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過敏性腸症候群(IBS)の病態・分類・症状・診断・治療かびんせいちょうしょうこうぐん

過敏性腸症候群(IBS)は、内視鏡検査などで炎症やがんといった器質的異常が見つからないにもかかわらず、腹痛や便通異常を繰り返す機能性の腸疾患です。ストレスなど心理・社会的要因が関わりやすく、血便を伴わないことが炎症性腸疾患や大腸癌との重要な鑑別点になります。

過敏性腸症候群|過敏性腸症候群 1
読み方かびんせいちょうしょうこうぐん(IBS)
分類便秘型/下痢型/交代性下痢・便秘型
原因・関与因子腸管の運動異常・知覚過敏、自律神経の乱れ(ストレスで交感神経優位)、心理・社会的要因
好発の特徴器質的異常を伴わない機能性の腸疾患
主症状腹痛、腹部不快感、便秘、下痢、便秘と下痢の反復
特徴血便は出ない/器質的異常がない
診断炎症性腸疾患・大腸癌など器質的疾患を除外して診断
予後良好だが症状を繰り返しやすい
治療食事・生活指導、ストレス対策、整腸薬、消化管機能改善薬、止痢薬、下剤、抗コリン薬、心理療法

過敏性腸症候群(IBS)とは―器質的異常のない機能性腸疾患

過敏性腸症候群(IBS)は、大腸内視鏡検査などで炎症や腫瘍といった器質的異常が見つからないにもかかわらず、腹痛や便通異常(便秘・下痢)を慢性的に繰り返す機能性の腸疾患です。発症には腸管そのものの運動異常・知覚過敏に加え、自律神経の乱れや心理・社会的要因が関与すると考えられています。

過敏性腸症候群(IBS)のメカニズムと特徴(スライドより)
過敏性腸症候群(IBS)のメカニズムと特徴(スライドより)

病型分類―便秘型・下痢型・交代性下痢便秘型

IBSは便通異常のパターンによって大きく3つのタイプに分類されます。

病型特徴
①便秘型コロコロ便・排便回数の減少
②下痢型水様便・排便回数の増加
③交代性下痢・便秘型便秘と下痢を繰り返す

主な症状と血便を伴わないという特徴

主な症状は腹痛・腹部不快感・便秘・下痢で、便秘と下痢を交互に繰り返すこともあります。IBSの大きな特徴は血便が出ないこと器質的異常がないことであり、これらは炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎・クローン病)や大腸癌との鑑別点として国試でも問われやすいポイントです。

診断―器質的疾患を除外して診断する

IBSには特異的な検査所見がなく、炎症性腸疾患や大腸癌などの器質的疾患を除外診断することで確定します。血液検査や大腸内視鏡検査で明らかな異常がないことを確認したうえで、症状のパターンからIBSと診断します。予後は良好とされますが、症状を繰り返しやすい点にも注意が必要です。

治療法

IBSの治療は生活面へのアプローチと薬物療法、心理的アプローチを組み合わせて行います。

分類内容
生活指導食事・生活指導、ストレス対策
薬物療法整腸薬、消化管機能改善薬、止痢薬、下剤、抗コリン薬
心理的アプローチ心理療法

他の腸疾患との鑑別(潰瘍性大腸炎・クローン病との違い)

IBSは、国試で並べて出題されやすい潰瘍性大腸炎やクローン病と混同しないことが重要です。潰瘍性大腸炎・クローン病は内視鏡検査で炎症などの器質的異常が確認される炎症性腸疾患ですが、IBSはそれらの器質的異常がない点で明確に区別されます。

腸疾患の国試ポイント総まとめ(スライドより)
腸疾患の国試ポイント総まとめ(スライドより)
国試ポイント
① IBSは器質的異常がないのに腹痛・便通異常を繰り返す機能性腸疾患である
② 病型は便秘型・下痢型・交代性下痢便秘型の3つに分類される
③ 血便を伴わない点が炎症性腸疾患・大腸癌との重要な鑑別点になる
④ ストレスなど心理・社会的要因や自律神経の乱れが発症に関与する
⑤ 診断は器質的疾患を除外して行う(除外診断)
⑥ 治療は食事・生活指導、薬物療法、心理療法など多岐にわたる
📖 過敏性腸症候群をスライドで学ぶ(国試辞書) 図解スライドでサクッと復習