肝陰虚(かんいんきょ)は、肝の陰液が不足し、相対的に虚熱が生じた状態の証です。肝血虚が進行して陰液不足になることが多く、目の乾燥・不眠・寝汗・手足のほてり・めまいなどが現れます。舌脈は紅舌・少苔・細数脈が国試超頻出。このページでは肝陰虚の定義から原因病機・主な症状・舌象脈象・治法(滋陰・養陰・滋補肝腎)まで、スライド7枚の内容をまるごとテキストで確認できます。
| 読み方 | かんいんきょ |
|---|---|
| 分類 | 臓腑弁証(肝の病証)・虚証 |
| 定義 | 肝の陰液が不足し、相対的に虚熱が生じた状態 |
| キーワード | 陰液不足・虚熱 |
| 主な原因 | 肝血虚の進行・睡眠不足・過労・熱病・ストレスの長期化 |
| 代表症状 | 目の乾燥・不眠・寝汗・手足のほてり・めまい・イライラ |
| 舌象 | 紅舌・少苔(無苔になることも) |
| 脈象 | 細数脈 |
| 治法 | 滋陰・養陰・滋補肝腎 |
肝陰虚とは、肝の潤い(陰液)が不足した状態です。「陰」とは身体の潤い・静けさ・冷ます力・身体を養う力を指します。陰は身体の潤いであり、不足すると熱(虚熱)が出るのがポイントです。
肝の病証マップでは、肝気鬱結→肝陽上亢→肝火上炎→肝血虚→肝陰虚という流れの中に位置づけられます。肝陰虚の特徴は次の流れです。
全体の流れは「肝陰虚 → 潤い不足(陰液不足)→ 虚熱 → 不眠・寝汗・ほてり(手足のほてり)」。こんな症状ない?のチェックとしては目の乾燥・不眠・手足のほてり・寝汗・めまいが挙げられます。肝陰虚は「陰が不足して虚熱が出る」状態と覚えましょう。
| 陰の働き | 意味 |
|---|---|
| 潤い | 身体をうるおす |
| 静けさ | 身体を落ち着かせる |
| 冷ます力 | 熱を鎮める |
| 身体を養う力 | からだを養う |
肝陰虚の原因は大きく5つあります。陰は使いすぎると減り、夜更かしは要注意。血虚から進行することも多いのが特徴です。
原因のまとめ(流れ): 血虚(肝血虚の進行)+睡眠不足(夜更かし)+過労・慢性疲労(休めない)+熱病(高熱・炎症)+ストレス(気滞の長期化)→ 陰液不足 → 肝陰虚。
陰は「潤い・冷ます力・身体を養う力」。使いすぎや消耗で減ると、虚熱が出て肝陰虚になります。
| 原因 | 内容 | 病機 |
|---|---|---|
| ① 肝血虚の進行 | 血不足が続く | 陰液不足に |
| ② 睡眠不足 | 夜更かし・休養不足 | 陰を消耗する |
| ③ 慢性疲労・過労 | 働きすぎ・休めない | 潤い不足に |
| ④ 熱病 | 高熱・慢性炎症 | 陰液を消耗する |
| ⑤ ストレスの長期化 | 気滞が続く | 陰を傷る |
肝陰は「潤い・冷ます力」を持っています。不足すると、からだの中で静かな熱(虚熱)が起こり、さまざまな症状につながります。肝陰虚は虚熱がポイントで、夜に悪化しやすいのが特徴です。虚熱による熱感は午後〜夜に現れます。
覚えよう: 陰液不足 → 虚熱 → 不眠・寝汗・ほてり・目の乾燥。
| 分類 | 症状 |
|---|---|
| 目の症状 | 目が乾く・目が疲れる・めまい |
| 虚熱症状 | 手足のほてり・顔のほてり・午後〜夜に熱感 |
| 睡眠症状 | 不眠・寝汗・眠りが浅い |
| 精神症状 | イライラ・落ち着かない・集中しにくい |
潤い不足は舌と脈にも現れます。陰虚は少苔がポイントで、細数脈もセットで覚えましょう。肝陰虚は「潤い不足(陰液不足)」が原因で、舌が赤く、苔が少なくなり、脈は細くて速くなります。
覚えよう: 陰液不足 → 紅舌・少苔 → 細数脈。
| 項目 | 所見 | 説明 |
|---|---|---|
| 舌 | 紅舌 | 赤い舌 |
| 舌 | 少苔 | 苔が少ない |
| 舌 | 無苔 | ツルっと見えることも |
| 脈 | 細脈 | 細い |
| 脈 | 数脈 | 速い |
| 脈 | 細数脈 | 頻出!細くて速い脈 |
肝火上炎と肝陰虚は舌苔と熱の性質で鑑別します。国試でも問われやすい比較ポイントです。
| 証 | 舌苔 | 熱の性質 |
|---|---|---|
| 肝火上炎 | 黄苔 | 実熱 |
| 肝陰虚 | 少苔 | 虚熱 |
基本の考え方は「肝の陰液を滋養し、虚熱を鎮めて、心身のバランスを整える」こと。治法のポイントは「潤い補給」で、身体を冷やしすぎないことも大切です。
覚えよう: 陰液不足 → 滋陰・養陰・滋補肝腎 → 虚熱を鎮める → 陰を補い、身心を整える。
あわせて生活習慣も治療の一部です。辛いもの・アルコール・夜ふかし・ストレスは陰を傷つけ、虚熱を悪化させるため注意しましょう。肝陰虚の治法は「滋陰・養陰・滋補肝腎」で、潤いを補い、虚熱を静めるのが基本です。
| 治法 | 読み方 | 内容 | 代表生薬 | 効果 |
|---|---|---|---|---|
| 滋陰 | じいん | 陰液を補い、潤いを増やす | 生地黄(しょうじおう)・玄参(げんじん)・麦門冬(ばくもんどう) | 肝の陰を補い、虚熱や乾燥を改善する |
| 養陰 | よういん | 陰を養い、体を潤す | 枸杞子(くこし)・女貞子(じょていし)・墨旱蓮(ぼっかんれん) | 肝腎の陰を養い、めまい・不眠・ほてりを和らげる |
| 滋補肝腎 | じほかんじん | 肝腎を滋養し、根本から補う | 熟地黄(じゅくじおう)・山茱萸(さんしゅゆ)・山薬(さんやく) | 肝腎の精血を補い、陰を増やして体の土台を整える |
国試頻出ランキングは ①細数脈 ②少苔 ③不眠・寝汗 ④虚熱 ⑤紅舌 の順。細数脈は超頻出で、少苔もセットで覚えましょう。肝火上炎との違いも大事です。
肝陰虚のキーワード: 陰液不足 → 虚熱 → 紅舌・少苔 → 細数脈 → 滋陰。
| チェック項目 | 内容 |
|---|---|
| 原因は? | 肝血虚の進行・睡眠不足・過労・熱病・陰液消耗 |
| 症状は? | 目の乾燥・不眠・寝汗・手足のほてり・めまい・イライラ |
| 舌は? | 紅舌・少苔(頻出) |
| 脈は? | 細脈・数脈・細数脈(頻出) |
| 治法は? | 滋陰・養陰・滋補肝腎 |
肝陰虚とは「肝の陰液が不足し、相対的に虚熱が生じた状態」。キーワードは陰液不足と虚熱です。治法は虚熱を鎮め、潤いを補うこと。
ポイントまとめ: 陰液不足=潤い不足/虚熱=ほてり・熱感/紅舌・少苔=舌のサイン/細数脈=脈のサイン/滋陰=治療の基本。
| 項目 | 要点 |
|---|---|
| 定義 | 肝の陰液が不足し、相対的に虚熱が生じた状態 |
| 原因 | 肝血虚の進行・睡眠不足・過労・熱病・陰液消耗 |
| 症状 | 目の乾燥・不眠・寝汗・手足のほてり・めまい・イライラ |
| 舌の特徴 | 紅舌(舌が赤い)・少苔(苔が少ない)・無苔になることも |
| 脈の特徴 | 細脈(細くて弱い)・数脈(速い)・細数脈がポイント |
| 治法 | 滋陰(陰液を補う)・養陰(陰を養う)・滋補肝腎(肝と腎を滋養する) |