歩行とは四肢の交互運動によって重心を前方へ移動させる移動様式のこと。杖や装具を使っても歩行に含まれますが、車椅子移動は交互運動がないため歩行ではありません。歩行周期は同じ側の踵接地から次の踵接地までの1サイクルで、立脚期約60%・遊脚期約40%という比率が国試の最頻出ポイントです。
| 読み方 | ほこうしゅうき(gait cycle) |
|---|---|
| 定義 | 同じ側の踵接地から次の同側の踵接地までの1サイクル(=2歩分・1重複歩) |
| 1周期の所要時間 | 約1.03±0.10秒(正常成人) |
| 3つの分類 | 立脚期(約60%)・遊脚期(約40%)・二重支持期(約15〜20%) |
| 立脚期の細分 | 踵接地→足底接地→立脚中期→踵離れ→つま先離れ |
| 遊脚期の細分 | 加速期→遊脚中期→減速期 |
| 歩行の定義に含まれるもの | 杖歩行・装具歩行は歩行に含まれる/車椅子移動は含まれない |
| 国試での狙われ方 | 立脚期60%・遊脚期40%の比率、二重支持期の割合、走行で二重支持期が0になる点、周期時間の数値 |
歩行とは、四肢の交互運動によって身体の重心を前方へ移動させる移動様式をいいます。踵接地から支持期を経て反対側の踵接地へと、重心が後ろから前へ連続的に運ばれていくのが特徴です。
「移動=歩行」ではない、という引っかけが国試では出ます。
| 項目 | 歩行 | 車椅子移動 |
|---|---|---|
| 四肢の交互運動 | あり | なし |
| 重心の左右移動 | あり | なし |
| 歩行の定義 | 含まれる(杖・装具でも可) | 含まれない |
歩行周期とは、同じ側の踵が接地してから、再び同じ側の踵が接地するまでの1サイクルを指します。この間に左右それぞれ1歩ずつ、合計2歩分が含まれ、これを1重複歩(ストライド)とも呼びます。
歩行周期は立脚期・遊脚期・二重支持期の3つに分類されます。正常歩行では足が地面についている立脚期のほうが長いのが原則です。
| 相 | 割合 | 内容 |
|---|---|---|
| 立脚期(stance phase) | 約60% | 踵接地からつま先離れまで。体重を支える |
| 遊脚期(swing phase) | 約40% | つま先離れから次の踵接地まで。足を振り出す |
| 二重支持期(両脚支持期) | 約15〜20% | 両足が同時に接地。1周期中に2回出現 |
立脚期は踵接地からつま先離れまでの、足が地面について体重を支える時期です。5つの相に細分されます。
| 順 | 相 | 状態 |
|---|---|---|
| 1 | 踵接地(ヒールコンタクト) | 踵が床に接する瞬間。立脚期の開始 |
| 2 | 足底接地(フットフラット) | 足底全体が床につく |
| 3 | 立脚中期(ミッドスタンス) | 片脚で体重を支え、重心が支持脚の真上に来る |
| 4 | 踵離れ(ヒールオフ) | 踵が床から離れ、前方への推進が始まる |
| 5 | つま先離れ(トゥオフ) | 足趾が床を離れる。立脚期の終了=遊脚期の開始 |
遊脚期はつま先離れから次の踵接地までで、足を前方へ振り出す時期です。加速期→遊脚中期→減速期の3相に分かれます。
一方二重支持期は、歩行周期の中で両足が同時に床についている期間で、全体の約15〜20%を占めます。1歩行周期に2回出現し、歩行の中で最も安定した時期です。
歩行速度が上がるほど二重支持期は短くなり、ついに0になった時点で「走行」となります。走行では両足が同時に床から離れる時期(滞空期)が出現するのが決定的な違いです。
| 条件 | 二重支持期 | エネルギー消費の特徴 |
|---|---|---|
| ゆっくり歩行 | 長い | 消費は少ない |
| 速い歩行 | 短い | 速度に応じて増加 |
| 走行 | 0(滞空期あり) | 高速域では歩行より効率的 |
| 上り坂 | — | 消費カロリーが最も大きい |
| 下り坂 | — | 消費カロリーは少なめ |