発痛物質とは、侵害受容器(痛みセンサー)を刺激して痛みを起こす化学物質のことです。体内で作られる内因性発痛物質と、カプサイシンのような体外由来の外因性発痛物質に分けられます。国家試験では「最強の内因性発痛物質=ブラジキニン」「プロスタグランジンは発痛増強物質」という2つの軸が繰り返し問われます。
| 読み方 | はっつうぶっしつ |
|---|---|
| 定義 | 侵害受容器(痛みセンサー)を刺激して痛みを起こす化学物質 |
| 分類 | 内因性発痛物質(体内で作られる)/外因性発痛物質(体外由来・例:カプサイシン) |
| 最強の内因性発痛物質 | ブラジキニン(血管損傷時に血漿タンパクから産生) |
| 主な内因性発痛物質 | ブラジキニン、セロトニン、カリウムイオン(K⁺)、水素イオン(H⁺)、ATP、ヒスタミン |
| 発痛増強物質 | プロスタグランジン(侵害受容器を感作し、ブラジキニンの作用を増強) |
| 関連する薬 | NSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)=COX(シクロオキシゲナーゼ)を阻害しプロスタグランジン産生を抑制 |
| 国試での狙われ方 | 最強の内因性発痛物質はどれか/各物質の産生元(血漿・血小板・肥満細胞・傷害細胞)/プロスタグランジンは発痛ではなく発痛増強/ヒスタミンは低濃度で痒み・高濃度で痛み |
発痛物質とは、侵害受容器(痛みセンサー)を刺激して痛みを起こす化学物質です。組織が損傷したり炎症が起きたりすると、局所でこれらの物質が産生・放出され、自由神経終末である侵害受容器を興奮させて痛みの信号を脳へ送ります。
国試では「内因性か外因性か」の区別と、それぞれの産生元(どこから出るか)が繰り返し問われます。
まずは表で全体像をつかみましょう。「どこから出るか」+「何をするか」のセットで覚えるのが最短です。
| 物質 | 産生元・由来 | 主な作用 |
|---|---|---|
| ブラジキニン | 血管損傷時に血漿タンパクから産生 | 強い発痛作用、血管拡張、血管透過性亢進、炎症の中心的役割(最強の内因性発痛物質) |
| セロトニン | 血小板凝集時に放出 | 発痛作用、血管収縮作用、炎症部位で痛みを増強 |
| カリウムイオン(K⁺) | 傷害された細胞から細胞外へ漏出 | 侵害受容器を刺激して痛みを起こす |
| 水素イオン(H⁺) | 傷害された細胞から細胞外へ漏出 | 侵害受容器を刺激して痛みを起こす |
| ATP | 傷害された細胞から細胞外へ漏出 | 侵害受容器を刺激して痛みを起こす |
| ヒスタミン | 肥満細胞から放出(アレルゲン等の刺激で) | 血管透過性亢進、発赤・浮腫、低濃度で痒み・高濃度で痛み(発痛作用は比較的弱い) |
| プロスタグランジン | 細胞膜リン脂質→アラキドン酸由来 | 侵害受容器を感作、ブラジキニンの作用を増強(=発痛増強物質) |
| カプサイシン | 体外由来(トウガラシ) | 外因性発痛物質として侵害受容器を刺激 |
個別に押さえるべきポイントを整理します。
プロスタグランジンは、直接痛みを起こすよりも痛みを“増強する働き”が重要です。
由来はアラキドン酸カスケードです。流れは順番どおりに覚えてください。
| 段階 | 反応 | 酵素 | 生成物 |
|---|---|---|---|
| ① | 細胞膜のリン脂質 → アラキドン酸 | ホスホリパーゼA₂ | アラキドン酸 |
| ② | アラキドン酸 → プロスタグランジン | シクロオキシゲナーゼ(COX) | プロスタグランジン |
| ③ | アラキドン酸 → ロイコトリエン | リポキシゲナーゼ(LOX) | ロイコトリエン |
| 薬理 | COXを阻害しプロスタグランジン産生を抑制 | NSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬) | 痛み・炎症の軽減 |
試験直前はこの6項目だけで十分戦えます。
覚え方のコツは「ブラジキニンが痛みを起こし、プロスタグランジンが痛みを増強する」の一文です。