尺側偏位・スワンネック・ボタン穴・母指Z変形。手関節は掌側脱臼、膝は外反、足部は外反扁平足・外反母趾。
⑤ 環軸関節亜脱臼は頸髄症状のリスクがあり、頸部の過度な前屈・急激な操作は避ける。
⑥ ROM評価・訓練は疼痛の自制内で行い、炎症の強い時期の過負荷は禁忌。無理な測定はしない。
・ 握力低下が目立ち、握力計で困難な場合は血圧計のカフで代用する方法がある。
・ 活動性はDAS28(ほかSDAI・CDAI)、身体機能はHAQ・mHAQ、QOLはAIMS2。指標の役割の対応づけが問われる。
・ 朝のこわばりは活動性を示す重要所見で、持続時間を聴取する。
・ 周辺疾患としてシェーグレン症候群、悪性関節リウマチ、Felty症候群、関節外症状(肺・心・血管など)を押さえる。
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