発熱とは、体温が生理的変動の範囲を超えて上昇した状態で、一般には腋窩温37.0℃以上を発熱とします。体温は視床下部の体温調節中枢が熱産生と熱放散のバランスで調節しており、発熱はセットポイント(体温設定温度)が上昇することで起こります。原因は感染症だけでなく炎症性疾患・組織障害・腫瘍など幅広く、国家試験では原因の広さと発熱物質の流れが問われます。
| 読み方 | はつねつ |
|---|---|
| 定義 | 体温が生理的変動の範囲を超えて上昇した状態(一般に腋窩温37.0℃以上) |
| 体温の分類 | 微熱37.0〜37.9℃/中等度熱38.0〜38.9℃/高熱39.0℃以上/過高熱41.5℃以上 |
| 体温調節中枢 | 視床下部 |
| メカニズム | 外因性発熱物質→貪食細胞→内因性発熱物質(IL-1・TNF・IFN)→PGE2→セットポイント上昇→熱産生↑・熱放散↓→発熱 |
| 主な原因 | 感染症、炎症性疾患、組織障害、腫瘍、その他(薬剤アレルギー・溶血・内分泌疾患・熱射病など) |
| 随伴症状 | 体温上昇、ふるえ、寒気、発汗、原因疾患による症状(せき・咽頭痛・腹痛・倦怠感など) |
| 検査 | 尿検査、血液検査、血液生化学検査、免疫血清学検査、細菌検査、X線・エコー・CT |
| 治療 | 原因疾患の治療が基本(細菌感染では抗菌薬)+安静・水分補給・栄養補給・解熱薬・クーリング |
発熱とは、体温が生理的変動の範囲を超えて上昇した状態をいいます。測定部位によって数値が変わりますが、臨床では一般に腋窩温で37.0℃以上を発熱とします。体温には日内変動(早朝に低く夕方に高い)があるため、1回の測定値だけで判断せず、原因検索と重症度評価をあわせて行うことが大切です。
| 体温 | 分類 |
|---|---|
| 37.0〜37.9℃ | 微熱 |
| 38.0〜38.9℃ | 中等度熱 |
| 39.0℃以上 | 高熱 |
| 41.5℃以上 | 過高熱 |
体温は視床下部にある体温調節中枢が司令塔となり、熱産生と熱放散のバランスによって一定に保たれています。寒いときは「熱をつくる+逃がさない」、暑いときは「熱をつくらない+逃がす」方向にはたらきます。
寒いときの反応は3系統に分けて覚えると国試で強いです。
暑いときの反応は、発汗と皮膚血管拡張によって熱を体外へ逃がします。
| 状況 | 熱産生 | 熱放散 | 具体的な反応 |
|---|---|---|---|
| 寒いとき | 増やす | 減らす | ふるえ・皮膚血管収縮・代謝亢進 |
| 暑いとき | 減らす | 増やす | 発汗・皮膚血管拡張 |
発熱は、体温調節中枢のセットポイント(体温の設定温度)が上昇することで起こります。設定温度が上がると、体は「今の体温は低すぎる」と判断し、ふるえや皮膚血管収縮で体温を上げにいきます。これが発熱時の寒気・ふるえの正体です。
一発暗記:細菌・ウイルス → IL-1・TNF・IFN → PGE2 → セットポイント上昇 → 発熱。
発熱の原因は感染症だけではありません。国家試験では「原因が幅広い」ことそのものがポイントになります。感染症・炎症性疾患・組織障害・腫瘍・その他の5分類で整理しましょう。
| 分類 | 代表的な原因 |
|---|---|
| ① 感染症 | 細菌、ウイルス、真菌、リケッチア、原虫など |
| ② 炎症性疾患 | 膠原病、血管炎、結晶起因性炎症(痛風)など |
| ③ 組織障害 | 心筋梗塞、肺梗塞、外傷、熱傷、手術後など |
| ④ 腫瘍 | 悪性リンパ腫、白血病、肝細胞癌など |
| ⑤ その他 | 薬剤アレルギー、慢性感染症、溶血、内分泌疾患、熱射病など |
発熱では体温上昇・ふるえ・寒気・発汗に加え、原因疾患による症状(せき、のどの痛み、腹痛、倦怠感など)がみられます。寒気やふるえは、体が「もっと体温を上げよう」としているサインで、セットポイント上昇の途中で起こります。逆に発汗はセットポイントが下がり解熱に向かう局面でみられます。
原因疾患を明らかにするため、以下の検査を組み合わせます。
鑑別には複数の検査を組み合わせることが重要です。
治療の基本は原因疾患の治療です。細菌感染であれば抗菌薬を使用します。解熱そのものは対症療法であり、原因治療と支持療法をセットで考えます。
まとめると、発熱の治療=原因治療+支持療法(安静・水分・栄養・解熱・冷却)です。