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足の運動(底屈・背屈・内がえし・外がえし)の主動作筋と国試ポイントあしのうんどう

足(足関節・足部)の運動は底屈・背屈・内がえし・外がえしの4つが基本で、距腿関節・距骨下関節・足根骨間関節・足趾の関節が連動して成り立ちます。国試では「どの運動にどの筋が働くか」と「内がえし・外がえしは合成運動である」の2点が繰り返し問われます。さらに痙性麻痺で生じる内反尖足の機序まで押さえておきましょう。

足の運動|足の運動 1
読み方あしのうんどう
基本運動底屈・背屈・内がえし・外がえしの4つ
主に働く関節距腿関節(足関節)=背屈・底屈/距骨下関節=内がえし・外がえし(回内・回外)/足根骨間関節=すべり・回旋/足趾の関節=蹴り出し・バランス
底屈の主動作筋下腿三頭筋(腓腹筋・ヒラメ筋)、後脛骨筋、長趾屈筋、長母趾屈筋
背屈の主動作筋前脛骨筋、長母趾伸筋、長趾伸筋
内がえし/外がえしの主動作筋内がえし=後脛骨筋(+前脛骨筋)/外がえし=長腓骨筋・短腓骨筋
合成運動としての定義内がえし=底屈+回外+内転/外がえし=背屈+回内+外転
臨床的意義下腿三頭筋は立位保持と歩行の蹴り出しに必須。後脛骨筋は足のアーチと歩行の安定、腓骨筋は足の外側安定性を担う
国試での狙われ方各運動の主動作筋、内がえし・外がえしの構成要素、痙性麻痺による内反尖足、腓腹筋が膝関節もまたぐ二関節筋である点

足の運動は4つの基本運動と複数関節の連動で決まる

足の運動は大きく底屈(つま先を下げる)・背屈(つま先を上げる)・内がえし(足底を内側へ向ける)・外がえし(足底を外側へ向ける)の4つに分けられます。これらは1つの関節だけで起こるのではなく、足部の複数の関節が役割分担しながら連動して実現されます。

「背屈・底屈は距腿関節、内がえし・外がえしは距骨下関節」という対応は国試で頻出です。この分担が組み合わさることで、歩く・走る・跳ぶという動作が成立します。

関節主な運動役割
距腿関節(足関節)背屈・底屈上下方向の動きを生む
距骨下関節(足根下関節)内がえし・外がえし(回内・回外)足部を内外にひねる
足根骨間関節すべり・回旋衝撃吸収・微調整
足趾の関節屈曲・伸展蹴り出し・バランス保持
足の運動は距腿関節・距骨下関節・足根骨間関節・足趾の関節が連動して成り立つ
足の運動は距腿関節・距骨下関節・足根骨間関節・足趾の関節が連動して成り立つ

底屈の主動作筋 ― 下腿三頭筋とアキレス腱

底屈(つま先を下に向ける動き)の主役は下腿三頭筋です。下腿三頭筋は腓腹筋(内側頭・外側頭)とヒラメ筋からなり、合わさってアキレス腱(踵骨腱)をつくり踵骨に付着します。歩く・走る・ジャンプするパワーの源であり、立位保持にも重要な抗重力筋です。

底屈には下腿三頭筋のほか、後脛骨筋・長趾屈筋・長母趾屈筋も補助的に働きます。「腓腹筋は膝関節もまたぐ」という点は引っかけとして狙われやすいので必ず押さえましょう。

筋名主な作用またぐ関節
腓腹筋足の底屈+膝関節屈曲膝関節・距腿関節(二関節筋)
ヒラメ筋足の底屈距腿関節のみ(単関節筋)
後脛骨筋底屈+内がえし距腿関節・距骨下関節
長趾屈筋底屈+第2〜5趾の屈曲距腿関節・足趾
長母趾屈筋底屈+母趾の屈曲距腿関節・母趾
下腿三頭筋=腓腹筋+ヒラメ筋。合わさってアキレス腱をつくり踵骨に付着する
下腿三頭筋=腓腹筋+ヒラメ筋。合わさってアキレス腱をつくり踵骨に付着する

背屈の主動作筋 ― 前脛骨筋が主役

背屈(つま先を上に持ち上げる動き)の主役は前脛骨筋です。下腿前面にあり、足首を引き上げるとともに内がえし(内反)にも関与します。背屈には前脛骨筋のほか、長母趾伸筋・長趾伸筋も働きます。

これらはいずれも深腓骨神経支配で、麻痺すると背屈できず下垂足(鶏歩)となります。「背屈=前脛骨筋、底屈=下腿三頭筋」の対比は基本中の基本です。

運動主動作筋補助する筋
背屈前脛骨筋長母趾伸筋・長趾伸筋
底屈下腿三頭筋(腓腹筋・ヒラメ筋)後脛骨筋・長趾屈筋・長母趾屈筋
背屈には前脛骨筋・長母趾伸筋・長趾伸筋が働く。前脛骨筋は内がえしにも関与
背屈には前脛骨筋・長母趾伸筋・長趾伸筋が働く。前脛骨筋は内がえしにも関与

内がえし・外がえしは「合成運動」である

国試で最も狙われるのが、内がえし・外がえしは単一の運動ではなく、3つの基本運動が組み合わさった合成運動であるという点です。

内がえしの主動作筋は後脛骨筋(前脛骨筋も補助)、外がえしの主動作筋は長腓骨筋・短腓骨筋です。「内がえしに回内が含まれる」といった逆の選択肢が定番の引っかけなので、内がえし=回外外がえし=回内とセットで暗記しておきましょう。

合成運動構成要素主動作筋
内がえし(内反)底屈+回外+内転後脛骨筋(+前脛骨筋)
外がえし(外反)背屈+回内+外転長腓骨筋・短腓骨筋
内がえし=底屈+回外+内転、外がえし=背屈+回内+外転。複数の基本運動が合わさる
内がえし=底屈+回外+内転、外がえし=背屈+回内+外転。複数の基本運動が合わさる

後脛骨筋と腓骨筋 ― 足の安定を支える2大筋

足を内外から支える2つの筋が、足のアーチと立位・歩行の安定を担っています。

後脛骨筋は下腿深層にあり、内くるぶし(内果)の後方を通って舟状骨に停止し、腱の一部は足底へ広がります。作用は底屈+内がえし(内反)で、足のアーチを保持し歩行時の左右のブレを防ぎます。機能不全に陥ると内側縦アーチが低下し扁平足の原因となります。

長腓骨筋・短腓骨筋は下腿外側にあり、作用は外がえし+底屈足の外側安定性を守るキーマッスルで、内反捻挫の防御機構として働きます。

筋名作用走行・停止の特徴臨床的意義
後脛骨筋底屈+内がえし内果の後方を通り舟状骨に停止、足底へ広がる足のアーチ保持・歩行の左右のブレを防ぐ
長腓骨筋外がえし+底屈外果の後方を通り足底を横断足の外側安定性・横アーチ保持
短腓骨筋外がえし+底屈外果の後方を通り第5中足骨粗面に停止足の外側安定性
後脛骨筋は底屈と内反を行い、足のアーチと歩行の安定に重要
後脛骨筋は底屈と内反を行い、足のアーチと歩行の安定に重要

痙性麻痺と内反尖足 ― 臨床でのつながり

脳卒中などによる痙性麻痺では、下腿後面の筋の緊張が亢進し、内反尖足という特徴的な変形を起こしやすくなります。

この2つが合わさって内反尖足となります。歩行では足底が接地しづらく、つま先立ちで内側に傾いた不安定な歩容になります。対策として早期からの評価とROM訓練・ポジショニングによる変形予防が重要で、短下肢装具(AFO)が用いられます。「どの筋の緊張亢進がどの変形を生むか」を筋の作用から逆算できるようにしておきましょう。

緊張が亢進する筋その筋の作用生じる変形要素
下腿三頭筋(アキレス腱)底屈尖足(つま先が下がる)
後脛骨筋底屈+内がえし内反(足底が内側を向く)
両者が合わさる内反尖足
痙性麻痺ではアキレス腱と後脛骨筋の緊張亢進により内反尖足を起こしやすい
痙性麻痺ではアキレス腱と後脛骨筋の緊張亢進により内反尖足を起こしやすい
国試ポイント
① 足の基本運動は底屈・背屈・内がえし・外がえしの4つ。背屈・底屈は距腿関節、内がえし・外がえしは距骨下関節が主役。
② 底屈の主動作筋は下腿三頭筋(腓腹筋+ヒラメ筋)。両者が合わさってアキレス腱をつくり踵骨に付着する。
③ 腓腹筋は膝関節もまたぐ二関節筋、ヒラメ筋は単関節筋。この違いが引っかけで頻出。
④ 背屈の主動作筋は前脛骨筋(+長母趾伸筋・長趾伸筋)。前脛骨筋は内がえしにも関与する。
⑤ 内がえし=底屈+回外+内転、外がえし=背屈+回内+外転。「内がえしに回内」は誤りで定番の引っかけ。
⑥ 内がえしの主動作筋は後脛骨筋、外がえしの主動作筋は長腓骨筋・短腓骨筋。
・ 後脛骨筋は内果後方を通り舟状骨に停止。足のアーチ保持と歩行安定に重要で、機能不全は扁平足の原因。
・ 下腿三頭筋は立位保持の抗重力筋であり、歩行時の蹴り出し(推進力)を生む。
・ 痙性麻痺では下腿三頭筋+後脛骨筋の緊張亢進により内反尖足を生じる。早期のROM訓練・装具による変形予防が重要。
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