骨腫瘍は骨に発生する腫瘍の総称で、原発性骨腫瘍・続発性(転移性)骨腫瘍・腫瘍類似疾患に分類されます。わが国で最も多いのは転移性骨腫瘍、原発性悪性骨腫瘍で最も多いのは骨肉腫です。分類ごとの好発・症状・画像所見・治療を国家試験の頻出ポイントとして整理します。
| 読み方 | こつしゅよう |
|---|---|
| 分類 | 原発性骨腫瘍(良性・悪性)/続発性(転移性)骨腫瘍/腫瘍類似疾患 |
| わが国で最多 | 転移性骨腫瘍(約26%) |
| 原発性悪性で最多 | 骨肉腫(原発性悪性骨腫瘍の約42%) |
| 良性で最多 | 骨軟骨腫 |
| 主な症状 | 疼痛(持続する骨の痛み)・病的骨折・腫脹・神経症状 |
| 検査・診断 | X線・CT・MRI・骨シンチグラム・血液検査 |
| 治療 | 手術(広範切除・患肢温存)・化学療法・放射線療法・ホルモン療法 |
骨腫瘍は発生のしかたによって大きく3つに分類されます。国家試験では「原発性」と「続発性(転移性)」の区別が頻出です。
| 分類 | 内容 | 例 |
|---|---|---|
| 原発性骨腫瘍 | 骨そのものから発生 | 骨肉腫・骨軟骨腫など |
| 続発性(転移性)骨腫瘍 | 他臓器のがんが骨へ転移 | 肺がん・乳がん・前立腺がんからの骨転移 |
| 腫瘍類似疾患 | 腫瘍に似た非腫瘍性病変 | 線維性骨異形成症・骨のう胞 |
わが国の骨腫瘍で最も多いのは転移性(続発性)骨腫瘍です。原発巣のがんが骨へ転移する病気のため、発生数が最も多くなります。
日本での骨腫瘍の発生割合(推定)の順位は次のとおりです。
骨転移をきたしやすい主要な原発巣は乳癌・前立腺癌・肺癌です。骨転移の好発部位は脊椎・骨盤・大腿骨・肋骨で、なかでも脊椎が最も多い部位です。
症状は疼痛(持続する骨の痛み)が主症状で最も多いほか、病的骨折、腰背部痛、しびれ、麻痺(運動麻痺)などがみられます。脊椎転移では脊髄が圧迫され神経症状が出るため注意が必要です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 好発原発巣 | 乳癌・前立腺癌・肺癌 |
| 好発部位 | 脊椎(最多)・骨盤・大腿骨・肋骨 |
| 主症状 | 疼痛(持続する骨の痛み) |
| 注意すべき症状 | 病的骨折・脊髄圧迫による神経症状(しびれ・麻痺) |
診断は画像検査と血液検査を組み合わせて、転移の有無・広がり・原発巣の推定を行います。
治療は原則「がんをコントロールして生活の質(QOL)を守る」ことが目的で、化学療法・ホルモン療法・放射線療法・手術を組み合わせます。治療の主な目標は疼痛軽減・ADL維持・QOL改善で、根治が難しいことも多いのが特徴です。
骨肉腫は原発性悪性骨腫瘍のなかで最も多い腫瘍(約42%)で、10代(15〜19歳)に多いのが特徴です。長管骨の端(骨幹端)に発生しやすく、好発部位は大腿骨遠位端・脛骨近位端・上腕骨近位端です(膝周囲に多い)。
症状は運動時痛・安静時痛・夜間痛・熱感・腫脹・関節可動域制限で、「痛み+腫脹」に注意します。X線の画像所見が国家試験の頻出ポイントです。
治療は①術前化学療法 → ②広範切除 → ③患肢温存手術 → ④術後化学療法の流れで行い、5年生存率は60〜70%と近年は予後が改善しています。
| 項目 | 骨肉腫のポイント |
|---|---|
| 位置づけ | 原発性悪性骨腫瘍で最多(約42%) |
| 好発年齢 | 10代(15〜19歳) |
| 好発部位 | 大腿骨遠位端・脛骨近位端・上腕骨近位端(膝周囲) |
| X線所見 | 骨破壊像・骨新生・sunburst appearance・Codman三角 |
| 治療 | 術前化学療法→広範切除→患肢温存手術→術後化学療法 |
| 予後 | 5年生存率60〜70% |
骨軟骨腫は良性骨腫瘍のなかで最も頻度が高い腫瘍です。長管骨の骨幹端(メタフィシス)付近に発生し、思春期の成長期に多くみられます。
治療は軟骨帽を含めて切除します。予後は良好で再発はまれ、成長が終了すると増大は止まります。