関節リウマチは、関節滑膜を病変の主座とする原因不明の慢性炎症性自己免疫疾患です。免疫の異常により自分の関節を攻撃して炎症が続き、20〜50歳(特に40〜50歳代)の女性に多くみられます。朝のこわばりと左右対称性の多発性関節炎が特徴で、進行すると関節破壊・強直やスワンネック変形などの不可逆的な変形をきたすため、早期発見・早期治療がカギとなります。
| 読み方 | かんせつリウマチ |
|---|---|
| 分類 | リウマチ性疾患・膠原病 |
| 概念(病態) | 関節滑膜を病変の主座とする原因不明の慢性炎症性自己免疫疾患 |
| 好発 | 20〜50歳(特に40〜50歳代)の女性に多い |
| 原因 | 不明(家族歴がみられることもある) |
| 主症状 | 朝のこわばり(30分以上続くことが多い)、左右対称性の多発性関節炎、痛み・腫れ・熱感 |
| 好発関節 | 手関節、近位指節間関節(PIP)、中手指節関節(MCP)、中足趾節関節(MTP)など/DIP(遠位指節間関節)は侵されにくい |
| 主な検査 | 血液検査(RF・抗CCP抗体・CRP・赤沈)、画像検査(X線・超音波) |
| 診断 | アメリカリウマチ学会分類基準で合計6点以上/臨床症状と検査・画像を総合して診断 |
| 治療の要点 | 早期診断・早期治療で関節の破壊や変形の進行を防ぎ、生活の質(QOL)を守る |
関節リウマチは、慢性炎症性の自己免疫疾患です。免疫の異常により、本来は自分を守るはずの免疫が自分の関節を攻撃して炎症が続く病気と理解しておきましょう。
病変の主座(主病変)は関節滑膜です。関節の内側をおおう滑膜に炎症が起こり、腫れや痛みが生じます。
好発するのは20〜50歳で、特に40〜50歳代の女性に多くみられます。原因は不明ですが、家族内で発症すること(家族歴)もあります。
まとめると、関節リウマチは「女性の中年期に多い自己免疫疾患で、関節滑膜が主病変」と押さえるのが基本です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 概念 | 関節滑膜を病変の主座とする原因不明の慢性炎症性自己免疫疾患 |
| 主病変 | 関節滑膜(関節の内側をおおう滑膜の炎症) |
| 好発年齢 | 20〜50歳(特に40〜50歳代) |
| 性差 | 女性に多い |
| 原因 | 不明(家族歴がみられることもある) |
関節リウマチの症状は、早期発見のカギになる次の4点を押さえます。
好発部位は手関節、近位指節間関節(PIP)、中手指節関節(MCP)、中足趾節関節(MTP)など、手足の小さな関節です。一方で、DIP(遠位指節間関節)は侵されにくい点が国試頻出のひっかけポイントになります。手の小さな関節から始まり、放置すると関節破壊に進行することもあります。
| 症状 | 特徴・ポイント |
|---|---|
| 朝のこわばり | 起床時に関節がこわばり動き出すまで時間がかかる。30分以上続くことが多い |
| 多発性関節炎 | 複数の関節に左右対称性の痛み・腫れ・熱感 |
| 左右対称性 | 体の左右、同じ部位の関節に同じ症状。大きな特徴 |
| 痛み・腫れ・熱感 | 持続し、動かすと痛みが強くなる |
| 侵されやすい関節 | 手関節・PIP・MCP・MTPなど小さな関節 |
| 侵されにくい関節 | DIP(遠位指節間関節) |
炎症が続くと、関節軟骨や骨が破壊され、関節が動かなくなる(強直)こともあります。関節は「正常 → 炎症 → 破壊・強直」と変化していきます。
関節リウマチの代表的な変形は次の3つです。
関節の破壊が進むと不可逆的な変形が残ることもあるため、早期診断・早期治療で進行を防ぐことがとても大切です。
| 変形 | PIP関節 | DIP関節 | 覚え方・特徴 |
|---|---|---|---|
| スワンネック変形(Z変形) | 伸展 | 屈曲 | 白鳥の首のような形。指が反り返り先端が下に曲がる |
| ボタン穴変形 | 屈曲 | 過伸展 | ボタン穴のように見える。靱帯のゆるみ・腱のバランス異常が原因 |
| 尺側偏位 | — | — | 指が小指側(尺側)に曲がる。手首・指の関節破壊による |
| 関節破壊・強直 | — | — | 関節軟骨や骨が破壊され、関節が動かなくなる |
関節リウマチの診断には血液検査と画像検査が重要です。
血液検査では自己抗体と炎症の指標をみます。RF(リウマトイド因子)は陽性率が約70〜80%で、高いほど活動性や関節破壊が進行している可能性が高く、陽性はリウマチを疑う重要な目安です。抗CCP抗体(抗環状シトルリン化ペプチド抗体)はRFより特異度が高く、早期から陽性になることもあり、関節破壊の予測にも有用です。CRPは炎症の強さを反映し活動期に上昇、治療効果の判定にも使われます。赤沈(ESR・赤血球沈降速度)は炎症が持続していると亢進し、CRPと合わせて活動性の評価に用います。
ただし、RFや抗CCP抗体が陽性でも、痛風やシェーグレン症候群などでも陽性になることがある点に注意が必要です。
画像検査では、X線検査(レントゲン)で関節裂隙の狭小化・骨びらん・骨粗鬆症などを確認でき、進行した関節破壊の評価に有用です。超音波検査(エコー)は滑膜炎や関節液の貯留を早期に検出でき、骨びらんの早期発見も可能で、早期診断・早期治療にとても役立ちます。
| 検査 | 内容 | 判定のポイント |
|---|---|---|
| RF(リウマトイド因子) | 陽性率は約70〜80%。高いほど活動性や関節破壊が進行している可能性が高い | 陽性(+)=リウマチを疑う重要な目安 |
| 抗CCP抗体 | RFより特異度が高く、早期から陽性になることも。関節破壊の予測にも有用 | 陽性(+)=関節破壊のリスクが高い |
| CRP | 炎症の強さを反映。活動期に上昇し、治療効果の判定にも使う | 高値(↑)=炎症が強い |
| 赤沈(ESR) | 炎症が持続していると上昇。CRPと合わせて活動性を評価 | 亢進(↑)=慢性炎症の存在 |
| X線検査 | 関節裂隙の狭小化・骨びらん・骨粗鬆症などを確認 | 進行した関節破壊の評価に有用 |
| 超音波検査(エコー) | 滑膜炎や関節液の貯留を早期に検出。骨びらんも早期発見可能 | 早期診断・早期治療に役立つ |
診断の目安として、アメリカリウマチ学会分類基準では以下の4項目の合計点で診断を補助します。合計6点以上で関節リウマチと分類されます。
鑑別が必要な疾患には、変形性関節症・痛風・偽痛風(CPPD)・シェーグレン症候群・全身性エリテマトーデス(SLE)があります。症状や検査結果を総合して、正しく鑑別することが大切です。
| 項目 | 配点 |
|---|---|
| 関節の数・部位 | 0〜5点 |
| 血清学的検査(RF・抗CCP抗体) | 0〜3点 |
| 急性期反応(CRP・赤沈) | 0〜1点 |
| 罹患期間(6週以上) | 0〜1点 |
| 合計 | 6点以上で関節リウマチと分類 |
関節リウマチは関節だけの病気ではなく、全身に影響する自己免疫疾患です。主な合併症を押さえましょう。
その他の全身症状として、倦怠感・微熱・体重減少・食欲不振・貧血がみられます。
| 合併症 | ポイント |
|---|---|
| シェーグレン症候群 | ドライマウス・ドライアイ。他の自己免疫疾患を合併しやすい |
| アミロイドーシス | 腎臓に沈着→ネフローゼ症候群。心臓・消化管・神経にも沈着 |
| 間質性肺炎・肺線維症 | 咳・労作時の息切れ。進行すると呼吸不全の原因に |
| 心・血管系の病変 | 心膜炎・心筋炎。動脈硬化の進行で心筋梗塞・脳梗塞のリスク上昇 |
| 骨粗鬆症 | 炎症やステロイド治療の影響。高齢女性は特に注意 |
| 感染症 | 肺炎・帯状疱疹・結核など。生物学的製剤使用時は特に注意 |
| その他の全身症状 | 倦怠感・微熱・体重減少・食欲不振・貧血 |
関節リウマチは「早期発見・早期治療」がカギです。
早期治療により、関節の破壊や変形を防ぎ、生活の質(QOL)を守ることにつながります。関節リウマチは関節の病気だけでなく全身に影響する自己免疫疾患であることを踏まえ、症状・検査・合併症までしっかり押さえておきましょう。