痛覚は組織別(表在性・深部・内臓)のほか、部位別・原因別・持続時間別に分類される感覚です。受容器は自由神経終末で、Aδ線維=速く鋭い痛み、C線維=遅く鈍い痛みを伝えます。内臓の異常が体表の痛みとして感じられる関連痛は、内臓と体表の信号が同じ脊髄分節に入ることが原因です。
| 読み方 | つうかく |
|---|---|
| 定義 | 組織の損傷や損傷を起こしうる刺激によって生じる不快な感覚。体の異常を知らせる警告として働く |
| 受容器 | 自由神経終末(皮膚のいろいろな場所に広く存在するセンサー) |
| 伝導線維 | Aδ線維=速く鋭い痛み(ピリッ)/C線維=遅く鈍い痛み(ズーン…) |
| 組織別の分類 | 表在性痛覚(皮膚)・深部痛覚(皮下・筋・腱・骨膜・関節)・内臓痛覚 |
| 温度による痛覚 | 45℃以上で熱痛覚、15℃以下で冷痛覚 |
| 持続時間の目安 | 急性痛=通常3か月未満/慢性痛=3か月以上持続 |
| 発痛物質 | ブラジキニン・セロトニン・ヒスタミン・K⁺・H⁺・プロスタグランジン・ロイコトリエン |
| 抑制のしくみ | 下行性抑制系と内因性オピオイド |
| 国試での狙われ方 | Aδ/C線維の性質の対比、45℃・15℃の閾値、関連痛=同一脊髄分節、発痛物質の名前、急性痛と慢性痛の区別 |
痛覚は4つの切り口で分類されます。国試でまず押さえるのは組織別の3分類です。
| 組織別の分類 | 感じる場所 | 特徴 |
|---|---|---|
| 表在性痛覚 | 皮膚の表面 | 速い痛み(ピリッ)と遅い痛み(ジンジン)に分かれる |
| 深部痛覚 | 皮下・筋・腱・骨膜・関節 | 局在が不明瞭、持続性・鈍痛、主にC線維が伝える |
| 内臓痛覚 | 胃・腸などの内臓 | 過度の伸展・強い収縮・血流障害・化学刺激で生じ、不快感や吐き気を伴う |
痛みのセンサーは自由神経終末で、皮膚のいろいろな場所に広く存在します。そこから痛み信号を運ぶ「回線」がAδ線維とC線維の2種類です。
温度についても閾値が決まっており、45℃以上で熱痛覚、15℃以下で冷痛覚が生じます。この数値はそのまま出題されます。
| 線維 | 痛みの性質 | 伝わり方 | イメージ |
|---|---|---|---|
| Aδ線維 | 速い痛み・鋭い痛み | 素早く伝わる | ピリッ! |
| C線維 | 遅い痛み・鈍い痛み | ゆっくり伝わる | ズーン…/ジンジン |
表在性痛覚は皮膚の表面で感じる痛みで、ピンなどの刺激をきっかけに、まず速い痛み(鋭い痛み)がすぐにピリッと走り、続いて遅い痛み(鈍い痛み)がジンジンとじわじわ続きます。
深部痛覚は皮下・筋・腱・骨膜・関節が対象で、じんわり重く鈍い痛みが特徴。局在が不明瞭で持続性、主にC線維が伝えます。
内臓痛覚は内臓の異常を感じるセンサーで、次の刺激で生じます。
内臓の異常は「痛み」や「不快感」として脳に伝わり、体の異常に気づき守るための大切なサインになります。
関連痛とは、内臓の異常が原因なのに、体表の別の部位に痛みとして感じられる現象です。たとえば胃の異常が左肩や左腕の痛みとして現れます。
しくみは、内臓からの痛み信号と体表からの痛み信号が同じ脊髄分節(例:T5)に入り、脳が同じ回路として認識してしまうためです。国試では「同一脊髄分節への収束」がそのまま答えになります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 定義 | 内臓の異常が体表の別の部位の痛みとして感じられる |
| 例 | 胃の異常 → 左肩や左腕の痛み |
| しくみ | 内臓からの信号と体表からの信号が同じ脊髄分節に入り、同じ回路で認識される |
| 例の脊髄分節 | T5 |
急性痛は組織損傷を知らせる警告反応で、原因が改善すると消えやすいのが特徴です。発症から短期間の痛みで、通常3か月未満とされます。
慢性痛は3か月以上持続する痛みで、原因が持続していたり不明な場合も多く、日常生活やQOLへの影響が大きくなります。単なる感覚にとどまらず情動・気分・性格・社会性にも影響し、不眠・疲労感・不安・絶望感を伴います。
| 急性痛 | 慢性痛 | |
|---|---|---|
| 期間 | 発症から短期間(通常3か月未満) | 3か月以上持続 |
| 意義 | 組織損傷を知らせる警告反応 | 警告の意味が乏しい |
| 経過 | 原因が改善すると軽快・消えやすい | 原因が持続・不明な場合も多い |
| 影響 | 主に身体的 | 情動・気分・性格・社会性、不眠・疲労感・不安・絶望感、QOLに影響大 |
組織の損傷・炎症が起こると、細胞が活性化して発痛物質が放出されます。発痛物質には、侵害受容器を直接刺激して痛み信号を発生させるものと、受容器の感受性を高めて痛みに敏感にするものがあります。
発痛物質としてスライドに挙がるのは、ブラジキニン・セロトニン・ヒスタミン・K⁺・H⁺・プロスタグランジン・ロイコトリエンです。
一方、痛みには反応と抑制があります。痛みによる反応は、情動反応・屈曲反射・自律神経反応・内分泌反応・免疫反応・内臓-体性反射。抑制は脳から脊髄へ下る下行性抑制系と内因性オピオイドが担います。主な治療は薬物療法・温熱/冷却・鍼・TENS・マッサージ・運動療法・心理療法です。
| 区分 | 内容 |
|---|---|
| 痛みによる反応 | 情動反応、屈曲反射、自律神経反応、内分泌反応、免疫反応、内臓-体性反射 |
| 痛みを抑える系 | 下行性抑制系、内因性オピオイド |
| 主な治療 | 薬物療法、温熱・冷却、鍼、TENS、マッサージ、運動療法、心理療法 |