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切断と義肢(用語・原因・切断高位・義足と義手・断端形成)せつだんとぎし

切断と義肢は、リハビリテーション医学のなかでも用語・切断高位・義肢の名称がそのまま出題される頻出テーマです。まず「骨で切る=切断/関節で切る=離断/切った先端=断端」を押さえ、次に上肢・下肢それぞれの切断高位と、それに対応する義手・義足を結びつけて覚えます。近年は糖尿病・末梢動脈疾患など血管障害による下肢切断が増加している点も重要です。

切断と義肢|切断と義肢 1
読み方せつだんとぎし
基本用語切断=骨の部分で切離/離断=関節の部分で切離/断端=切離された肢の先端
主な原因外傷・血管障害(糖尿病性壊疽、末梢動脈疾患)・腫瘍・炎症(感染)
近年の傾向高齢化に伴い血管障害による下肢切断が増加。糖尿病性壊疽が重要で、反対側の足のケアも必須
上肢の切断高位フォアクォーター切断・肩離断・上腕切断・肘離断・前腕切断・手指切断
下肢の切断高位股離断・大腿切断・膝離断・下腿切断・サイム切断・足部切断
代表的な義肢下肢:股義足/大腿義足/PTB・KBM・ライナー式下腿義足/サイム義足/リスフラン義足 上肢:上腕義手(スプリットソケット)/前腕義手(ミュンスター型・ノースウェスタン型)
断端形成の原則円錐形が基本。神経腫予防の神経処理、骨の整形、筋肉によるバランスのよい被覆、確実な止血、皮膚ケア
国試での狙われ方切断と離断の言い換え、切断高位と義肢名の組合せ、PTB/KBMの荷重部位、膝離断・サイム切断の断端荷重、義手ソケットの断端長との対応

切断の基本用語(切断・離断・断端)

まず用語の区別が最重要です。骨の途中で切離するものを「切断」関節の部分で切離するものを「離断」と呼びます。切離されて残った肢の先端が「断端(стамп)」で、ここに義肢のソケットを装着します。断端の長さ・形状が、その後に選択できる義肢の種類と機能を大きく左右するため、切断術は「リハビリテーションの第一歩」と位置づけられます。

名称に「◯◯離断」とあれば関節レベル、「◯◯切断」とあれば骨幹部レベルと判断できるのが試験でのコツです。

用語切離する場所代表例
切断骨の部分上腕切断・前腕切断・大腿切断・下腿切断
離断関節の部分肩離断・肘離断・股離断・膝離断
断端切離後の肢の先端義肢ソケットが接する部位
切断・離断・断端の違い。骨で切れば切断、関節で切れば離断
切断・離断・断端の違い。骨で切れば切断、関節で切れば離断

切断の原因と近年の傾向

切断の原因は大きく外傷・血管障害・腫瘍・炎症(感染)の4つに分類されます。かつては労働災害や交通事故などの外傷性切断が中心でしたが、高齢化と生活習慣病の増加により、現在は血管障害による下肢切断が増加しています。とくに糖尿病性壊疽と閉塞性動脈硬化症(末梢動脈疾患)が重要で、これらは高齢者に多く、切断後も反対側の下肢に同じ病態が進行しているため、健側の足のフットケアが欠かせません。

外傷性切断では、切断そのものだけでなく合併損傷の見落としが生命予後を左右します。頭部外傷・脊髄損傷・多発骨折などを早期に評価し、同時に喪失体験に対する心理的支援を行うことも重要です。

原因内容特徴・注意点
外傷交通事故・労働災害・機械への挟まれなど若年〜壮年に多い。頭部外傷・脊髄損傷・多発骨折の合併に注意
血管障害糖尿病性壊疽、閉塞性動脈硬化症(末梢動脈疾患)高齢者に多く近年増加。下肢切断が中心。反対側下肢の管理も必須
腫瘍骨肉腫などの悪性腫瘍広範切除が必要な場合に切断。術後の化学療法との調整
炎症重症感染・骨髄炎・壊死性軟部組織感染感染制御が優先。救命目的の切断となることもある
切断の4大原因=外傷・血管障害・腫瘍・炎症
切断の4大原因=外傷・血管障害・腫瘍・炎症

血管障害による下肢切断と外傷性切断の注意点

血管障害による切断は高齢者に多く、糖尿病性壊疽が代表的です。血糖コントロール不良に末梢神経障害が加わることで足病変に気づきにくく、潰瘍から壊疽へ進行します。切断後も対側の下肢が同じリスクを抱えているため、両足の観察・清潔保持・適合した靴の指導が再切断予防の要になります。

一方の外傷性切断では、以下の合併損傷を早期に見逃さないことが回復の第一歩です。

血管障害による下肢切断は増加傾向。糖尿病性壊疽と反対側の足に注意
血管障害による下肢切断は増加傾向。糖尿病性壊疽と反対側の足に注意

下肢切断の分類と代表的な義足

下肢の切断高位は近位から股離断→大腿切断→膝離断→下腿切断→サイム切断→足部切断の順に並びます。それぞれに対応する義足があり、切断高位と義足名の組合せが国試の定番です。とくに膝離断とサイム切断は断端末で直接荷重(断端荷重)しやすい点が特徴で、頻出のキーワードです。

切断高位レベル対応する義足ポイント
股離断股関節股義足エネルギー消費が最大。歩行能力の獲得は困難
大腿切断大腿骨骨幹部大腿義足膝継手が必要。断端長が長いほど有利
膝離断膝関節膝義足(膝離断用義足)断端末荷重が可能。断端が長く懸垂しやすい
下腿切断下腿骨骨幹部PTB義足・KBM義足・ライナー式下腿義足PTBは膝蓋腱で荷重。KBMは大腿骨顆部で懸垂
サイム切断足関節(脛骨遠位)サイム義足踵部の皮膚を利用し断端末荷重が可能
足部切断中足部などリスフラン義足・足部義足歩行能力は保たれやすい
下肢切断の高位分類。切断部位で選ぶ義足が変わる
下肢切断の高位分類。切断部位で選ぶ義足が変わる

上肢切断の分類と上腕義手・前腕義手の特徴

上肢の切断高位は近位からフォアクォーター切断→肩離断→上腕切断→肘離断→前腕切断→手・指切断です。上腕義手・前腕義手は、断端の長さによって使用するソケットと構造が変わるのが最大のポイントです。

能動義手では、肩甲帯の動き(肩の屈曲・肩甲骨の外転)でハーネスを介してケーブルを牽引し、フックなどの手先具や肘継手を操作します。体の動きを力源とするため「体内力源義手」に分類されます。

切断高位対応する義手ソケット・構造の特徴
フォアクォーター切断肩甲胸郭間切断用義手肩甲骨・鎖骨を含めて切離。装飾用途が中心
肩離断肩義手肩継手・肘継手・手先具をすべて備える
上腕切断(長断端)上腕義手スプリットソケット。分割式で装着しやすい
肘離断肘離断用義手断端が長く回旋制御に有利。側方肘継手を用いる
前腕切断(短断端)前腕義手ミュンスター型ソケット(肘の近くまである短い断端)
前腕切断(極短断端)前腕義手ノースウェスタン型ソケット
手・指切断手部義手・指義手装飾義手が中心
上腕義手・前腕義手は断端の長さでソケットが変わる。ケーブル操作で手先具を動かす
上腕義手・前腕義手は断端の長さでソケットが変わる。ケーブル操作で手先具を動かす

切断高位の選択と断端形成のポイント

切断高位は「創が治りやすいこと」と「できるだけ機能を残すこと」のバランスで決定されます。高く切るほど創治癒と安全性は有利だが機能は失われ、低く切るほど機能は温存できるが創治癒に不利という関係にあります。判断材料は性別・年齢・原疾患・全身状態・社会的背景・義肢に求める機能で、一人ひとりに最適な高位を選択します。

断端形成では円錐形(先細り)が基本で、これによりソケット内で荷重が安定し、皮膚トラブルを予防できます。義肢に適合しやすい断端をつくるための処理は次のとおりです。

観点低く切る(遠位)高く切る(近位)
機能温存有利(残存機能が多い)不利(機能を失う)
創治癒不利(血流が乏しい)有利(血流が良い)
エネルギー消費少ない多い
義肢の適合断端が長く懸垂しやすい懸垂が難しく部品が増える
断端形成は円錐形が基本。神経・骨・筋の処理と早期リハが鍵
断端形成は円錐形が基本。神経・骨・筋の処理と早期リハが鍵
国試ポイント
① 「骨で切る=切断」「関節で切る=離断」「切った先端=断端」。名称に離断とあれば関節レベルと即断できる。
② 切断の原因は外傷・血管障害・腫瘍・炎症の4つ。近年は高齢化により糖尿病性壊疽など血管障害による下肢切断が増加している。
③ 下肢切断の高位順(近位→遠位)は股離断・大腿切断・膝離断・下腿切断・サイム切断・足部切断。膝離断とサイム切断は断端末荷重が可能。
④ 下腿義足のPTBは膝蓋腱で荷重、KBMは大腿骨顆部で懸垂する。この2つの区別は頻出。
⑤ 上肢切断の高位順はフォアクォーター切断・肩離断・上腕切断・肘離断・前腕切断・手指切断。
⑥ 上腕の長断端=スプリットソケット、前腕の短断端=ミュンスター型、さらに短い断端=ノースウェスタン型。断端長との対応が引っかけどころ。
・ 能動義手は肩甲帯の動きでハーネス・ケーブルを牽引して手先具を操作する体内力源義手。
・ 断端形成は円錐形が基本。神経腫予防の神経処理、骨の角の整形、筋によるバランスのよい被覆が原則で、早期リハが機能回復とQOLを左右する。
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