アフロの手アフロの手

治療の基本|原因療法・対症療法・特殊療法・保存療法・生活指導と自然治癒力ちりょうのきほん

治療とは、患者の身体的・精神的苦痛生体に不利な条件を取り除き、健康状態へ回復させる行為です。単に病気を治すだけでなく、リハビリテーションや生活指導を通じて患者が社会復帰できることも目標になります。国試では原因療法・対症療法・特殊療法・保存療法・生活指導の5分類と、自然治癒力を助けるという治療の大原則が問われます。

治療の基本|治療の基本 1
読み方ちりょうのきほん
定義患者の身体的・精神的苦痛や生体に不利な条件を取り除き、健康状態へ回復させる行為
目標病気の治癒に加えて患者の社会復帰(リハビリ・生活指導を含む)
治療法の分類①原因療法 ②対症療法 ③特殊療法 ④保存療法 ⑤生活指導の5つ
治療の前提病態把握・診断・疾患の自然経過の理解
自然治癒力免疫機構/炎症での白血球の働き/結合組織の線維形成/分解・修復作用
自然経過の分類急進進行・急速治癒型/急速進行・増悪型/慢性経過型/不変型の4型
国試キーワード原因療法=根本治療、対症療法=症状を抑える、保存療法=切除しない

治療とは何か(定義と目標)

治療とは、患者の身体的・精神的な苦痛や、生体に不利な条件を取り除き、健康状態へ回復させる行為をいいます。ここで重要なのは、治療の目標が「病気を治すこと」だけに限られない点です。

つまり治療のキーワードは「健康回復+社会復帰」です。国試ではこの2本立てで問われます。

治療とは=苦痛や不利な条件を取り除き健康状態へ回復させる行為
治療とは=苦痛や不利な条件を取り除き健康状態へ回復させる行為

治療法の5分類(原因療法・対症療法・特殊療法・保存療法・生活指導)

治療法は大きく5つに分類されます。国試ではそれぞれの定義と具体例の組み合わせがストレートに問われるため、下表を丸ごと押さえてください。

分類定義具体例
原因療法病気の原因を取り除く治療外科手術で病巣を切除/感染症に抗菌薬/糖尿病にインスリン/貧血に輸血/脱水に輸液
対症療法原因ではなく症状を抑える治療発熱に解熱薬/疼痛に鎮痛薬/咳に鎮咳薬
特殊療法特殊な方法・装置・設備を使う治療救急療法/リハビリテーション/理学療法/人工臓器/移植
保存療法手術で病変を切除せず、臓器や組織を残して治療するカタル性虫垂炎で虫垂を切除せず抗菌薬などで治療
生活指導生活習慣を改善し、病気の改善や発病予防を目指す食事/安静/運動/入浴/睡眠/精神状態/社会活動/生活環境
治療法の種類=原因療法・対症療法・特殊療法・保存療法・生活指導
治療法の種類=原因療法・対症療法・特殊療法・保存療法・生活指導

対症療法をもう一歩深く

対症療法は、病気の原因を取り除くのではなく症状を抑える治療です。患者の苦痛を和らげ、QOLを保つうえで欠かせません。

ただし対症療法だけでは病気そのものは治りません。原因療法と並行して行うことが重要というのが国試での問われ方です。鍼灸・あん摩マッサージ指圧の臨床でも、症状緩和を担いながら原因への対応を見落とさない姿勢が求められます。

対症療法=原因ではなく症状を抑える治療(解熱薬・鎮痛薬・鎮咳薬)
対症療法=原因ではなく症状を抑える治療(解熱薬・鎮痛薬・鎮咳薬)

疾患の自然経過の分類(4型)

治療方針を立てるには、その病気が放っておくとどう進むか=自然経過を知る必要があります。病気の経過は大きく4つに分けられます。

分類特徴
急進進行・急速治癒型急に発症し、急速に治る感染症など
急速進行・増悪型急に発症し、急速に悪化して重症化する急性白血病、広範な心筋梗塞、劇症肝炎
慢性経過型慢性的に進行する神経変性疾患、慢性腎炎、肺気腫、肺結核など
不変型生命への影響が少なく、あまり変化しない漏斗胸、良性腫瘍など
疾患の自然経過の4分類と代表疾患
疾患の自然経過の4分類と代表疾患

自然治癒力と治療の大原則

生体には、病気や外傷を自ら治そうとする自然治癒力が備わっています。自然治癒力には次のような機構が含まれます。

治療の大原則は、この自然治癒力を妨げず、むしろ助けることです。安静・栄養・保温といった基本的な養生も、自然治癒力を支えるという意味で立派な治療にあたります。自然治癒力を助けることも治療の基本という一文は国試頻出です。

自然治癒力=免疫機構・白血球の働き・線維形成・分解修復作用
自然治癒力=免疫機構・白血球の働き・線維形成・分解修復作用

国試まとめ(総整理)

一発暗記は「原因を取る・症状を抑える・自然治癒力を助ける」の3本柱です。

治療 国試ポイント総まとめ
治療 国試ポイント総まとめ
国試ポイント
① 治療の目標は「治癒」だけでなく「社会復帰」まで含む——選択肢で社会復帰が外されていたら誤り。
② 原因療法と対症療法の例の入れ替えが引っかけ。インスリン・抗菌薬・輸血・輸液は原因療法、解熱薬・鎮痛薬・鎮咳薬は対症療法。
③ 保存療法=手術で切除しない治療。カタル性虫垂炎を抗菌薬で治療するのが代表例。
④ 特殊療法には救急療法・リハビリテーション・理学療法・人工臓器・移植が入る。
⑤ 自然治癒力の要素は免疫機構・炎症での白血球の働き・結合組織の線維形成・分解修復作用の4つ。
⑥ 自然経過4型の代表疾患:急速進行増悪型=急性白血病・広範な心筋梗塞・劇症肝炎、不変型=漏斗胸・良性腫瘍。
・ 生活指導が特に重要なのは糖尿病とメタボリックシンドローム。
📖 治療の基本をスライドで学ぶ(国試辞書) 図解スライドでサクッと復習