人体は「体幹」と「体肢」に大きく分けられ、それぞれがさらに頭部・頸部・胸部・腹部・骨盤部や、上肢・下肢の細区分に分かれます。解剖学ではすべての位置関係を「解剖学的正位」という基準姿勢をもとに、内側・外側、前・後、近位・遠位などの方向用語で統一的に表現します。これらは国家試験でも図と用語の組み合わせで頻出する、解剖学の最も基礎となる知識です。
| 読み方 | じんたいのめいしょう |
|---|---|
| 人体の大分類 | 体幹(たいかん)と体肢(たいし)の2つに大別 |
| 体幹の区分 | 頭部・頸部・胸部・腹部・骨盤部の5つ |
| 体肢の区分 | 上肢(肩・上腕・前腕・手)、下肢(大腿・下腿・足) |
| 基準となる姿勢 | 解剖学的正位(直立・顔前方・手掌前方・足先前方) |
| 主な方向用語 | 内側/外側・前/後・上/下・浅/深・近位/遠位 |
| 3つの基本切断面 | 正中面(矢状面)・前額面(冠状面)・水平面(横断面) |
| 国試での狙われ方 | 体幹の5区分、体肢の細区分、方向用語の意味と具体例(母指=外側等)が頻出 |
人体は大きく体幹(たいかん)と体肢(たいし)の2つに分けられます。体幹は身体の中心部分、体肢は手足の部分を指します。それぞれさらに以下のように細かく区分されます。
| 大分類 | 細区分 | 主な内容 |
|---|---|---|
| 体幹 | ①頭部(とうぶ) | 顔・頭蓋を含む部分 |
| 体幹 | ②頸部(けいぶ) | 首の部分。気管・食道・血管・神経など |
| 体幹 | ③胸部(きょうぶ) | 心臓・肺・大血管などを含む部分 |
| 体幹 | ④腹部(ふくぶ) | 胃・腸・肝臓・腎臓など消化器・肝臓を含む部分 |
| 体幹 | ⑤骨盤部(こつばんぶ) | 膀胱・生殖器・直腸など骨盤内臓器を含む部分 |
| 体肢(上肢) | ①肩→②上腕→③前腕→④手 | 肩関節を含む部分→肩から肘まで→肘から手首まで→手首から指先まで |
| 体肢(下肢) | ①大腿→②下腿→③足 | 股関節から膝まで→膝から足首まで→足首から足趾先まで |
解剖学ではすべての位置関係を「解剖学的正位(標準解剖学的位置)」という基準姿勢で表します。国家試験でも必ず出題される超重要ポイントです。
また、身体を左右に分ける仮想の線を正中線(せいちゅうせん)といい、正中線上にあることを「正中」、正中線で身体を左右に分けた面を「正中面(せいちゅうめん)」と呼びます。
人体の構造を観察するときは、3つの基本面(切断面)を用います。いずれも解剖学的正位を基準とした面です。
| 面の名称 | 別名 | 身体を分ける方向 |
|---|---|---|
| 正中面(せいちゅうめん) | 矢状面(しじょうめん) | 左右に分ける(特に真ん中を通るものが正中面) |
| 前額面(ぜんがくめん) | 冠状面(かんじょうめん) | 前後に分ける |
| 水平面(すいへいめん) | 横断面(おうだんめん) | 上下に分ける(頭側と尾側を分ける) |
解剖学では方向の表現を統一するため、解剖学的正位を基準にした専門用語を用います。国家試験では図と用語の組み合わせ問題が頻出します。
| 用語 | 意味 | 具体例 |
|---|---|---|
| 内側(ないそく) | 正中線に近い | 小指は内側 |
| 外側(がいそく) | 正中線から遠い | 親指(母指)は外側 |
| 前(ぜん) | 顔側(腹側) | お腹側=前 |
| 後(ご) | 背中側(背側) | 背中側=後 |
| 上(じょう) | 頭に近い(頭側) | 頭=上 |
| 下(か) | 足に近い(尾側) | 足=下 |
| 浅(せん) | 体表に近い | 皮膚は浅い |
| 深(しん) | 体の深部・中心に近い | 筋肉・骨や臓器は深い |
| 内方(ないほう) | 正中線に近い | ― |
| 外方(がいほう) | 正中線から遠い | ― |
四肢(上肢・下肢)では、体幹に近いか遠いかで位置関係を表す近位(きんい)・遠位(えんい)という用語が国家試験で超頻出です。
覚え方の具体例:上肢は「肩(近位)→肘(遠位)→手(さらに遠位)」、下肢は「股関節(近位)→膝(遠位)→足(さらに遠位)」の順に体幹から遠ざかります。