背部(背中)は脊柱を中心とした体幹後面の解剖学的領域で、脊柱・肋骨・肩甲骨・上肢帯筋から構成される。触診の指標となる棘突起、体表の隆起をつくる固有背筋、聴診・穿刺に関わる聴診三角や腰三角(Petit三角)など、国家試験で繰り返し問われるランドマークが集中する部位である。
| 読み方 | はいぶ |
|---|---|
| 構成要素 | 脊柱・肋骨・肩甲骨・上肢帯筋(体幹後面の解剖学的領域) |
| ランドマーク(脊柱部) | 棘突起(後正中溝の下に並び、体表から触知可能) |
| 固有背筋の構成 | 脊柱起立筋(腸肋筋・最長筋・棘筋)+横突棘筋群(半棘筋・多裂筋・回旋筋) |
| 聴診三角の境界 | 僧帽筋(上方)・広背筋(外側)・大菱形筋(内側) |
| 腰三角(Petit三角)の境界 | 広背筋前縁・外腹斜筋後縁・腸骨稜(上縁) |
| 国試での狙われ方 | 聴診三角=呼吸音聴診に最適/腰三角=腹壁が弱く腰ヘルニアの好発部位/胸椎棘突起は斜め下方に伸びるため棘突起の位置=椎体レベルではない点が頻出 |
背部(背中)は脊柱を中心とした体幹後面の解剖学的領域であり、以下の要素から構成される。
これらが重なり合い、姿勢保持や体幹運動、上肢の支持に関わる重要な領域を形成している。
脊柱部では、後正中溝の下に棘突起が並び、体表から触知しやすいため椎骨レベルの確認に利用される。
| 脊柱区分 | 椎骨数 |
|---|---|
| 頸椎 | C1〜C7(7個) |
| 胸椎 | Th1〜Th12(12個) |
| 腰椎 | L1〜L5(5個) |
| 仙骨・尾骨 | 仙椎・尾椎が癒合 |
注意点:胸椎の棘突起は斜め下方へ伸びているため、棘突起の位置=椎体レベルとは限らない。この点は国試で引っかけとして狙われやすい。
後正中溝の両側にある盛り上がりは固有背筋(脊柱の両側にある深層の筋群)によるもので、特に頸部・腰部で顕著となる。
| 分類 | 構成筋 | 作用 |
|---|---|---|
| 脊柱起立筋 | 腸肋筋・最長筋・棘筋 | 体幹を伸展させる主役の筋肉 |
| 横突棘筋群 | 半棘筋・多裂筋・回旋筋 など | 脊柱の安定・回旋運動に関与 |
固有背筋は姿勢保持や脊柱運動に重要な役割を果たす。
聴診三角は3つの筋に囲まれた逆三角形の領域で、筋層が薄く胸郭に最も近いため呼吸音の聴診に適する部位として国家試験頻出。
| 境界 | 筋 |
|---|---|
| 上方 | 僧帽筋 |
| 外側 | 広背筋 |
| 内側 | 大菱形筋 |
断面イメージでは、皮膚のすぐ下に薄い筋層があり、その下に肋骨・胸郭(肺)が位置するため、直接胸郭に音が届きやすい構造となっている。
腰背部には胸腰筋膜と腰三角(Petit三角)という2つの重要構造がある。
| 腰三角の境界 | 構造 |
|---|---|
| ① | 広背筋の前縁 |
| ② | 外腹斜筋の後縁 |
| ③ | 腸骨稜(上縁) |
腰三角は腹壁の抵抗が弱い部位で、腹膜や腸が突出しやすく、腰ヘルニアの好発部位として狙われやすい。